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あなたの生活に調和をもたらす心理学の研究

多くの人の生活に密接に関わりのある研究を持ってきました。
それを今からお話します。

まず、子供の話から入らせてください。
子供というものは、たいてい自分が何者であるかをちゃんと知っています。自分が授かった能力にも自信を持っています。
そして、徐々に、自由に自分らしくいられるように社会に出始めます。

しかし、人生の旅路の中で、ある変化が起こります。
メディア、仲間、家族、そして環境から、ある2つのメッセージを受け取ることになります。
このメッセージは時には直接的な形で、時には間接的な形で伝達されます。
それは「自分がどうあるべきか」ということと「あるべき姿からどう違うのか」というメッセージです。

15歳になると、
私たちは美容雑誌を開いて、突然、周りに溶け込むには髪型を変えるべきだと気づきます。

22歳になると、
最新のファッショントレンドを見て、成功したいのなら自分もそのような服装をすべきだと思うようになります。

37歳になると、
大きな家にたくさんの物を置いて暮らしている友人たちを見て、自分も幸せになるにはそのようなライフスタイルを送るべきだと思うようになります。

そして、内なる知恵ではなく、外からのメッセージに耳を傾けているうちに、大切なもの、つまり本当の自分を見失ってしまうのです。

ある日、ふと立ち止まって周囲を見渡すと、外見上はとても幸せそうに見えても、心の奥底では何か違和感があることに気づくのです。

やがて「私は誰なのか」、「私は何のために存在するのか」という問いに対する答えは曖昧になります。
それらは、「べき論」や「大人としての正しい振る舞い」の中に紛れて、どこかわからないところに隠れていってしまいます。

心理学の分野では、私たちの生活と”本来の自分 "との間にある、この自己認識の断絶について研究されてきました。

ある研究では、「ありのままの姿で自分らしい生き方をしている」という指標で高いスコアを得た人は、そうでないと答えた人に比べて、より大きな幸福感、よりポジティブな感情、より高い自尊心を報告しています。

機能性医学の医師であるマーク・ハイマンは、本物の自分に沿って生きることは、運動や食事、サプリメントと同じくらい私たちの健康にとって重要であると述べています。

では、どうすれば本当の自分に合った生活を送ることができるのでしょうか?

私の経験では、ミニマリズムがその助けになります。

ミニマリストとしての旅に出るにつれ、生活は雑音に溢れなくなり、圧倒されなくなりました。
ゆとりや余白が生まれ、内側の声に耳を傾けることができるようになりました。
それは、「私の生き方だ」と感じた人生へと促す小さな声です。
そして、自分の決断とライフスタイルを、その声と一致させるためのステップを踏みはじめました。

この自分らしいと感じる感覚を、心理学ではAuthenticity(オーセンティシティ)と呼ぶことがあります。
Authenticityの原義は、真正性、偽物ではないことです。
それは生き方の基準であり、「偽りのない姿でいるための選択」です。

それでは、ミニマリズムを使って、生き方のAuthenticityを取り戻す5つの方法をご紹介していきます。

1. 自分の価値観を再発見する

ミニマリストは、自分の価値観を明確にし、それを中心に生活を構築します。
自分が最も大切にしているものに基づいた生活とは、本当の自分と一致した生活です。

私が今まで読んだ中で、自分の人生を自分の価値観とチューニングするための最高の一冊は、エリカ・レインの著書『The Minimalist Way』です。
レインはまず、価値観を「人生において何が重要かについての個人的な判断」と定義しています。
次に、読者に3つの指針を示し、さまざまな人生の領域(家族、家庭、キャリア、コミュニティと人間関係、健康と精神面)で特定の価値を見出すようアドバイスしています。
そして、自分の価値観を自分の一部とし、その上に人生を築かずにはいられないようにするための実践的なエクササイズを紹介しています。

