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何でもない日々の日常がだいじなのかもしれない「下北沢について」

吉本ばななのエッセイ、下北沢についてを読んでみた。

情景が目に浮かぶような文章。文章表現の巧みさに、ただただ感嘆する。素敵な表現や自分では使わないような表現がでてきたら、メモに手書きで書いて残してみた。

そのメモを読み返すと、感動した気持ちがよみがえってくる。

吉本ばななさんが、こんなに大きくなった息子さんとお茶を飲みにくるとは思わなかったと、いろいろ思っていることにとても共感した。

人間がこの世にひとり増え、同時に私の人生に深い友達がひとり増えた。なんて不思議なことだろうと私は思った。私の中にいたものが外に出て育って別の人間として歩んでいる。抱いて歩かなくてはいけなかったのに、今はもう私の背を追い越しそうだ。これ以上の不思議はない。
そうして人生ってあっという間に終わってしまう。
そう思ったら、何も欲しいものはない。なんの悩みもない。ただ、そうやっていろんな時期のつきまさに座って、おいしい日本茶を飲んだこと。
そんなようなことだけがいちばんだいじな気がする。

下北沢について

自分の息子を思うと、同じような感覚と共感がこみ上げてきた。
何でもない日々の日常がだいじなのかもしれない。

「人生ってあっという間に終わってしまう」そうだよなぁ、とぼんやりとその言葉だけが頭に浮かぶ。
今を大切に、無理をせず、自然にやりたいことを後悔しないようにやっていきたい。

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