有ることが難しいから「有難う」
どんなに仲のいい人でも、ずっと一緒にいると、煩わしいと感じてしまうときがある。
他人は自分ではないので、意見が違うこともあるし、自分のことを優先したいときもある。
他人というのは、自分にとって都合のいい存在ではない。
向こうにも、向こうの考えや価値観がある。
それでも、人は、一人では生きていけない。
お互いに支え合って、励まし合いながら、生きているのだ。
真島ヒロの『フェアリーテイル』という漫画に出てくるキャラクターのセリフにこういう言葉がある
「世の中には孤独を好む者もおる。しかし、孤独に耐えられる者は一人もおらん」
このコロナの影響で、学校は閉まっていて、授業もサークル活動も、再開の目処が立っていない。
正直、同じ学部でつるんでいる友人や、サークルの人たちのことを煩わしいと思っていた時期があった。
けれども、簡単には会うことができない状況になって、今まで一緒にいたこと、時間を共有してきたことに対して、大変有難みを感じた。
「有難い」は有ることが難しいから有難いのだと聞いたことがある。
確かに、自分たちが当たり前だと思っている日常は、いつかは当たり前じゃなくなる時が来る。
当たり前とは、当たり前じゃなくなる時が来るから、当たり前というのだと思った。
今のこの状況がまさにそうだ。
コロナに限らず、誰だって事故に遭って亡くなってしまうこともあるし、病気になることもある。
自分ではなくても、家族や親しい人に起こることもあり得る。
何かが起きてから後悔しないためにも、人は感謝の心を、誰かに易しくすることを、忘れてはいけないのだと思った。
コロナが明けて、みんなに会えるようになったら、今よりも優しい心をもって接したいと思った。
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