レインは「どこへ行くにも自分の価値観を携えて、手近なそこにあった人生ではなく、目的を持った人生を生きるのを忘れないでください。」と書いています。
最大のエネルギーを注ぐ対象が常に自分にとって最も重要なことであるとき、その生き方にはAuthenticityが生まれます。

2. 少なさと軽さを選ぶ

ミニマリストの生活は、余分なモノを取り除き、美しいもの、必要なものだけを残します。
不要な持ち物、好ましくない人間関係、役に立たない思考パターンを手放すと、あなたの人生はより軽快になります。
積み重なったすべてのモノの下からあなた自身を掘り起こすとき、あなたは自由を取り戻し、肩に背負った重い荷物を降ろします。
そして再び自分を本当の自分だと感じ始めるでしょう。

レインが著書で指摘しているように、ミニマリストは、「あなたが手放すすべてのモノが、より軽く、より自由で、より純粋な自分自身に近づけてくれる」ことを知っているのです。

3. 比較することをやめる

お隣さんの家は、例えばジョーンズさんの家は、裕福で、ガレージにあるのはBMWかもしれません。
周囲の人間に羨望し、彼らのステータスを抜かしてやろうと息巻くことを、英語圏では「ジョーンズさんに追いつけ」という言い回しで表現します。

ミニマリズムは、この「ジョーンズさんに追いつく」という必要性からあなたを解放します。
最も重要なことに集中していれば、隣人の最新事情を追いかけながら、それに自分の選択を左右されてしまうことはなくなります。

「見れば見るほど、自分の生活、家、車、服、家族、旅行、社会的ステータスなどを、たとえそれが非現実的な基準だとわかっていても、自分の目に映るものと同じにしたくなる」とレインは書いています。
「たとえそれが非現実的な基準であるとわかっていても」です。

人生がモノを溜め込むことではないとわかっていれば、誰かが自分より素敵な持ち物を持っているかどうかに興味は湧きません。
そうすると、精神的な余裕が生まれ、自分の価値観に集中し、最高の自分の真正版になることができるのです。

4. 立ち止まって考えるための余白を作る

ミニマルな生活とは、掃除、整理整頓、片付け、物の維持に費やす時間を減らすことです。
これはつまり、内省のための時間が増えるということです。
静かに座って、「今日の決断は自分の価値観に合っているか?」、「目標は本物の自分に沿っているか?」といった質問をする時間を取ることができます。

ミニマリズムは、生活に、立ち止まって考えるための余白を授けます。
あなたが一日を通して平静で、現在にとどまることができるようにします。
そうして、自分自身と向き合い、重要なことに集中しているかどうかを確認できるようになります。

5. べき論の彼岸へ

ミニマリズムは「べき論を乗り越えて、本当の自分を見ることができる」と、レインは書いています。

ミニマリストは、社会的規範に合う自己イメージを維持しようとしません。
外圧の影響を受けにくいのです。
メディア、SNS、その他の環境から来る、「あなたは違うはずだ」、「周りに合わせるために違うものを持つべきだ」というメッセージは、単に......もうやめにしましょう。
ミニマリストの唯一の”べき論”は、「自分自身を高め、成長する努力をしながら、過去の自分自身とだけ比較すべき」というものです。

ヒューストン大学のブレネー・ブラウン教授は「Authenticityとは自分がこうあるべきと考える自分を手放し、本来の自分を受け入れる日々の実践のことだ」と語っています。
世界は、あなたがそうあるべきだと考えるあなたではなく、真正なあなたを必要としているのです。

ミニマリズムは、大切なものに集中するための余白、時間、エネルギーを与えてくれます。
しかし、最も大切なもののひとつは、あなた自身です。
偽りのない人生を生きるために努力することは、自分の人生と周囲の人々の人生に、より多くの喜びと意味をもたらしてくれます。

本当にそうなるように作られた人として、それを生きはじめるに遅すぎるということはありません。


最後までお読みいただきありがとうございました🙏
ブログも書いているので、よかったら覗いてみてください♪

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