マインドフルネスの基本エクササイズのボディスキャンのショートバージョン
マインドフルネスメディテーションの基本のエクササイズに呼吸に意識を向けるブリージングメディテーション(呼吸法)とボディスキャンがあります。そのうちのひとつ、ボディスキャンとは文字通り、身体をスキャニングすることです。頭のてっぺんからつま先まで身体の部分部分に順番に意識を向けていき、そこで起きている感覚や意識を向けたときに起きる感情の変化などを観察します。
心と身体を繋げてくれるボディスキャン
身体と心の繋がりは普段はあまり実感する機会がないかと思いますが、車にぶつかりそうになった時に恐怖で全身に走るビビっという感覚や、いやな人のことを思い出した時の肩がこわばる感覚、ワクワクした時に膝がフワっとするような感覚….よく考えてみると心に起きている感情と身体の感覚が繋がっていることが分かるかと思います。ボディスキャンを続けていくと、自分でも気付かなかった感情が、そういった身体に起きる感覚で気付くようになったりします。私はネガティブな感情が起きてもあまり自分で気付かない時に、先に身体に起きた感覚で気付く時があります。
また、ボディスキャンは自分の身体に優しくなれるきっかけにもなります。普段、もっと痩せてればいいのにとか、もっと運動神経がよかったらよいのにとか、もっと健康だったらよいのにとか、身体や身体の機能の不満点ばかりが目に付くことが多いかもしれないですが、寝そべって床や大地にしっかりと身体を支えてもらいリラックスしながら、自分の全身に意識を向けると自分の身体へ感謝の気持ちが湧いてきます。そして、身体の違和感や痛みがある場合は客観的にそれらを受け止めて、悲観せずに対処できるようになります。
ボディスキャンで、一刻一刻変化する自分の身体の感覚に好奇心を持って意識を向けて観察してみてください。
3分でできるボディスキャン
それでは、3分でできる簡易バージョンのボディスキャンを紹介します。
①まずは姿勢ですが、床に仰向けに寝てもよいですし、椅子に座っても、クッションの上に座っても結構です。寝ている状態の場合は手は身体の横に、椅子やクッションの場合は膝に置きます。
②軽く目を閉じて、身体全体に意識を向けます。
③自分の身体の重みを感じます。
④3回深呼吸をします。吸う息でたくさん酸素を取り込んで、吐く息で身体をリラックスさせます。
⑤床と触れている足に意識を向けます。足と床が触れている感覚、足の重さを意識します。床の固い感覚やシーツの素材などの感覚も感じてみてください。足の起きている感覚、たとえば、ビリビリしているとか、暖かい、冷たいなどの感覚も観察します。
⑥背中と床、椅子に座っている場合は背もたれが触れている部分に意識を向けます。背中に起きている感覚や背中の重みなども感じてみます。
⑦次に胃のあたりに意識を向けます。胃に力が入っていたり、緊張していたら、少し深めの呼吸をしてリラックスします。
⑧次は手です。手の感覚を感じてみます。しびれているとか、かゆいとか何でもよいので今感じている感覚に注意を向けてます。そして、
⑨では、腕に意識を向けます。腕に感じるすべての感覚を観察します。肩が固くなっていたら、リラックスします。
⑩次に首と喉に意識を向けます。感じるすべての感覚を観察します。力が入っていたら、リラックスします。
⑪顎、顔全体に意識を向けます。顔に感じる感覚を観察します。顔の筋肉が緊張していたら、リラックスします。
⑫身体全体に意識を向けて、1回深呼吸をしてリラックスします。
⑬最後にもう一度、身体全体にできる限りの意識を向けます。そして、深呼吸をします。準備ができたら目を開けます。
終わったら、今度は上から下に順番に意識を向けたり、繰り返して1日20分以上を週3〜6回、4週間以上続けると効果が出やすいと言われています。夜、ベッドの上でやると、いつの間にか寝てしまうという、不眠の方には嬉しい効果もあります。