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日常の中マインドフルネスあるある!

当センターでは、ドイツのthe Institute of Mindfulness Based Approaches(IMA)と連携し、2021年4月からMBSR講師養成講座を開催しています(2022年10月開講3期はこちらから)。

その1期生として2021年10月からのプログラムに参加されている叶香代さんにご寄稿いただきました。臨床心理士、公認心理師、 小学校と大学でスクール・カウンセラーとしても勤務されています。ご自身の子育てやお仕事での経験も踏まえ、マインドフルネスの実践を通じて感じたことを書いていただきました。(ご本人プロフィールは文末)。

6月からは、金曜日の夜にMBSR8週間コースを開講予定です。
>>詳細はこちら
以下、叶さんの寄稿です。

マインドフルに感じた瞬間、マインドフルで無いと感じた瞬間など、日常の中での具体的な場面を教えていただきました。

みんなの、「あ、これってマインドフル?!」と感じた瞬間、「あ~、全然マインドフルじゃなかった~!!と気付いた瞬間」あるある~!!
IMCJマインドフルネスのコースでご一緒している瞑想仲間や、早朝瞑想、週一回のスタディーグループのお仲間に聞いたお話や、自分の体験を振り返ってみました。

・ボディースキャンを始めようと、横になって、わぁ~楽だ~。これ(休養)を必要としていたんだ~と感じた。休養を必要としていることに気付いていなかったんだと思った。

・普段何とも思っていなかったお風呂のタイルが、実は複雑な模様と色合いをしていることに気付いた瞬間。

・子どもの、メガネみたいに脱いだズボンを見ると、無意識に叱り始めている。叱りながら、途中で、声のトーンが低くなっていることに気付く。叱るときはいつもより声のトーンが低くなるので、あー、私また無意識に叱り始めちゃっていたんだ~、と気づく。そうすると、そこからは、どうしたら脱いだ洗濯物をかごに入れる気持ちになれるか、一緒に話し合えるようになる。

・請求書のメールを開こうと思ったけど、開かずにおいておく時、何か見るのが怖いような、見たくないような気がして、見ないようにしていた。

・一緒に散歩をしていた友人が、たくさん落ちているそれを見て、「白鳥のフンにはハエが止まっていないね」と言うのを聞いた瞬間。無いものに気付くなんて、マインドフル⁈その後、確かに~!よく、獣のものらしい茶色いフンには、緑に光るハエが止まっているが、この緑の大きいフンには、何も止まっていないじゃないか!?あのハエが複数止まっているか、いないかでは、うわぁ~嫌だ~という感じ方が全然ちがう!ハエがいないとそんなに嫌じゃない!草しか食べていなからハエが来ないのかな?クンクン、臭くない!!と考えやら何やらが浮かんできた。

・同じ本(ラディカルアクセプタンス)を読んでいて、同じように途中で挫折したというスタディーグループの仲間が、「読んでいたら悲しくなってきて止めていた」と教えてくれたのを聞いた時。そうか、○さんは、止めた時の心の動きに気付いていたんだ。
(ちなみに、今は、コースのお仲間が自主勉強会用のzoomのミーティングを定期的に用意してくれているので、その場をお借りして、時間を決めて、zoomで一緒に読んだり、○ページまで読んでおく、などと次までの宿題を決めて一緒に読んでいます。)

・書いた漢字を、よ~く見たら、何か違うような気がしてくる、こんな漢字あったかな??と思って見ているとますます、何かおかしく見える。しかし、結局それで正しいと確認してから見ると、普通に見えてくる。

・掃除が大の苦手だが、(多少汚くても死にやしないよと、掃除しないことを正当化している)掃除機をかけている時の足の裏に意識を向けていると、小刻みに体重を移動していて、結構微妙な動きをしているんだと気づいたら、掃除するのが、ちょっとだけど、楽しくなった。部屋がきれいになるし、ちょっとした楽しみ⁈でもあり、一石二鳥と嬉しくなった。

