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2021年度 第93回アカデミー作品賞を予想してみた クロエ・ジャオ監督押し♡

2021年度アカデミー賞の授賞式まであと4日!
昨年はcovid-19の影響で、映画を劇場公開できず苦しんだアメリカの映画業界。
劇場で公開予定だったものを急遽配信したりもしましたが、いわゆる大作と言われる映画は、いまだに公開延期状態になっています。

そんな状況下でのアカデミー賞。

映画館で映画を見られないというのは、やはり寂しいですが、個人的には、配信サイトが充実していて、自宅で映画を見られるのって素晴らしいなと実感した1年です。

昨年の緊急事態宣言の頃などは、配信サイトがあったおかげて、外にでかけなくても、家でエンタメを思う存分楽しめました。

では、2021年度、第93回アカデミー賞の作品賞を勝手に予想してみます。
日本で鑑賞できる配信サイトや劇場公開情報もまとめてあるので、気になったらぜひ鑑賞してみてください。

作品賞 候補作

『Mank/マンク』Netflix
『サウンド・オブ・メタル~聞こえるということ~』Amazon Prime Video
『シカゴ7裁判』Netflix
『ミナリ』2021年3月19日公開
『ノマドランド』2021年3月26日公開
『プロミシング・ヤング・ウーマン』2021年7月16日公開予定
『ファーザー』2021年5月14日公開予定
『Judas and the Black Messiah(原題)』日本公開日未定


8作品中、授賞式までに日本で鑑賞できる5作品は、すべて鑑賞しました。でも、まだ見られない3作品『プロミシング・ヤング・ウーマン』『ファーザー』『Judas and the Black Messiah(原題)』がとっても気になるんです。

好みのタイプの映画なので、早くみたいなぁというのが本音です。

この3作品を見たかったというのはありますが、作品賞を決めるとしたら…….

『ノマドランド』です。
現代の多様化した働き方や、人とのつながり、経済格差など、コロナ前に撮影していますが、まさに2021年の今の社会情勢を映し出していました。

社会情勢~という意味では、韓国からの移民一家が、アメリカで生活していく様子を描いた『ミナリ』も、意外にドラマティックで感動しました。

『ノマドランド』が作品賞だと予想したのは、他の作品にくらべても、クロエ・ジャオ監督の存在感が圧倒的だなと感じたからです。

中国出身のクロエ・ジャオ監督は、どういう映画を撮る人なのだろうと鑑賞前は楽しみでしたが、想像以上に王道の撮影方法で驚きました。

もしかしたら大監督になるかもしれないですね!
原作はノンフィクションで、高齢者たちがノマド生活をして季節労働をするという、ちょっと重いテーマでもあるのに、ジャオ監督の脚色では、現実的な話でありながら、穏やかで優しい、不思議な空気感が漂っていました。

美しいアメリカ西部の風景と、登場人物の心情に寄り添うような音楽の効果で、さらにストーリーを盛り上げていますが、エモーショナルになりすぎない演出の塩梅が独特です。

主人公のファーンが、亡き夫や、家族の昔の写真を眺める場面も、喜びと寂しさの両方の感情がファーンの中にはあるのですが、それをスクリーンに映し出すときに、喜びと寂しさ、どちらの感情にも寄り添っていて、一方にふりきっていないニュートラルな状態になっているんです。

だから、このシーンを見て、微笑む人もいれば、涙を流す人もいて、両方の感情が現れると思います。

ファーン役のフランシス・マクドーマンドの演技がすばらしいというのもあるんですが、ジャオ監督の演出力もかなり感じました。
ふだん、演出なんかについてはあまり気にならないし、正直詳しくないのですが、鑑賞中に「この監督の演出力を感じる」と思ったのは、ひさしぶりでした。

ジャオ監督は、『ノマドランド』が長編第3作目とのことで、前の2作も鑑賞してみたい。

原作の映画化の権利を持っていた主演のフランシス・マクドーマンドが、トロント映画祭でジャオ監督の長編2作目『ザ・ライダー』を見て、「監督できる人を見つけた」とエージェントに連絡したらしいのです。

今回のアカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演女優賞、脚色賞、撮影賞、編集賞の6部門にノミネートされていますが、4部門5部門受賞もありうるんじゃないかと。もしかしたら6部門とか。

それくらい好きな作品でした。(2度見に行っちゃいました。)

第93回アカデミー賞受賞式は、2021年4月26日(日本時間)開催です。




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