コロナ禍で感じた不安とマインドフルネス
コロナの自粛の間、今の不安、将来の不安といったように「不安」という感情に振り回されたかも多いのではないでしょうか。
私もその一人です。マインドフルネスを続けているおかげか、将来については「なるようになるだろう」と楽観的だったのですが、「今の不安」から不健全な行動を取ることになってしまいました。
私はフリーランスでいくつかのプロジェクトに参加していて、普段は週に何日かずつそれぞれのオフィスに出勤してチームと顔を合わせて仕事をしています。しかし、コロナの外出自粛で完全にテレワークとなりました。
テレワークが始まってまもなく、私の生活は様変わりしてしまいました。朝起きてコーヒーを飲んで、瞑想して軽く朝食を食べるとすぐにパソコンの前に向かい、ランチは近所のレストランでテイクアウト。昼にがっつり食べているので、夜はあまり食欲がなく、ワインやビールを飲みながら適当に済ませるという具合に。
そんな日々が数週間続くと、何か不安にかられているという感覚が現れたのです。夜中に途中で起きてしまうことも何回もありましたし、それは身体の感覚にも現れてました。
そこで、瞑想で自分の感情にしっかりと向き合って、何が自分をそういう気持ちにしているのか問いかけてみました。
すると、家で仕事をしていて、チームのメンバー同士がお互いに仕事をしている姿が見えないことで、「いつも以上にいい仕事をして、いつも以上にいいものを仕上げないといけないのではないか」という不安があることが分かったのです。
もっと深く探っていくと、その気持ちは、いいものを仕上げなければという純粋な気持ちだけでなく、仕事をきちんとしていると思われたい、そして、評価されたいというエゴ、また、評価されないとプロジェクトから外されるのではないかという根拠のないネガティブな思考によるものだったのです。
それが分かってからは、「なるほど〜、自分はそう思ってるのか〜」とか、「なんでそんな極端な考えになる?(笑)」「コロナでどこにも行けないし、コミュニケーションもちゃんと取れないし、不安だよね〜」と今回の状況下で現れた自分の思考を客観的に観察して、寄り添うことができるようになりました。
そして、幸いなことに、途中でこの不安な気持ちに気づき、それを引き起こしている原因がわかったので、それからはきちんと自炊をしたり、疲れたらゴロっとしてみるとか、近所を散歩してみるという健全な行動で対応をすることができるようになりました。
不安な時は、知らず知らずのうちに、恐怖や心配の思考に捕らわれてしまいます。こういったネガティブな思考と上手く付き合うには、思考と自分を同一視したり、自分が考えていること(妄想)を信じたりせずに観察することが必要です。
そして、そのようなネガティブな考えとつながっている体の感覚と感情を受け入れること。これは、不安を取り除くのにとても大事なことだと思います。
不安な気持ちやその気持ちとつながっている体の感覚を観察するのに、マインドフルネスの練習はとても有効です。
私の場合はマインドフルネスによって「気づき」を得て、朝からずっとパソコンの前に向かうことをやめることができたし、夜のアルコールの量も増えずに済んだのだと思います。
第2波の到来も言われていて、コロナの状況が引き起こす不安や心配はまだまだあるかと思います。
不安な感情を無視したり抵抗したりせず、しっかりと自分の感情、その感情が引き起こす身体の感覚に向き合い、受け入れて、それらとともに過ごしながら、少しづつ取り除いていくようにしていきたいものです。
不健全な言動を取らないために。