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非認知能力が育つ対話とは

私は一貫して対話の重要性をお伝えしていますが
やはり非認知能力も日常の対話の中で育つんです
ですからどれだけ親や先生が意識して
たくさん対話をするかが重要です

では非認知能力が育つ対話とは
具体的にどんなものなのでしょう?

これはもちろんお子さんの年齢によっても変わってきますが
まだあまり自分の意見を言葉にできないような幼児期だと
とくに気をつけなければいけません

感性の基本は「好き嫌い」です
例えば親に「これ食べなさい」と言われたけど
子どもは「う〜ん…」って首を振っている
「食べないと大きくならないよ」
「栄養あるから食べようよ」って言われても
まだ首を振っている
「どうして?嫌いなの?」と尋ねたとき
子どもは実は自分がそれを嫌いかどうかってわからないんです

食わず嫌いっていう言葉があるように
なにかのちょっとした経験とか
それの見た目とかでなんとなく躊躇している

それを親の方が「そうなのね、嫌いなのね」と
勝手に判断してしまう
これは、そんなふうには決めないでいただけたらと思うんです

また「イヤイヤ期」なんかもありますね
なんでもかんでも「イヤイヤ」と言う子どもに対して
「そんなこと言っちゃだめ」なんて言うと
子どもはそこで思考停止してしまうんです

だからそこで親としては
「どうして嫌いなの?」と
逆に子どもが「これは好き」と言うなら
「どんなところが好きなの?」と
対話のなかで投げかけていくことが
非認知能力を育てる根幹の部分なんです

そんなふうに問えば子どものほうも
「なんで自分はこれが好きなんだろう」と考えはじめます
そこで「う〜ん」って考えて
「おいしいから」「●●ちゃんが食べてたから」とかって
子どもなりに答えるわけですよね
そのときにそれをちゃんと受け止めることがとっても大事
「そうなのね」と言って
そこからさらに会話を進めていくという感じです

対話といえば一時期
「子どもをもっと褒めましょう」というような
風潮がありましたね

「わ〜すごーい!えらーい!」って
なんでもかんでも「よくできました」という
一辺倒な声掛けというのが当時よく見られました

でもなんでもかんでも「いいわね」って言われても
子どもにとったらなにが良いのかよくわからないし
褒めてるのでなければ肯定してるのでもないって
子どもには受け止められているんじゃないかって思います

具体的に何がどう良いのかを言えなければいけない

例えば子どもが絵を描いていたとしてそれを見た親が
「ここどうしてこういう色なの?」
「そうなんだ、だからここを青色にしたのね」
「ママはここがすごく好きだなぁ」とか
こんなふうに会話することができたら
すごくいいと思うんです

そういった会話なくして
ただただ褒めているというのは
褒めていることにはなりません

もちろん、褒められて悪い気にはならないでしょう
でも子どもは次の段階を思うんです
「何が?何が良かったの?」って

そんなとき子どもは悲しいんです

だからこそ自分の子であれお友達であれ
自分が交流を持つ周りの人には興味を持ってほしいと思います
特に子どもは自分の気持ちを表現するだけの言葉を持っていないから

だから親の方も想像力がとっても必要
つまり親にこそ非認知能力が必要ということなんですね

2022.6.20
下向峰子


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