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Moogを触るときに覚えておきたいシンセ用語まとめ #全編無料公開 #継続更新

こんにちは、こんばんは、Minimal Order(ミニマル・オーダー)です。日頃はAbleton LiveやXLN Audio Lifeなどを用いて音楽を制作しています。仕上がった音源は、SpotifyやApple Musicなどに公開しています。

はじめに

最近、シンセサイザーをよく触るようになりました。
ただ、覚えられない用語や略称が頻出するので戸惑うことも多く、「なんとなく」で触っていることもしばしば。
確信をもって触れるように、記載されている言葉は理解しておきたいと思い、覚える過程を「用語集」としてまとめてみました。

今後も必要に応じて更新していこうと思います。
以下、アルファベット(ABC)順に記載しています。


シンセ用語集基礎編 | 一単語の名詞

Clock | クロック

シンセサイザーにおける「Clock」(クロック)は、時間の基準やテンポを提供する信号や機能を指します。シンセサイザーや電子音楽機器においてクロックは、以下のような役割を果たします:

  1. シーケンサーとの同期
    クロック信号は、シーケンサーやアルペジエーターなどの時間に依存する機能を一定のテンポで動かすために使用されます。例えば、ステップシーケンサーはクロック信号に同期して各ステップを進めます。

  2. 機器間のテンポ同期:
    複数のシンセサイザーやドラムマシンなどを接続する際、クロック信号によってそれらの機器間でテンポを揃えることができます。これにより、複数の機器が同じビートやリズムで演奏できます。

  3. MIDIクロック:
    MIDIクロックは、MIDI機器間でのテンポ情報の共有と同期を可能にする信号です。これにより、MIDI対応の異なる機器が同じテンポで動作することができます。

  4. クロック分割と倍率:
    クロック信号は、特定の倍率や分割で処理することができます。例えば、クロックの分割によってより高速なリズムパターンを生成したり、倍率を変えることでテンポの変更が可能です。


Cutoff | カットオフ

Cutoffは、シンセサイザーのフィルター(特にローパスやハイパスフィルター)において、周波数の範囲を制限する範囲/点を示します。例えば、ローパスフィルターのカットオフを下げると、高い周波数の成分が減少し、音はより暗くなります。

ローパス⇔ハイパスの違いは、もとの意味で覚えると簡単です。
例えば、ローパスは任意の点よりもLow(低い周波数の音)だけをPass(通す)するので、高い音を制限していることとなります。

カットオフのイメージ

ちなみに、ハイパスとローパスは、以下のように略記されることもあります。

  • LP | Low Pass (ローパス : 低音側を通す)

  • HP | High Pass (ハイパス : 高音側を通す)


Decay | ディケイ(減衰)

Decayは、音の減衰(次第に小さくなっていくさま)の速さを示します。
エンベロープ(Envelope *後述)の一部で、アタック後の音量が減少する速度を指します。

例えば、打楽器のような急速に減衰する音や、長く鳴り響く弦楽器の音の減衰速度を制御する際に使用します。


EXT | エクスターナル (外部の)

シンセサイザーの文脈での「EXT」は、「External」(外部の)を意味します。この用語は、外部からの信号や入力を指す場合に使われることが多いです。具体的な使用例をいくつか挙げます。

  1. EXT In (External Input): 外部の音源や別のシンセサイザーからのオーディオ信号を受け取る入力端子。この端子を使って、外部のサウンドをシンセサイザーのフィルターやエフェクトで処理することができます。

  2. EXT CV (External Control Voltage): 外部のコントロールボルテージ(CV)信号を受け取る入力。他のシンセサイザーやモジュラーシステム、MIDI-to-CVコンバーターなどからのCV信号を利用して、シンセサイザーのパラメーターを制御することができます。

  3. EXT Clock (External Clock): 外部からのクロック信号を受け取る入力。この信号を使用して、シンセサイザーのシーケンサーやアルペジエーターを外部デバイスと同期させることが可能です。

  4. EXT Mod (External Modulation): 外部の信号をモジュレーションソースとして使用すること。例えば、外部のLFOやエンベロープジェネレーターからの信号を使用して、シンセサイザー内部のパラメーターを変調することができます。


Envelope | エンベロープ

音の形状を形成するために使われる。音の開始、持続、終了の特性を制御し、

  • Attack Time | アタック時間

  • Decay Time | 減衰時間

  • Sustain Level | サステインレベル

  • Release Time | リリース時間

のパラメーターを含みます。図示すると以下の通り。

参考: Learning Synths by Ableton - Envelope


FREQUENCY | フリークエンシー (周波数)

振動の速さ、つまり音の高さ(周波数/ピッチ)を指します。
シンセサイザーでは、オシレーター(*後述)の周波数を調整することで、高い音や低い音を作り出します。周波数が高いほど音は高くなり、低いほど音は低くなります。


Mod | モジュレーション

モジュレーション(Modulation)は、サウンドや信号を変化させるプロセスです。シンセサイザーでは、LFOやEnvelopeなどを使用して、ピッチ、ボリューム、フィルターなどのパラメーターを時間とともに変化させます。例えば、ビブラートはピッチのモジュレーションの一形態です。

