誰かに見ててもらえなくても たった一人でやり続けるさ
2024.2.29
急遽2回目の【流し場 NAGASHI-BAR】を行った。
1回目の時に飲食を担当してくれた喫茶お塩のお塩さんから「矢野顕子が聴きたい」「てぃんさぐの花も好きです」「Coccoもいいなぁ」と言われたけど一曲もできなかった。何でもできる訳じゃないので歌える曲一覧を用意してたけど、すべてメニュー外。矢野顕子の曲はどう考えても難しい。せめて矢野顕子がカバーしたTHE BOOMの「中央線」はどうだろう? と曲のコードが載ってるサイトを見てスケッチブックに歌詞とコードを書いてみるも、いきなり歌いこなすことはできなかった。
そんな折、お塩さんが一旦3月3日に喫茶お塩の営業を終了して長野に帰ると耳にした。できなかった曲をリベンジしたいし、朝から晩までワンオペでがんばったお塩さんに歌を贈ろうと急遽開催。
今回歌った曲はこんな感じ。
①バカの歌(サイキシミン)
②中央線(THE BOOM)
③若者のすべて(フジファブリック)
④くだらないの中に(星野源)
⑤時にまかせて(金延幸子)
⑥Heaven's hell(Cocco)
⑦黄金の花(ネーネーズ)
⑧想い出がいっぱい(H2O)
⑨赤いスイトピー(松田聖子)
⑩愛おぼえていますか(劇場版超時空要塞マクロス主題歌 歌:飯島真里)
11.マドベーゼ(ハナレグミ)
12.男達のメロディ(SHOGUN)
13.喜喜(ニライカナイ)
14.ひとつだけ(矢野顕子)
15.いいんだぜ(中島らも)
16.酒と泪と男と女(河島英五)
17.てぃんさぐの花(沖縄民謡)
18.ありがとう(吉田峰子)
19.JUMP(忌野清志郎)
うる覚えなので順番はちょっと違うかも知れない。ちょっとしたワンマンライブくらい歌ってるなと思ったけど喉は枯れませんでした。私の丈夫な声帯よ、ありがとう!
今回心に残ることがふたつあった。
ひとつはお塩さんのリクエストに応える為に練習した矢野顕子の「ひとつだけ」。もともとすごく好きな歌だけど、矢野顕子というだけで絶対にコード難しいし弾ける訳がないと思って弾き語りしようなんて思ったことがなかった。実際に前回言われてすぐに調べたけど「何じゃこのコードは!?」という感じの知らないコードが出てきた。初心者向け簡単コードでそれである。実際のコードはどんなんやねん。高校生の頃からよく聴いていたから歌はしっかり入っている。だけどギターを弾く指が追いつかない。ギターを弾くというかコードを押さえる指だな。バレーコード多用してるし、コードチェンジが私には難しい。練習中に何度も挫折して、何度もやめようかと思った。まともに弾けないのに人前でやるなんて発表会かよと思うだろうし。でも今回はお塩さんに喜んでもらいたいだけだから、それでもええか! と思って挑んだ。
結果、練習中よりも指が追いつかないし、コードがしっかり押さえられてない。最後なんて指がもつれまくってた。歌うというより必死な姿をただ晒してるだけのように私は感じていたのだけど、「ひとつだけ」がよかったとずっと言ってくれた方がいた。アレが? と思って聞いてみたら、とても丁寧にどこがよかったと感じたのかを教えてくれた。
………
もうひとつの心に残ったこと。この日は西表島に2週間旅していた梓ちゃんとNAGASHI-BAR前に喫茶お塩でお茶して旅の話を聞く予定にしていた。その時、密かに計画していたことがあった。
梓ちゃんが西表島に旅に出る前にサイキシミンの「バカの歌」という歌を教えてくれて、「いつかみねちゃんが歌ってくれたら聴きたし!」と話してくれた。
聴いたらめちゃくちゃいい曲で、私も感動したし歌ってみようと密かに練習していたのだ。がんばって耳コピしようとしてたけど、どうしてもわからないところがあり、ダメ元でサイキシミンさんのバンド問い合わせ先にコードを教えてもらえないかという暴挙に出た。
本当にダメ元で失礼を承知で送った。するとすぐに返信があって、むしろ喜んでコードを教えてくださった。信じられなかったがすごく嬉しくて、すぐに自分のスケッチブックに歌詞とコードを書いてYouTubeの原曲の歌に合わせて練習を繰り返した。歌いながら「この感謝をどう伝えたらいいのだろうか?」と思い、こんなあり得ないことを許してくれたサイキシミンさんにお礼を伝えたくて歌ってる動画を撮ろうと思った。
NAGASHI-BARの3日前くらいにコードを聞いたので練習不足で下手くそ過ぎる。だけど梓ちゃんが神戸にいる間にどうしてもやりたかったし、下手くそでも不完全でもその瞬間にしかない美しさがあると信じて動画を撮った。
梓ちゃんが「みねちゃんが歌うこの歌を聴いてみたい」と何気なく言ったことに応える。お塩さんが聴いてみたいと言ったことに応える。自分に歌えるのかどうか分からんけどやる。うまく歌えたり上手い演奏にできなくてもやる。私にとって歌は、目の前にいる自分の知る誰かと喜び合うこと、誰かを励ますこと、誰かを祝うように贈り物のように歌うことが大切で、それがこの上ない喜び。
だけど、その気持ちを伝える為にも技術は磨かなくてはとも痛感した。そんな話をその場にいた人たちと素直に話せたのも嬉しいし、そういう場が持てて嬉しい。
家に帰って「バカの歌」のコードを送ってくれたサイキシミンの大谷さんにお礼と「バカの歌」を歌ってる動画を送った。すぐに見てくださって喜んでくれて、そしてよければこれからも歌ってほしいとも言ってもらえた。
「バカの歌」を歌っている時、ギターを買って弾き語りを始めた当初に少しでも練習したくてバイト先にギターを持って行って休憩中に練習してたことや、その姿を笑われていたことを思い出した。他にも悔しいこともあったけど続けてこれた。
自分に才能なんてないかも知れなくても、たったひとりでも、歌い続ける孤独と喜び。その中で訪れるこの日のような瞬間や出来事。だからこそ嬉しい。私はしあわせだ。
2024.3.7 追記
サイキシミンさんの曲、他にも素敵な歌があります。
私にとっては「どんと」がそんな存在かなぁと感じたロックンローラー。と、同時に私が自分の言葉で歌っていけるようになりたいと思った。
大嫌いって歌ってるのに好きだとしか聞こえない不思議。好きだから、好きでいたいから、大嫌いって言っちゃう気持ちがヒリヒリ伝わる名曲。
いつか生でサイキシミンさんのライブを観に行きたい。「バカの歌」を歌い続けて、いつか生で聴いてもらえたら嬉しいな。私に合うのはカポ4だとわかって、ずっと練習している。
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