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ECD+植本一子『ホームシック 生活(2~3人分)』

 ある人のホームページを見に行ったとき、植本一子の『かなわない』を知った。それから、行く先々の本屋で置いていないか探したものだ。
 探しはじめてから数ヶ月。今はなき、さわや書店ORIORIで見つけて購入。

 植本さんも好きだが、植本さんの文章に出てくる石田さん(ECD)の姿にハマってしまった。

 『家族最初の日』なら、毎日のように頻繁に本やCD、レコードを買ってくる石田さんが好きだ。その気持ちがわかる(これは岩手県立大学のメディアセンターで借りた)。

 でも一番好きなのは、この『ホームシック 生活(2~3人分)』である。

 石田さん本人が、植本さんとの出会い、結婚、子どもが生まれるあたりのことをエッセイにまとめ、途中に長女が産まれるときの植本さんのエッセイが挟まれる。


 この本を読んで、何度も泣いた。
 なぜかいつも泣ける。
 話を知っていても泣ける。


 『かなわない』では、植本さんが自分だけではなんとかすることの出来なかった気持ちを子どもたちにぶつけてしまう場面が出てくる。自己嫌悪になっている様子の記述もあったような気がする(読み終えたのはちょうど5年前だったので記憶を頼りに書いている)。

 読んだ人は、その部分に対して何らかの感情を抱いているように思う。感想をみる限り。

 この『ホームシック 生活(2~3人分)』で、石田さんからみた植本さんはどうだろう。
 あまり女っ気のなかった自分の人生に、突如現れた植本さん。

 妊娠中の不安定な感情についても、「自分自身は感情の変化が淡々としているだけに、いちこの鮮やかさは咲き乱れる花のように時には僕をとまどわせ、時には安堵させてくれた」と書かれている。


 とまどったり安堵したり。
 誰かによって自分の感情も動く。


 植本さんの文章からは石田さんが魅力的に見え(全然褒めてない文章でも)、石田さんの文章からは植本さんが魅力的に見える。

 読むたびになんかこの二人、それぞれいいなあ~~~~と思う。この本を書いてくれて、作ってくれてよかったと思う。買ってからというもの、ずっと大切にしている。もう一冊買おうかなと検討しているくらい。


 本当にこの本が大好きだ。


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