【教材研究を考える。】
教材研究
改めて考えてみると、
色々な考え方があると思いますが、
今回は
時系列で、4層に、分けて考えてみます。
第1層は年間の計画
第2層が学期の計画
第3層が単元の計画
第4層は本時の計画です。
この4層を意識して
教材研究をすることが非常に重要かと思っています。
まず第1層の年間計画。
この年間計画というものが学校によって
決まっていたり
決まっていなかったりします。
多くの学校では
各学年の年間計画を
作っていると思うのですが
それがどの程度の
拘束力があるのか?
そのあたりの意識の仕方が、結構重要かと思います。
何月のこの時期にはこの単元(題材)をやってください。
と言う、計画が学校で決まっているのであれば、
ある程度はそれに基づいて取り組む必要があります。
皆さんの学校では
このような 年間計画はあるでしょうか?
また、どの程度の拘束力があるのでしょうか?
学校によって、かなりの、違いがあるかと思います。
さて、このような年間計画を考える上で
知っておかなければ
いけないのは
この年間計画通りに
やらなければいけないという
決まりはないということです。
基本的に
こういった年間計画は、
教師の裁量で
ある程度 変えることができます。
子どもの実態や
その年の行事の兼ね合い
他教科との兼ね合いで、
単元(題材)を組み替えるというようなことは
誰しもよくあることですし
例えば 図工、音楽、体育、家庭科などは
単元(題材)そのものを
子供の実態に合わせて変えるということも
よくあることです。
例えば
家庭科では、エプロンを作ろう!
となっているものを、
子どもの実態に応じて
ランチョンマットにするようなことは、よくあります。
体育であれば、
タグラグビーと 指導計画に書いてあったとしても
必ずしも タグラグビーをする必要はありません。
フラッグフットボール 行ってもいいわけですし
極端な話
ゴール型のゲームである
バスケットボールやポートボールなどでもいいわけです。
このような極端な書き方をすると、
色々と問題もあるのは、百も承知なのですが、
大切なのは、
何をするか以上に、
子どもの実態と
教師の力量に合わせて
勝負する選択肢を持つ
という方が
より大切だと思うのです。
本来なら、学習指導要領に書かれたものを、
学校現場では、
全て、教えて行かなければなりません。
ただ、僕は体育を長年、研究してきて思うのは、
指導要領通り学習させることが、
いかに難しく、
全てを、網羅することが、いかに理想論かということを痛感しています。
であれば、
子どもの実態と
今の教師の力量に応じて、
選択の幅を持つということは、
非常に大切なことだと思うのです。
どうでしょう?
少し過激な発信になったかもしれません。
次に教材研究の第2層。
学期の計画について、発信します。
学期の計画には、4つの配慮が重要だと考えています。
1)行事に対する配慮
2)場所に対する配慮
3)物に対する配慮
4)時間に対する配慮
1)行事に対する配慮
学校生活の中には、様々な行事があります。
運動会、音楽会などの大きな物から、
修学旅行、林間等の宿泊行事、それに伴い、
授業の時数が変わってくることがあります。
このようなことを、先に学期計画において、見通しておくことは極めて重要です。
2)場所に対する配慮
行事に並んで場所の配慮というのも、大切です。
学校には活動できる場所が限られています。運動場、体育館、理科室、音楽室、プールなどもそうでしょう。大規模校になればなるほど、このような場所を使える時間というのには制限があります。
それを、見通しをもつことが大切です。特に体育などは、いつからプールが始まるのか?
最近は、熱中症のことなども視野に入れる必要があり、そうなると、運動場の使える時間なども、限られてきます。場所に対する配慮も、指導計画を立てるうえでは大切です。
3)ものに対する配慮
単元によっては、絶対に「もの」が必要な単元があります。
算数では、コンパス、分度器。場合によっては、牛乳パックなどの箱が必要なこともあります。
理科の実験のキッズみたいなものは、明日いるとなっても無理ですし、植物、動物などは、計画的に育てておかなければいけません。
国語でも、辞書が必要だったり、辞典が必要だったりします。このようなことを事前に把握しておき、一定の入手先を決めておくことも極めて重要な教材研究かと思います。
4)時間に対する配慮
これは、最近になってから本当にその大切さを認識しているのですが、カレンダーのようなものに、教科書のページを打ち込んでいきます。機械的にそれをやると余剰時数がどれくらいかということが把握できます。これをやっておくだけで、気持ち的に本当に楽になります。この一覧を備忘録に挟んでおくだけで、明日以降にお伝えする単元の教材研究がものすごく、楽になります。
年間の教材研究と並んで、このような鳥の目を持ち、準備することをいかに怠らないかが、基本的には、ものすごく大切な視点だと最近、認識しています。
3層目は単元計画です。
この単元を考える上で
これまでの
年間計画
学期計画ではなかった
新しい視点が大切になってきます。
それは子どもの実態です。
子どもの実態を考慮することにより
様々なことが変わってきます。
①教材は何か?