・プレゼンをして、上手くできなかった~と落ち込んでいたが、参加者から、他の参加者もノリノリだったと聞いて、身体が緩むようなふわっとした感触があって、ウキウキ、嬉しくなり、え⁉マジ?ホントに⁉と思った。

・普段、やらなきゃいけないことが、目の前に山積している時に限って、更に急ぎの用が入って、テンパってしまうことが多い。今もその状況だが、テンパっている中にあっても、呼吸がゆったりと流れていることに気付いて?あれ?どうして心臓がバクバクしていないの?なぜだろう?という考えが出てきた。状況に反して、落ち着きも同時に感じていて、目の前の状況を俯瞰して眺められていることに気付いた。

・新幹線から見える富士山に、一瞬だったが、気づいた瞬間。

・早朝瞑想で、他の方の体験を聞いている時、聞いていくうちにお話が予想外の方に展開して面白いと感じた時。予想しながら聞いていること、平凡な事や生活の中の小さなことを大事にしたいと思っていても、やっぱり、意外性や刺激を求めていることに気付いた。

・電車に乗っていて、自分の周りの空間も一緒に移動しているような感覚がした。

・ケーキやお饅頭を、半分もしくは、二口くらいで実は満足していることに気付いた。今までは、何となく、1個という単位で食べるものと思い込んでいたからか、惰性からか、ふた口目以降そんなに食べたいわけではないのに、無意識に食べきってしまっていた。気付いてからは、ラップに包んで後で食べたり(惰性で食べるより、後で食べた方がすごくおいしく感じてお得な気がする)、最初から半分に切っておいたりして、様子を見ながら食べている。

・アンケートに答える時、全く満足していない~大変満足している、の4段階評価で、自分の回答したかった数値を正反対に答えてしまった。低い数値が左にあり、右に向かって数値が大きくなり、満足度が上がっていくもの、という思い込みで、アンケートに記入していて、説明の文字を全然読まずに回答していたということに気付いた。

大きなことから、些細なことまで、日常生活の中には気づきの瞬間に満ちあふれています。私たちは普段気づかない内に自動操縦的に行動していることも多いのですが、上記のような気付きの瞬間があることで、日常生活が興味深く、新しい景色となって見えてくるでしょう。

マインドフルネスの練習をしていて、このように生活の中で、ちょっとしたことに気付いた時、変だと思われずに、誰か分かってくれる人と伝え合うこと、仲間の様々な体験を聞くことは、私にとって、大きな喜びになっています。
実際には、私は、マインドフルな瞬間より、あ~、全然マインドフルじゃなかった~と思うことの方がずっと多いのですが、それでもいいそうです。IMCJのコースで学んだことですが、マインドフルじゃなかった~ということに気付いた瞬間、自分の体験に気付いたのだから、それがまさにマインドフルな瞬間なのだということです。

そして、その気づきを、誰かと共有してみる、誰かの気づきを聞いてみる、そういう体験も、またその気づきをサポートする場になります。マインドフルでない、ということに気づいたことも、マインドフルになるための第一歩としてとても大事な気付きといえるでしょう。

仲間が教えてくれたこれらの様々な体験のお話からも、無意識に○○しちゃってたとか、マインドフルじゃなかった、と気付くことが、その後の対応を変える選択のチャンスにつながっていることが良く分かりました。○○しちゃってたと気づくことは、まるで目の前にドアを見つけて、その前に立っていることのように感じます。次にどのドアを開けるのか?やっぱり開けないのか、そこで間を取れば、正解か不正解かは分かりませんが、自分で選んで入っていくことが出来そうな気がします。また、今は無理して入らずに、機が熟すのを待つことも出来るかもしれません。生活の中のちょっとしたことに気付くことは、マインドフルネスの練習を継続していく励みにもなっています。今後も、皆さんとご一緒に、自分のペースで学び続けて、○○しちゃってた、のドアをたくさん見つけていきたいと思っています。

ドアを開けるのか、開けないのか、それを選ぶのは自分、というのは、前回の家永さんのお話にも通じます。

そして、最後に叶さんが書かれている、「○○しちゃってた、のドアをたくさん見つけていきたい」は、あらゆる体験をすでにあるものとして、それにやさしさと興味をもって関わっていく態度の表れだと感じられました。

みなさんも、毎日の実践で、様々なドアを見つけてみませんか?

