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マインドフルネスは生きていく力 -part1- マインドフルネスとの出会い

当センターでは、ドイツのthe Institute of Mindfulness Based Approaches(IMA)と連携し、2021年4月からマインドフルネスストレス低減法(MBSR)講師養成講座を開催しています。

その2期生として2023年6月にトレーニングを終え、MBSR講師となった内田恭子さんにインタビューをさせていただきました。

内田さんには、今年11月から、当センター代表の井上と一緒にMBSRコースを開講していただくことになっています。マインドフルネスが初めての方でも丁寧に体感していただけるようなクラスになります。

2023年11月8日(水)から水曜夜のMBSR8週間コースを開講予定です。
>>詳細こちら

インタビュアー:宮本賢也

ーーー本日はよろしくお願いいたします。現在はマインドフルネス講師としての活動も始められていますが、普段はどのようなお仕事を中心にされているのでしょうか。

内田さん
1999年に株式会社フジテレビジョンに入社し、アナウンサーをしていました。2006年に退社後はフリーアナウンサーとして活動する傍ら、雑誌にエッセイを連載したり、株式会社Kids Smile Holdingsにて社外取締役をしています。

ーーーマインドフルネスとの出会いについて教えてください。

内田さん
もともと、20代の頃から臨床心理士の仕事に興味がありました。

小学校5年生から高校2年生までアメリカで過ごしたのですが、現地校では定期的にスクールカウンセラーと話をする機会があり、先生や他の人に言えないこともカウンセラーに気軽に話して、それが心の健康のサポートになっていると感じていました。日本では、自分の心の中を他人に相談するという文化があまりなく、病院に行くくらいメンタルが落ち込まないとカウンセリングや医療的サポートを受けることは少ないと思うのですが、もう少し予防的に心の健康を保つ機会があるとよいな、と常々思っていました。

自分自身、テレビ局に勤務して、とても忙しい中で、常に時間に追われているような感覚があり、どうやって自分を保っていくと良いのか、ということに興味がありました。

そうして、心理の分野を勉強したいと思っていたのですが、20代は仕事で余裕がなかったり、30代になってからは2人の子育てでとても忙しくなかなか余裕がありませんでした。そんな中、心理学はずっとやりたいことのリストの中には入っていて、それがコロナ禍で、家にいることも増え生活のペースが変わったタイミングで、心理の大学院に進もうと勉強を始めました。その勉強のなかで、マインドフルネスというものに出会いました。いろいろ調べているうちに、ぜひ学びたいと強く思ったのがきっかけです。

ーーーそうしてアメリカのマサチューセッツ大学でMBSRを受講されたと伺いました。そのときはどのように感じましたか。

内田さん
MBSRの存在を知って、どこで受ければいいのかもわからず、MBSR発祥の地であるマサチューセッツ大学のコースを受けることにしました。

久々にアメリカの文化のなかに入ってみると、参加者の皆さんが自分のことをオープンに話すのが新鮮な感じがしました。

今まで生きてきた中で知っていたのとは違う瞑想という世界があることを体験して、とても興味が湧きました。その時は、ただただ面白いという印象が強かったですね。8週間終わった時点では、今考えると、MBSRのもつ深みまでたどり着けていなかったと思うのですが、それでも、こんな考え方があるのだと興味深く、もっと知りたいと思いました。

より自分の実践を深めたいと思って色々調べているうちに、the Institute of Mindfulness-Based Approaches(ドイツ)とInternational Mindfulness Center JAPAN (IMCJ)のMBSR講師養成トレーニングを見つけ参加することにしました。

ーーーこのトレーニングに参加いただく方の多くは、それまでに当センターでMBSR他のプログラムを受講されていて、私たちのことも知っていただいている方が多く、ある程度雰囲気がわかった上で参加いただくのです、内田さんの場合はあまり知らないところに飛び込む、という感じだったのではないでしょうか。

内田さん
私は、普段はマイペースですが、これ!と思ったらすぐに動くタイプなので、このプログラムを見つけたときは、不安もあったのですが、とりあえず連絡をしてみました。2021年9月のトレーニング開講直前のことだったのですが、内容についても丁寧に説明いただいたので、安心して参加すると決めることができました。

ーーー井上さんのマインドフルネスとの出会いはどのような感じでしたか。

井上
私がマインドフルネスと出会ったのは、20数年前のことです。それはこれまで周りの人達にお世話をしてもらっていた子ども時代から、今度は自分が成長して、お世話してくれていた人達をお世話するようになり始めた頃でした。

学生時代、私は「何かを獲得することでよい人生を送れる、逆にいうと、獲得しなければ良い人生を送れない」という価値観を無意識のうちに持っていたようです。しかし、だんだん年を重ねていく身近な周りの人と一緒に過ごす中で、人生は上り坂だけでなく、下り坂もあったり、いろんな時があるんだなということを目の当たりにして、今までの価値観だけで生きていくのは難しいなと思うようになりました。できていたことを手放す時期が来たり、その中で人は葛藤したりしているのだなと。

この状態が良いとか、この状態は悪いとか、この状態にならなければならないとかだけで人生に関わっていくのは大変だなと、人生では様々なことを経験し、老いていく中で、その瞬間その瞬間に体験していることを受け入れ味わっていく力を人生の中で育んでいく必要があると思いました。

私の中では、その頃の体験がマインドフルネスと出会った最初の時になります。ただ、そのころはマインドフルネスという言葉はまだ知らず、たまたま、オープンアウェアネス型の瞑想をはじめていました。

そして、後にマインドフルネスという言葉に出会うのですが、ああ、自分が求めていたのはこのことだったんだなと思いました。そして中を足を踏み入れてみると、どうやって心をトレーニングしていくのかというメソッドがあり、また研究もされていてとても興味深いと思いました。私の中では、そこから海外に出て学び始める旅がスタートします。

(続く)

次回、マインドフルネスを体験した内田さん、井上さんが、MBSR講師養成トレーニングを通じて感じたことについてお話しいただきました。学びの環境や、内田さんご自身の内側に生まれた変化とは。
Part2「1年半の講師養成トレーニングを経験して」です。(明日公開予定)

MBSRコースへの参加をご希望される方は:
井上清子/内田恭子


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