ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた -斎藤幸平-
本書を読もうと思ったのは、「超相対性理論」で紹介され、興味を持ったからだ。
私は以前に『人新世の「資本論」』を読んだことがあり、その著者がUberに挑戦した経験談に関心が湧いた。
しかし、この軽い好奇心はあっさりと打ち砕かれた。
読み進めるうちに、自分がマジョリティであること、そして見てみぬふりをしてきたことを、容赦なく突き付けられた。
私は資本主義の恩恵を受けつつも、このまま貪欲に成長を追い求めることに限界を感じており、脱成長には賛成している。
自分なりに興味を広げ、積極的に学ぼうとしているが、それだけでは何も行動していないのだと痛感させられる。
結局、自分は誰かの苦しみを見て見ぬふりをし、ブルシットジョブで給料を得ながら、「給料が安い」とぼやきつつもぬるま湯に浸かっているだけだ。
環境保全に関わる仕事に転職しようかと調べたりもするが、具体的にどんな仕事があるのか掴みきれずにいる。
頭では分かっていても、無計画に動くほどの余裕も度胸もなく、ただモヤモヤが募るばかりだ。
拗らせた学生のようなことを書いてしまったが、このモヤモヤを抱えつつ、学びと問いを続けることしか今はできない。
だからこそ、せめて今やれることをやっていると開き直るしかないと思う。