今週のおすすめ本『ルバイヤート』
こんにちは、みねるばです。
今回はおすすめ本『ルバイヤート』についてのツイートまとめです。
ツイートまとめ：おすすめ本『ルバイヤート』
今週のおすすめ本
— みねるば (@minerva_owl1) March 29, 2024
『ルバイヤート』
今から千年前のペルシャ人の詩人オマル・ハイヤームの詩集です。彼は詩人であると同時に天文学者でもあり、学問でも優れた業績を残しています。人々からは尊敬され、豊かな富をも手にしました。そんな人の詩ですから、さぞ楽しいものだろうと思われます。
しかし、
彼の書く詩は驚くほど暗いものです。
— みねるば (@minerva_owl1) March 29, 2024
たとえ栄華を極めたとして、たとえ安らかな生を得たとして、それが一体何になるだろう？人の生とは一時の旅路、この世は一瞬の夢のようなもの。全ては移ろいゆき、幻のように失われる。
かつては師に学び、己の学識を誇ったこともあった。だが、この身は風のようにこの世を去っていく。この空の広がりも、この大地の上も、全ては虚無で幻だ。戸惑う我らを乗せて巡る宇宙は、幻の走馬燈。そんな世で好き放題できたとして、そこに何の意味もない。
— みねるば (@minerva_owl1) March 29, 2024
死後には天国があるという。そこには酒の泉や、蜜の池が溢れるという。だが、天国もやはりそんなものにすぎないのか？そんなものに何の意味があるだろうか？
— みねるば (@minerva_owl1) March 29, 2024
生の息吹を知らない者がうらやましい。この世に生まれなかった者こそが幸福だ。
— みねるば (@minerva_owl1) March 29, 2024
嘆きの他にない世界。神よ、なぜ私をこんな世界に連れてきたのか？
こうした詩が続きます。とても人生の成功者のものとは思えない憂愁に満ちた物悲しい歌は、日本の無常観にも通じるところがあり、我々の胸にも響きます。
— みねるば (@minerva_owl1) March 29, 2024
そんな彼の憂いに満ちた詩は、繁栄を極める当時のイスラーム世界には受け入れられませんでした。
— みねるば (@minerva_owl1) March 29, 2024
しかし、悠久の時を経て、遙か遠く極東の島国の民の心の琴線に触れるのですから、歴史の皮肉と言えるかも知れません。
みねるばおすすめの関連本
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ルバイヤート (岩波文庫)
迷ったらこれ！小川亮作先生の名訳です。口語体なので非常にわかりやすく、価格も安いです。個人的に一番好きな訳です。
ルバーイヤート (平凡社ライブラリー)
かなり新しい訳で2009年刊行です。関連知識の注釈や著者のコラムが色々あるため、イランやオマル・ハイヤームの知識がつきます。ただ、それを余計に思う人もいるかも知れません。そうしたら岩波文庫の方がおすすめです。
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