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顧客エンゲージメント:マーケ用語徹底解説

どの業界にもあるように、マーケティング業界にも数多くの専門用語があります。日常生活では耳にする機会がないこともあり、ふんわりとした理解のままその用語を使っていることもあるのではないでしょうか。

ぜひ今回から始まる「マーケ用語徹底解説」で一緒に学んでいきましょう。初回は「顧客エンゲージメント」です。

顧客エンゲージメント とは

顧客エンゲージメント:企業と顧客の信頼関係を示す概念

英語の「engagement」は約束・契約・誓約・婚約などを意味する単語ですが、ビジネスの世界では「信頼できる関係」という意味で用いられます。

企業における信頼とは、誠実な製品作りや社会的な公正さ、親しみやすい企業イメージなどを通じて人々の心の中に醸成するものです。本来、目に見えるものではありませんが、近年はSNSにおけるシェアの傾向や「いいね!」の数などを集計した「エンゲージメント率」など、具体的な統計値として分析する取り組みが広がっています。

顧客エンゲージメントがなぜ注目されているのか?

顧客エンゲージメントが注目を集めるようになった背景は、市場環境や消費者意識の変化です。

世に流通する製品やサービスのほとんどは、時間が経つにつれ競合商品が増えていき、新規性や特異性を失っていくものです。これは「コモディティ化」という現象。こうなってしまうと他社製品との差別化ポイントは価格だけになってしまい、収益性の低下につながってしまいます。

またインターネットが広く普及したことで、消費者が商品を購入するまでのプロセスが変化しました。かつては多くの消費者が、テレビCMや新聞、雑誌などで得た情報を頼りに商品を購入していましたが、近年はそれらに加えてECサイトのレビュー投稿やSNS上の口コミなども影響力のある情報源になっています。

アクセスできる情報が増えた以上、消費者がより合理的な判断で消費につなげるのは当然のこと。その結果、これまで以上に商品の性能や性質だけでなく、企業の経営姿勢も問われるようになりました。

このように商品の差別化が難しくなり、消費者の目がより厳しくなった情勢下で売上を高めていくには、「この企業だから買いたい」「あのブランドの製品なら安心して利用できる」といった信頼───つまり顧客エンゲージメントが重要になるのです。

どうやって顧客エンゲージメントを測定する?

顧客エンゲージメントは、何か単一の指標だけをもって測定することはなく、各企業がそれぞれの商品特性やビジネス環境に応じて複数の目標値を設定し、継続的に計測するのが一般的です。

例えば初回購入した消費者が、どれだけリピート購入してくれたかを示す「リピート率」は、多くの企業にとって重要な指標でしょう。1年間のリピート率は「1年間のリピート購入者数÷1年前までの購入経験者数×100」で算出できます。

サブスクリプション型サービスの場合「解約率(チャーン率)」が重要です。例えば1年間の解約率は「直近1年の解約顧客数÷1年前の顧客数×100」で算出できます。

冒頭で少し触れた、SNS投稿に対する反応率(投稿の表示回数ではなく、詳細を見るためにクリックしたり、いいね!をつけてくれた回数の割合)も、顧客エンゲージメントの測定指標となり得ます。

その他、1人の顧客が長期に渡ってどれだけ利益をもたらしてくれたか示す「LTV(Life Time Value、顧客生涯価値)」を観測するケースも多く見られます。

大事なのは、時代に合わせて真摯に追求していくこと

顧客エンゲージメントを重視するということは、お客様一人ひとりと長期的に関係を構築していくことにほかなりません。現時点ではECサイト利用率やSNS反応率に注目が集まっていますが、将来的に新しい技術やトレンドが生まれ、周辺の様相は少しずつ変わっていくでしょう。

それでもなお、長きに渡ってお客様から信頼を獲得し続けるには、どんな準備をすべきなのか。

すぐに結論は出ないかも知れませんが、お客様の真の利便性を追求するため、真摯に考え続けていきたいですね。


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