教科書なのか?デジタル教材なのか?
動画なのか?コンテンツなのか?
②活動は何か?
書くのか?読むのか?調べるのか?
発表するのか?
③活動の形態はどういったものか?
個別なのか?ペアなのか?班なのか?
一斉なのか?
④評価をどうするか?
関心意欲、思考判断、知識技能
それぞれの基準はどの程度か?
規準は何か?
このような観点が
子どもに応じて変わってきます。
例えば、
子どもの実態で、物凄く荒れていて
しかも学力も定着していない場合
①教科書での、導入はしんどいから、
動画からいくか
とか
②書く活動は、凄く、抵抗があるから、
楽しいところを書かせて、負荷を低くしよう。
難しい部分は、こちらで教えて、読んで定着させよう。
とか
③一斉では、もたないが、かと言ってグループでも、揉め事がおきそうなので、短時間で小刻みにペアで活動させよう。
とか
④評価は、
単元の前半でアセスメントをとり、
評価基準を場合によってはグッと下げよう
とか
こういったことを
粗くでいいので、考えて、
日々の授業を行っていきます。
もちろん、
こんなこと、毎回、各教科でできるわけはありません。
とはいえ、ノートに走り書き程度でいいので、行っておくと、
随分と日々の授業がやりやすくなります。
そして、1時間1時間の授業でも、
この時間は何を大切にして
授業しているのか?
ということを
教師が意識できるようになり、
子どもたちにも
それを伝えることができます。
これが、俗に言う
目当て
なのだと思います。
そういった意味では、目当てはとても大切です。
でも、だからといって
杓子定規的に、
目当ては板書しないといけない
目当てを書いたら、学力が上がるなんて
ことはありません。
上述したような単元の構成を教師がしっかりと考えた上での
目当て
であれば、極めて大切であり、
子どもにも伝わるのだと思います。
最後は本時の教材研究をいかに行うかということです。
本時の教材研究として
僕は4つの選択があるかと思っています。
活動の選択
教材の選択
時間の選択
発問の選択
です。
この4つの選択を
子どもたちの実態に照らし合わせて
簡単にノートに書きとめてから授業を行うことが多いです。
まず1つ目は
活動の選択です。
子どもの実態に合わせ
どのような活動をさせるのか?
これは単元のところでも触れましたが
書くのか?
読むのか?
線を引くのか?
話し合うのか?
どの活動が
負荷が高いのか?
逆に負荷が低いのか?
そのようなことを考え 選択していきます。
2つ目は教材の選択です。
教科書なのか?
ノートなのか?
ワークシートなのか?
タブレットなのか?
これも子どもの実態や、活動の内容によって、切り替えていきます。
3つ目は、時間の選択です。
上記の活動をどの程度、時間をかけて行うのか?
全部で45分になるように、
軽重をつけて考えていきます。
4つ目は発問の選択です。
これこそ、授業ならではと思うのですが、、
発問には、
一問一答的発問
拡散的発問
収束的発問
準収束的発問
があります。
一問一答の場合は、テンポ良く列指名や個別指名を行い、次々と答えさせていきます。
拡散的発問は、どのような答えも認められるように組み立てます。
したがって、その後の発表に時間をかけます。
収束的発問は、討論になる
AかBかの発問なので、
意見の分布を確認したり、意見を発表させて、整理したりすることが必要です。
これも、その後の展開に時間をかける必要があります。
準収束的発問は
ABCDというように、4つくらいに意見が分かれるものです。
この場合は、そこまで時間をかけないような討論。
もしくは、そこから2つに絞っていくような整理が必要です。
当然、これらの発問も子どもの実態をもとに考えます。
ここまで見てきて分かるように、
活動、教材、時間、発問の4つは極めて密接に関わっています。
これらのことを頭の片隅におき、簡単にノートにメモを書き、毎時間の授業をしています。
いかがでしたでしょうか?
教材研究の深掘り。自分的にも面白かったです。
なかなか、教材研究と言っても、色々あるのかなーと思います。
板書については、僕はあまり考えない方なのですが、
物凄く大切にしている人もいるでしょう。
皆さんの教材研究
どのようなご意見をお持ちでしょうか?
こだわりはありますか?
是非ご意見いただければ、ありがたいです。
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