見出し画像

マーブルカフェに魅せられて

「木曜日にはココアを」という本と、その続編である「月曜日の抹茶カフェ」という本を読みました。


どちらの本も12色、12月までと、12のストーリーとなる本で、人との温まる縁について物語されています。最初に「木曜日には~」を読んだのは去年、今年に入って「月曜日の~」を読みその後最近で、もう一回最初から繰り返し2冊とも再読させて頂きました。もう一度読みたい本と思ったのは、分かりやすい言葉で人が大切にすべきものを示しているような気がしたからでした。
 


「木曜日にはココアを」「月曜日の抹茶カフェ」両方ともですが、1つ1つのストーリーは余韻の残る文章でじわぁっときます。心癒される短い物語をひとつ読み終える度に間を置きたい気持ちになり、私はストーリーの間で少し余韻に浸る時間を作りながら読んでいました。


 
内容はマーブルカフェという知る人ぞ知るお気に入りの喫茶店が起点となり、縁が展開されていく物語。アクセントとなり一つのキーとなるのは喫茶店のオーナーである、おでこにほくろのある小さなおじさんでマスターと呼ばれる方。素敵な縁が広がってそれぞれの人物がみな魅力的な光すら見せる、そんなお話でもあると思います。


 
マスターは縁についてこんな事を語ります。

「縁っていうのはさ、種みたいなもんなんだよ。小さくても地味でも、育っていくとあでやかな花が咲いたりうまい実がなったりするんだ。種のときは想像もつかないような」

また違う場面でひとりの人物がこう縁について語ります。

「縁って、実はとても脆弱なものだと思うんです。どちらかが一度でもぞんざいな扱いをしたら、あっけなくちぎれてしまうくらいに。ひとつひとつ交わす言葉や、わずかでも顔を合わせる時間や、相手へのそのつどの思いやりや……丹精込めて手をかけて、続いていくものなんですよ」

縁というのは目に見えないものですが、適当な扱いをするとそれなりに切れてしまいますし、言葉にあるように丹精込めて手をかけて続けていくとそれが次第に自身の財産になる。普段ずっと深く考えることはないかもしれないけれど、優先順位でとても上位にあたるもの。それを繋ぎとめるには、お互いの努力も必要だと思います。頭では分かってはいるけれど、行動にし続ける難しさもあるかもしれません。でも、人が豊かに生きていく大切なものでもあると私は思います。


 
これらの心温まるお話を繰り返し読んで、やはり読書は良いとも思えました。ただ、本の他にもテレビや、動画など色々なツールが増えてきまして、本自体あまり読む人も最近残念なことに周りで少なくなっています。時代の流れと共にそれはそれで仕方のない事だと思いますが、私はまだ本の魅力にもう少し取りつかれていたいなぁと思っています。これらの本はまた再読する時の為に本棚にキレイに並べておこうと思いました。そんなお気に入りの本をたくさん並べながら、ひとり悦に浸りたいです。
 


この記事が参加している募集

#スキしてみて

526,895件

#読書感想文

189,685件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?