今週のおすすめ本『亜鉛の少年たち』

2024年4月11日 21:53

こんにちは、みねるばです。
今回は今週のおすすめ本『亜鉛の少年たち』についてのツイートです。

ツイートまとめ：おすすめ本『亜鉛の少年たち』

今週のおすすめ本
『亜鉛の少年たち』
今から50年ほど前、ソ連はアフガニスタンへ侵攻しました。多くの若者が戦地へ送られ、そして亜鉛の棺に入って帰ってきました。これは戦争に人生を狂わされた様々な人々のインタビュー集です。冒頭、ある帰還兵はこう言います。 pic.twitter.com/v9B79j1elr
— みねるば (@minerva_owl1) April 11, 2024

「綺麗事も聖書の教えもうんざりだ。俺は"真実"をポリ袋に入れて運んだんだ。バラバラになった戦友の頭や腕や足が入ったそれを。それ以外の真実なんてありはしない」
ここではそうした綺麗事抜きの真実が語られます。戦車兵の、狙撃手の、砲兵の、指揮官の、医師の、看護師の、妻の、母の。
— みねるば (@minerva_owl1) April 11, 2024

「ソ連の兵士ってのは一番安上がりなんだ。何でも我慢を強いられ、文句も言えない。物も与えられず、守られもしない。消耗品なんだ。1941年もそうだったし、50年経っても変わらない。なぜだ？どうして俺たちはこんなザマなんだ？」
— みねるば (@minerva_owl1) April 11, 2024

「信じていた。祖国は国際平和のためだと言っていた。だが、カブールへ着くと、現地の女達が木の棒や石を戦車に投げつけてくる。子供達はロシア語でロシア人は帰れと罵ってくる。俺達はなぜここに来たんだ？」
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「何もわからず送られて、戦争の意味もわからなかった。真実を知り、騙されたと知ったのは帰ってきてからだった。墓の中にいる友人達は、この卑劣な戦争でいかに騙されたのかを知らない。時々あいつらが羨ましくなる。この先ずっと知らずに済む。そしてもう、騙されることがないのだから」
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「アフガンへ行った同僚が羨ましかった。平和な世で決してできない膨大な経験できるのだから。だから私は行った。外科医だ。最初に負傷兵が運ばれてきた時、気が狂いそうになった。腕も足もない塊。ホラー映画にだってあんなのは出てこない。若い看護師は耐えられない。皆おかしくなっていった」
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「あの子にはいつも英雄の話を読み聞かせたわ。戦争が始まったら『母さんの教えは正しい。僕は証明したい。人生には崇高なものがあるんだ』と言ってアフガンへ行った。私が自らあの子を戦争に行かせた。自分のしたこと。ある日、知らない人が訪ねてきた。訃報だった。私があの子を・・・」
— みねるば (@minerva_owl1) April 11, 2024

こうした話が続きます。本自体は分厚いですが、1人1人のインタビューは短く、数分で読めます。それぞれ独立しているので、最初から読んでいかずに、見たい真実から扉を開くといいと思います。どれも重い話ですが、なぜか引き込まれます。読めばきっと戦争の闇の一側面を知ることができるでしょう。
— みねるば (@minerva_owl1) April 11, 2024

みねるばおすすめの関連本

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亜鉛の少年たち　アフガン帰還兵の証言　増補版(岩波書店)

この本は、ノーベル賞作家でジャーナリストのスヴェトラーナ・アレクシェーヴィッチによるインタビュー集です。1人1人丁寧に取材し、感情の激流を描いています。心の奥底から発せられる言葉は、聞く人の心を打ちます。

戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫)

こちらは第二次世界大戦の話で、女性へのインタビュー集です。戦争で無視されがちな女性にフォーカスした画期的な本です。

戦争は女の顔をしていない 1 (KADOKAWA)

漫画版もあります。活字が苦手でもこれを読めば大丈夫！

チェルノブイリの祈り(岩波現代文庫)

チェルノブイリ原発事故に人生を狂わされた多くの人々のインタビュー集です。消防士、住む場所を追われた農家、医者、科学者、兵士、政治家。様々な立場の人を取材していて、一つの事故でもこれほど多くの視点があるのかと驚かされます。1人1人がこの事件の意味を考え、ある者は答えを見つけ、ある者は行動し、ある者は苦悩し続けます。アレクシェーヴィッチの本で一番おすすめです！

チェルノブイリの祈り 1 (ヤングアニマルコミックス)

こちらも漫画版が出ています。

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