臨床心理士、公認心理師、 小学校と大学でスクールカウンセラ―業務に従事。
日々のカウンセリングの仕事の中で、様々な方と出会ってきました。
生真面目すぎる方。完全な子育てをしたいあまりに、うっかり怒鳴ったり、手が出そうになったりでひやっとしたり、自分の事を責めたりするようなことで悩んでいる方。もう少し穏やかに子育てをしたい。
できれば楽しんで子供と一緒に成長したいと考えていらっしゃる保護者の方。また、子育ては問題ないけど何故か空虚感がある方。 私自身は、子育てでは、思わず出た声の大きさに、自分で驚くこともありました。自分自身に起きていることにいかに無頓着でいたのかを実感する出来事でした。
マインドフルネスを学ぶこと、学び続けていくことが、が自分にとって必要な事であり、また、ぜひ皆様にご紹介して、ご一緒に学んでいきたいと思っております。
マインドフルネスを体験し継続して試み続けることで、以下のようなことが起こることがあります。
1、様々な悩み事について優しくゆったりと向き合っていたら、自然と解決方法が浮かんでくるようになった。(以前はイライラ焦りながら解決を急いだ)。
2、家事や仕事が全てバラバラで全部しなければいけないと思っていたけれど、今は自分にとって重要なことは何かを考えてじゅうようなことを優先してできるようになったので満足感がある。
3、自分の人生にとって本当に大切なことをじっくり考えて、愛する人や大切なことに費やす時間を作れるようになった。
以上のようなことについてご自身が気づいて大切にすることで、お子様の問題は自然と解決する場合もあります。中には一時的に前よりも深刻な問題に直面する場合もあるかもしれません。
それでも、マインドフルネスを日々の習慣に取り入れることで、そんな難しいと思っていた困りごとにも優しくなれて、本当は困りごとを家族と解決しようと思えることが自分の人生にとって貴重な瞬間だという風にも思えるかもしれません。
体験なさる方の個性や状況によってマインドフルネスは様々な知恵や試練を与えてくれるのですが、その為の一番の伴侶となるあなた自身を育てるお手伝いができればと願います。

叶さんのMBSRコースは以下にて実施されます。無料のオリエンテーションも行っていますので、ご興味あればご参加ください。(以下をクリックしていただくとコースの詳細へとびます)

また、この5−6月期は、以下のMBSRコースも開講しています(日程は開講日、名前のあとはMBSR講師資格以外の関連する分野)。
①5月17日(火曜10:00-12:00) 宮本:MBCT, MBCL, MBPM講師
②5月18日(水曜19:45-22:15) 小保方:精神科医
③5月23日(月曜13:00-15:30) 井上:MBCT, MBCL, MBPM講師
④6月3日(金曜10:00-12:30) 粟野:企業、コミュニティ
⑤6月3日(金曜19:45-22:15) 叶:臨床心理士、スクールカウンセラー
⑥6月5日(日曜8:00-10:30) 家永:作業療法士(精神科)
⑦6月5日(日曜19:45-22:15) 江崎:公認心理師、産業カウンセラー
*MBCT:マインドフルネス認知療法
*MBCL:マインドフルネスに基づくコンパッションのトレーニング
*MBPM:痛みのためのマインドフルネス

最後までご覧いただきありがとうございます。一緒にマインドフルネスを深めていきましょう。お気軽にご連絡下さい!