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いつの時代だってコミュニケーションこそが大事

みなさんこんにちはマスモリです。
当初書こうとしていたものから徐々に脱線し回顧録みたいになっちゃってますが、この辺の音楽が好きな方々から意外と好評なようです。
なのでとりあえずしばらくはこのまま書き進めていこうかと。

今回はちょっと脱線しまして「コミュニケーション」にフォーカスしようと思います。
良く若い人達に昔はどうやって連絡取り合ってたんですか?と聞かれます。
僕が上京した頃(94年)はまだ携帯は普及しておらず、引っ越してすぐにやったのは電話を引く事。所謂固定電話。で、これ誰でも引ける訳じゃなくNTTから電話線を引く権利を買わなきゃいけない。
その権利がまた高くて確か僕が買った頃は8万くらい取られたと思います。
光回線で電話を使う現代(っつーかそもそも固定電話持ってない人の方が多いか)からするとなんと○○○な商売・・・!
ちなみにこの権利、売買する事も可能で良く権利買い取りますってゆー看板も貼ってたましたね。
じゃあ売買した場合電話が使えなくなるかっていうとこれが使えちゃう。
ただし場所が変わったら(引っ越ししたら)使えなくなる(だったはず)。

それと当然今のようにメッセージツールも無いのでやり取りのメインは手紙でした。固定電話と手紙。なんともノスタルジックな話です。

バンドとのやり取りも専ら手紙でした。
ちなみに僕が上京して一番最初に手紙を出したのがナツオ(NUMB)宛でした。
SSOHKのラストイベントで初ライブをかましたNUMBでしたがまだ音源は出ておらず、音源出たらEAT MAGAZINEに載せますので!と熱い握手を交わした僕ら。

それから間もなく発行された同誌にDEMOリリースの告知が。
すぐに記載されてる住所に手紙を送りましたが、折り返し来たナツオからの手紙には「すみません、実はまだ音源が出来ておらずとりあえずジャケだけ載せてもらったんですよ」との返答が(こういうの結構あった笑)。

それからしばらくして待望のデモ(もちろんカセットテープ)が送られてきました。後で聞きましたが、僕に送ったのがデモ第一号だったようでした。
ちなみにその手紙はまだ取ってあります(笑)

関東圏のバンドはライブ会場などで直接買うパターンがメインでしたが、他の地方のバンドは基本的に手紙のやり取りでしたね。
当時は大体デモテープが200〜300円くらい。支払はどうしていたかというと郵便為替というのを利用していました。
これは郵便局で発行してもらえる為替で、普通郵便で送る事が出来るので当時はほとんどこれでやり取りやってたんじゃないかな。
万が一紛失しても再発行出来るシステムも便利だったし、基本無記名ですが名前を記載すると記載した本人しか使えないようにも出来ました。

デモテープの他にもSTART TODAYなんかのメイルオーダーやFANZINEの購入にも使用していました。

今のように瞬時に連絡を取り合えない分、当然自発的に動かないとコミュニケーション取れませんので今よりハードルが高い訳ですよ。そこを越えていくだけの熱量、みたいなものはみんなそれぞれ持っていたように感じます。

これは新しいバンドを見つける時なんかも同じで、今ならYouTubeやSpotifyのようなツールで簡単に探せますが当時はもちろんそんな便利なものはないわけで。
メインとなるのは勿論雑誌ですよね。DOLLとEAT MAGAZINEは皆マストだったと思います。それから行きつけのレコード(CD)ショップの仲の良い店員さんや通販ショップのおすすめ。
よりマニアックなものになるとFANZINEの発行者やその知り合いなんかが寄稿しているレビューなど。

そしてなんと言ってもバンドの音源に記載されている「サンクスリスト」(今これを読んでウンウン頷いて同意している人達が数名浮かびます)。

サンクスリストというのは読んで字の如くそのバンドの仲の良いバンド、影響を受けたバンド、御世話になった人や友人、クルー達なんかを羅列してあるものです。
当時僕らはお気に入りのバンドの音源を手に入れるとまず真っ先にこのサンクスリストに目を通していました。

どんなバンドと交流があるのか、どのバンドの影響下にあるのか、どんなクルーに所属しているのか、バンド以外にどんな連中とツルんでいるのか(例えばスケーターやグラフィティ・クルー、他ジャンルのアーティストなど)そこからバンドの持つアティテュードや立ち位置、バンドを取り巻くシーンについてなど様々な情報を読み取る事が出来るのです。

メインの情報源は勿論ジャケットなのですが(この辺はまた別の機会に)このリストでどれだけワクワクしたりガッカリしたり驚愕した事でしょう。
ちなみに僕は意外性のある組み合わせ、みたいのが昔から好きで(これもテーマとしてる繋げるに共通するのかも)例えばバリバリのクラスティなビジュアルなのにゴリッゴリのNYHC、みたいなのがたまらなく好きなんです。
これはサンクスリストでも同じで、もろストロングスタイルのバンドが激エモなバンドをサンクスリストに入れてたりするとオーッ!となります。

ちなみに神戸にDYINGRACEってめちゃくちゃカッコイイHCバンドが居たんですが、彼らのアルバムのサンクスリストにNEXT STYLE(札幌)が入ってるんですねー。NEXT STYLEといえば当時まだ一般的じゃなかったEMOTIONAL HCの先駆者的バンドで今でも激エモファンの中には熱狂的な信者が数多くいますよね。この意外な関係に興味が或る人は僕か樋口くん(ex NEXT STYLE Vo)に聞いてみて下さい。
ちなみにヒグはその後ANMAやBLACK FILM DANCE、The SUNなどを経て現在はCUT BACKというすげーかっこいいOLD SCHOOLなバンドをやってます(RADICAL EASTからCD出てます。この辺のいきさつはREのオーナー原田さんのブログを是非読んでみて下さい)。

DYINGRACEに在籍していたトモキはその後NYに渡り、EVERYBODY GETS HURTやHellbrigade、Homicidalといった名だたるバンドに在籍、今はEveryday dollarsかな?(ごめん未確認。詳しい人教えて)。
余談だけどトモキと最初に会ったのはDYINGRACEの前身バンドAGE LIMIT20時代。その頃はまだひょろっとした背の高い青年って感じだったけどEGHで来日した時のパンプアップした身体にはマジでビビりました。やはりアメリカは肉文化なのね(あとはピッツアにビア)。

長くなりそうなので今日はこの辺にしておきます。また脱線してんじゃん!
(つづく)

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