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エッセイ

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2023年12月の記事一覧

【エッセイ】不規則を許す

【エッセイ】不規則を許す

年末年始は、イレギュラーな予定が増える。
いつもと同じことを、同じようにしようとすると、どこかで時間の帳尻を合わせなければならない。

どんなに効率化をもってしても、やるべきことがゼロにはならず、
もっとも調整しやすいのは、睡眠時間であることが多い。

休日は、多少寝るのが遅くとも、翌朝のんびり起きればよいのだから、
睡眠時間そのものを削る必要は、まったくない。
ただ、ずらせばいいだけだ。

それ

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【エッセイ】終わらないかもしれない

【エッセイ】終わらないかもしれない

私は、現実想像問わず、血の流れる怖い話が苦手である。

殺人事件のドラマが点いていると、目と耳を塞いで逃げるし、
お化け屋敷では、目を閉じたまま、手を繋いでもらって脱出する子どもだった。

大人になった今でも、凄惨なニュースは見られないし、
ホラーやスプラッタ、血の気の多いミステリなどは嗜まない。

京極夏彦さんや、森博嗣さんは、美しさが怖さを上回るので、
読むけれども、自宅には置いておけない。

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【エッセイ】もうひとふんばりの希望

【エッセイ】もうひとふんばりの希望

いちばん最初のnoteに、こんなことを書きました。

“自分がつらいとき苦しいとき、救われたのは本だったから。
私も同じように、見知らぬ誰かに対して、
「私はここにいるよ」
「ひとりじゃないよ」
「大丈夫だよ」
って伝えたかったんだろうな、って。

会ったこともない人の言葉や物語に、自分が救われたように、
私の言葉が、世界のどこかでギリギリ踏ん張っている誰かに届いて、
私がここにいることで、誰かを

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【エッセイ】Simple

【エッセイ】Simple

私が何かを“作る”とき。

“引き算”を楽しめるようになったとき、
“余白”を味わえるようになったとき、

作るのが、好きになる。
作るのが、うまくいく。

尊敬しているアーティストの方が、こう言っていたのだ。
「作った時の感覚の言語化をしてみると
自分の上手くいくパターンが見えてくるような気がします」

そこで、作るときの感覚を思い返してみると、
私はどうやら、“磨く”“削ぎ落とす”ことに、美と

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【エッセイ】サンタクロースの秘密

【エッセイ】サンタクロースの秘密

ついに今日、小学生の息子に打ち明けたのだ。
「お母さんは、実は、サンタ組合の組合員なんだ…」と。

「世界には、すごくお金持ちの人もいれば、今日食べるものに困っている人もいるでしょ。
だけど、世界中の子どもたちに、サンタさんが来てほしいから。
そんな思いの大人たちが、サンタ組合に入って、みんなでお金を出し合って、
できるだけたくさんの子どもたちに、プレゼントが届くようにしているんだ」

そう。

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【エッセイ】ぐうたら

【エッセイ】ぐうたら

先週末は、ゴロゴロと過ごしていた。

ここ1ヶ月ぐらい、時間が飛ぶように過ぎる感覚で。
ふっと気力が途切れたのか、
「今日は、なんにもしたくない」
と、クダを巻いていたのである。

けれど、未来の自分が大変なのも、嫌なのだ。
家族分の洗い物を、溜めて明日に回したりなどしたら…
間違いなく、明日の゙私の心が折れる。

逡巡しながら、それでもゴロゴロを貫いていたところ。
私がなんにもしないぶん、娘が部

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