変化させる対象によって、以下のようにいくつもの種類に分類ができます。

  1. ピッチ・モジュレーション

  2. アンプリチュード・モジュレーション

  3. フィルター・モジュレーション

  4. 波形モジュレーション

  5. Frequency Modulation (*FMとして後述)


Oscillator | オシレーター

「oscilate(振動する)」の名詞。語源にあるのは、ラテン語で「振れた」を意味する「oscillatus」なのだとか

音波を生成し、電子楽器の基本的な音源となります。
以下のような異なる音源(音の波形)があり、個々に音色が異なるのはもちろんのこと、その組み合わせの仕方や程度でも音色が変化します。

  • Sine Wave | サイン波

  • Square Wave | 矩形波

  • Sawtooth Wave | のこぎり波

  • Triangle Wave | 三角波

各波形のイメージ


Pitch | ピッチ

ピッチは音の高さを指します。シンセサイザーにおいて、ピッチはオシレーターが生成する波形の周波数によって決まります。周波数が高いとピッチは高く(高音)、低いとピッチは低く(低音)なります。ピッチを変更することで、異なる音符や音階を演奏できます。


Resonance | レゾナンス (共鳴)

RESONANCEは、フィルターにおけるカットオフポイントの周波数に対する強調度合いを示します。レゾナンスが高いと、カットオフ周波数周辺の音が強調され、音に特有の響きやピークが生じます。これにより、フィルターが通過する音に特徴的な色付けをすることができます。

レゾナンスの図については、Yamahaによるシンセサイザー解説サイトがとてもわかりやすかったので、以下にリンクを貼っておきます。

*そのうち独自に作図しようと思います。


Velocity | ベロシティ

鍵盤を押す強さ(速度)を示します。ベロシティが高いほど、音は大きくまたは明るくなり、低いほど音は小さくまたは柔らかくなります。これにより、演奏の表現力が増し、同じ音符でも異なるニュアンスを出すことができます。


Voltage | ボルテージ (電圧)

電圧。電子楽器においては、信号の強さや音の高さ(ピッチ)、フィルターのカットオフ周波数などを制御するために用いられる。モジュラーシンセサイザーなどでは、CV(Control Voltage)としても知られ、パラメーターの調整やモジュール間の通信に使われる。



シンセ用語集応用編 | 複合名詞 

CV | Control Voltage (コントロールボルテージ)

CVは、シンセサイザーのさまざまな機能を電圧で制御するための信号です。アナログシンセサイザーにおいて、CVは「ピッチ(音高) / フィルターのカットオフ / LFOの速さ / エンベロープの形状」など、多くのパラメーターを調整するために使用されます。

例えば、キーボードから発されたCVをオシレーターに送ることで、鍵盤を押すとその電圧に応じたピッチの音が生成されます。


EG : Envelope Generator

オシレーターのピッチを変調するために使用される。装飾の減衰時間をコントロールする。


FM : Frequency Modulation (周波数変調)

一つのオシレーター(モジュレーター)が別のオシレーター(キャリアー)の周波数を変化させる技術です。これにより、複雑でリッチな音色や、金属的な音、ベルのような音などを作り出すことができます。

「FM」といえば、ラジオを思い浮かべますが、あのFMも「Frequency(周波数) Modulation」のこと。一方のAMは「Amplitude(振幅) Modulation」を指します。絵でみたほうがわかりやすいと思うので、とてもわかり易いダ・ヴィンチWebの記事を貼っておきます。


LFO : Low Frequency Oscillator (低周波オシレーター)

LFOは、低周波オシレーターを指し、聴覚には直接聞こえない低い周波数で振動します。LFOをピッチ、フィルター、アンプなどに適用することで、ビブラート、トレモロ、ワウなどの変調効果を生み出します。

参考として、Ableton LiveにてLFOを用いて楽器に「動き」をもたらす方法を解説した動画を貼っておきます。


VCA : Voltage Controlled Amplifier

電圧制御アンプリファイアを指し、音の最終的な大きさ(振幅)を制御する部分です。エンベロープや他の制御信号によって、音の音量を動的に変化させることができます。

基本的に「VC(なんちゃら)」という略称のVCは「Voltage Controlled(電圧によって制御される)」の意味と理解して問題なさそうです。


VCF : Voltage Controlled Filter

VCFは、電圧制御フィルターを意味し、音の周波数(ピッチ)を変化させます。フィルターという名の通り、特定の範囲の音(倍音)を削ります。例えば、ローパスフィルター(低域を通す)やハイパスフィルター(高域を通す)などがあり、音の質感や明るさを調整するのに使われます。

一般的に、VCO(*後述)で作られた音がここに送られてきます。


VCO : Voltage Controlled Oscillators

アナログシンセサイザーでの主要な音源。ピッチの変更と音色の生成に使用されます。ピッチをCV(Control Voltage)で制御しているということ。

基本的には、上述の「オシレーター」として理解して構わないと思います。駆動力を伴うので、Voltage Controlledが頭についています。

VCOは、入力されるコントロールボルテージ(CV)の変化に基づいてピッチを変えます。CVが高くなるとピッチが上がり、CVが低くなるとピッチが下がります。この特性により、キーボードやシーケンサー、他のモジュールからのCV信号でピッチを正確に制御できます。


VCO EG AMOUNT : Voltage Controlled Oscillators Envelope Generator Amount

オシレーターのピッチに対するエンベロープジェネレーターの影響度を調整する機能。


おわりに

今回は、自分自身の備忘録も兼ねてシンセサイザーの理解に役立つ or 必須の用語をまとめてみました。

気になる用語が見つかったら今後も拡充していこうと思います。
それではまた!

(あと全然関係ないですが、最近つくったTシャツです ↓)


参考

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