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飽くなき探究心とチャレンジするやる気がセットになれば、誰でも最強説

社長がお店にやってきた。
中途新人さんの様子を見に来るためだった。

そこでなぜか昔話になった。
昔話と言っても、5年ほど前なんだけど。
その昔話に、“おじいちゃん”と呼ばれている人の話が出てきた。

“おじいちゃん”は、私の50上の人。半世紀違う!
社長(先代)に誘われて、うちの会社で働くことになった。
私が入社した時は、既にあるお店の店長をしていた。同じ業態なのに、“おじいちゃん”独自のやり方で数字を残していた。

そのお店のヘルプに行ったときに、
私は聞いた。
「元々からパソコン使う仕事をしてたの?」
当時“おじいちゃん”は70歳を過ぎていた。
私たちのお仕事は接客業とはいえ、
パソコンを使うのが必須だったので出た疑問だった。

すると“おじいちゃん”は
「いやいや、この仕事を始めてから
初めてパソコンを触ったよ。」
と答えた。
私は頭の中で計算をする。
おそらく10年前からここで働き始めてるから、
『え?60歳過ぎてから、初めてパソコン触ったの?』と思わず口にしていた。

同じ10年でも学生時代から触っているのと、
60歳を過ぎてからでは話が違ってくる。
仕事を覚えながらだと尚更だ。

「わからないことはね、○○くんとか、○○くんに電話で聞きながら覚えたよ。」
店長1人で回す店舗。
そんな中、商品知識を覚え、パソコン操作を覚え、
店舗運営を10年以上続けていたのか……

そう考えながら私は、メールできた書類を
ページ指定して印刷した。
○○ちゃん(私)、それ、どうやったの?
ん?私なんか特別なことしたかな?

「ワシな、その書類ほしいとこだけ印刷ってのを
知らんくてね、紙を無駄遣いするんよ。」
なるほど、裏紙がやたら多いのはそういうことか。
私はページ指定の印刷を教えると、
「よし!これで覚えた!」と嬉しそうだった。

そのお店がもろもろの事情で、退店せざるを得なくなってしまった。
でも、“おじいちゃん”は辞めなかった。
私はその時、別のお店の店長をしていた。
“おじいちゃん”は私が休みの日に代わりに入る
店長代理の仕事をすることになった。

“おじいちゃん”独自ではない店舗のルールがあるので、“おじいちゃん”が知らない処理1つ1つを教えた。
大きなノートに大きな字でメモをする。
私も“おじいちゃん”に合わせて、大きめな字でマニュアルを作成した。

“おじいちゃん”は75歳を過ぎていたこともあり、
もの忘れや、言った・言わないのトラブルもあった。
休みの日に「ごめん、○○ちゃん。お客様がすごく怒ってて、責任者に代われって言ってる」
という電話で、
お客様から怒鳴られるということもあった。

それでもメールチェックをして、商品を発送したり、商品出しを進んでしてくれたり、
しっかりと1日仕事を回してくれていた。
“おじいちゃん”のファンもいたりして、
私が店長なのに、「あの方、次何日にお店いる?」
と聞いてくるお客様もいた。

私がそのお店から別のお店に異動して
しばらくすると、“おじいちゃん”は
「別の仕事をしたい」と辞めてしまったけど、
電話では楽しそうな声が聞こえていた。

未だに“おじいちゃん”を思い出すと、
何歳からでもチャレンジってできるんだな。
と思わされる。
60歳過ぎてからパソコンを触りだし、
インターネット・メール・エクセルを使い、
わからないことはいくつ年下でも素直に聞く。

その飽くなき探究心とチャレンジするやる気がセットになると、人は最強なんだ。
もう若くないから。まだ子どもだから。
こんなご時世だから。
何かに付けてチャレンジしない理由や
諦める理由を作っちゃうと、最強になれない。

もし私が“おばあちゃん”になっても、
何かチャレンジするものを作っておきたいな。
それまでずっと探求心とチャレンジを忘れないようにしたい。

もう80歳を過ぎてる“おじいちゃん”、元気かな。

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