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子どもが子どもらしくのびのびとして、かつ、程よく現実的で生活できそうな職業を夢に持つことの難易度

「将来の夢って聞かれても、AIに奪われる仕事とかテレビでもネットでもそんなことばっかり言わてて。じゃあ大人になるまである職業とかある?って思ったら、夢とか考えられない」

とある中学1年生がこぼしたつぶやき。
大人としてどう返したものか、考えてしまっている。
いくつかある観点のうち1つを、今回は書いてみる。
※なお、今回は1000文字で収まってない


「将来の夢ランキング」にケチつけたことない?

いつだか、小学生男子の将来の夢ランキングに「YouTuber」が入った時、そんな職業…ってケチつけた大人いません?
「公務員」が上位ランクインした時、子どもなのにそんな夢がないことを…とか思ったことないです?
目の前の子どもが大谷翔平にあこがれて「大リーガーになる!」とか、宇宙兄弟読んで「宇宙に行く!」とか言い出した時、心のどこかで叶わないやろうとキレイゴトで済ませてません?
子どもの「将来の夢」を聞いたときの大人の反応に、バイアスありません?

過度な期待をしてない?
子どもらしい、夢のある職業であってほしい(裏返すと、現実的でありがちなものや待遇の悪い仕事を目指さないでほしい)という思い、ありません?

純粋な夢を、単なる夢で終わらせてない?
それを全部跳ね返し続ける大谷翔平はすごいですが、夢への努力へのカベの1つが大人の心理的バイアスってムダじゃないです?

子どもにとって、「大人が納得するような、ほどほどに夢があって、でも現実的な将来の夢を出す」って、けっこう難しい。

今、ここにない仕事

わたしは子どもの頃、将来の夢としてやりたい職業はなかった(なので、自分自身も将来の夢を聞かれるといつも困っていた)。
その後、かなり転々としていろんな仕事をしてきたが、創作日本料理店も、SEも、プロジェクトマネージャーも、セキュリティ管理者も、総務部も、子どもの頃は知らなかった仕事だ。存在しなかった職種もあるだろう。

変化が激しい、VUCAの時代と言われる中、AIに奪われる職業ランキングも、AIに奪われない(人間にしかできない)仕事の概念も日々変わっていて、大人でも振り回されている。

自分がそうだったように、子どもたちは、今は存在しない仕事に就く可能性がある。まあまあ高い。
だから、現実を見据えて考えれば考えるほど、書けるわけがない。
そしてまた、一部で変化が激しい時代という教育はしながらも、子どもたちに将来の夢や進路を訊ねるアウトプットのスキーマは変わっていない。
子どもは良くも悪くも大人の顔色をみる。けっこう見ている。
そうすると、「将来の夢」に書くものって、ものすごく難しいと思う。

昔の、中学生くらいの自分に教えてあげられるなら、「今はまだ存在していない仕事」って書けばいいよって言うかもしれない。

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