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老いることへの憂いと憧れ

風が気持ちよく感じた。
少し暖かくなったせいだろうか。

小さい頃は、季節の小さな変化にも何か感動を覚えていた気がする。
陽の光や風の音、草花の変化にどこか心を躍らせる。
大人になると、なぜだか小さな変化にあまり気を留めなくなってしまう。

そういうものに寂しさであったり、懐かしさを感じる。
「前はもっと違ったよな」とか思ったりする。

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職場の先輩方から、「若くていいね~」とよく言われる。
これからいろんなことができるだとか、楽しみがたくさんあるだとか…
生活に追われ忙しなく過ごす日々に、そんな楽しみを見出す余裕はなくなってきている。
人と関わることを億劫に感じる一方で、とても寂しいと感じている。

できない自分だとか、寂しい自分がときどきものすごく嫌になってしまう。

振り返れば、いろいろなことを経験して感動してきたと思う。
だけど、何かが足りなくて、何かに安心できていない。

それでも、若いから何でもできると思えばいいのでしょうか。

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同期と「30代の先輩ってなんか生き生きしているよね」という会話をした。

何かとイベントを立ち上げては、いろいろな行事を楽しんでいる。
コミュニティも広くて、社交的な人が多い印象がある。
うちは部署異動が多いから、出会っても3~4年でバイバイになってしまうことも多い。
そういう中でも、離れてしまった人たちとの縁を大事にしたり、新しくコミュニティを築け上げたり、そういうのを得意としているように見える。

そういうのを見て、自分もだんだん良くなる人生にしたいと思う。

若ければ若いほどいいみたいな価値観はなんとなくわかる。
社会人として働く今、学生に憧れを抱くことがある。
なんの責任もなく、間違っても笑ってごまかせたり、周りの大人たちがフォローしてくれる。
会いたい人には割と簡単に会えて、寂しいと感じるいとまがないほど、充実していたあの日々を…
でも、時間を巻き戻してもう一度やり直してみたいかと言われると、やり直せるほどの情熱はもう自分にないと思う。

当時はその時の精いっぱいを生きていたように、今は今の精いっぱいをやっていくしかない。

人生にピークは作らない方がいいと誰かが言っていた気がする。
あの頃はよかったな~で人生が終わってしまうのは悲しい。
そりゃ、老いていくことでできなくなることも出てくる。
けれど歳を重ねたからこそ、できるようになったこともあると、思える日々にしたい。

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仕事の出張先で、とても綺麗な方に出会ったのだけれど、
簡単に挨拶と事務的な話をして終わってしまった。
もう顔は思い出せないのだけれど、なんとなくもっと踏み込んだことを話せたらなと、ちょっと後悔している。

過ぎ去ったことはしょうがないので、また次に行くしかない。
でも、こうやって後悔を積み重ねることだけは、止めにしたいと思った。

女性との関係は失敗が続いているから、自分に自信がない。
ようは、怖気づいているのだ。

けど、
「何度か失敗したからといって、永遠にうまくいかないわけではない」と、これまた誰かが言っていた気がする。

その言葉を信じて、前を向いて行きたい。





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