禁煙をどうやって成功させたのだったか、振り返ってみる
最近、行動変容や、新しいことを習慣化するためには・・のようなことに興味があり、ふと自分の行動変容について振り返ってみようと思った。
禁煙して、8年になる。え、マインドフルネス教えてるのに昔タバコ吸ってたの? 「ええ。がっつり吸ってましたが何か?」
最初は、20代の頃にちょっとやさぐれて、女子向けっぽいメンソールの1mgからはじめたのだが、最後はマルボロメンソールライトという8mgくらいのタバコを1日2箱くらい吸っていた(爆)
今でこそ、マインドフルネスだのヨガだの、まるで健康志向みたいなことになってるが、以前の生活はそれはそれは・・・(自粛)
何度か禁煙を試みた。多分、3、4回。いやもっとだろうか?まず、意志の力を使ってやめようとしてみたが、無理だった。イライラしたり、ストレスを感じてまた吸ってしまうということを繰り返した。そして、「自分は意志が弱い」だの、「タバコを吸ってるなんてカッコ悪い」だの、自分を責めたものだ。
もともと、喉が弱いのでタバコはあまりあわなかった。最後の方には、扁桃腺の手術をするほどしょっちゅう熱を出していたが、扁桃腺の手術後にもしばらくしたらタバコを吸っていた(爆) そのくらいやめられなかった。明らかに害が、でているにもかかわらず、やめられないのだから、立派な依存症である。
ニコレットも、禁煙パッチも、禁煙用の薬(チャンピックス)も試した。ニコレットや禁煙パッチは全然だめで、チャンピックスは少し効いた。1回目(保険適応)の時は、しばらくはやめれたのだが、同僚(ヤニ友)に誘われて、つい吸ってしまった。悪友との喫煙所での関わりは一時期たたねばならない・・(喫煙者あるある、仲間の禁煙を邪魔をしあう。喫煙仲間が減ってしまっては寂しいからだ)
そうそう、禁煙するにあたって、結構つらかったのが、この喫煙ネットワーク(俺らやめられないけど、身を寄せ合って生きようぜ)的な親近感好きだった〜 禁煙してからも、寂しくなったら喫煙所にいってちょっと離れて会話するという技を覚えた。今は、もう臭いので近づかなくなったが。
いざ、禁煙!
もう一発なにか、きっかけがあればやめられそうなんだけれど、なかなかやめれない・・・そんな時期がしばらく続いた。
そんな時、とうとつに、結婚することになった。旦那さんは嫌煙家だったので、これはやめようと思った。てんびんにかけたのだ、この先タバコを吸い続ける人生VS禁煙して結婚。結婚に軍配があがった。自費でチャンピックスを服用し、その時からタバコはやめた。タバコをやめたら自分へのご褒美を買ってあげることも忘れなかった。目の前の人参すごく大事だった。
結婚するから、やめたとか、そんなの応用がきかないじゃないか・・!そうお叱りを受けるかもしれない。ただ、結婚は最後の一押しになったのであって、もうやめる準備はだいぶできていたのだと思う。
私はその後いろいろあって、結局お酒もやめてるが、どちらかといえばやっぱりタバコをやめる時の方が辛かったかもしれない。
禁断症状が結構つらいのだ。「ああああああああ、もうすいたああああああああいいいいい」となる。駆け回って、頭をかきむしって、騒ぎたくなるような渇望だ。
なので、その渇望を和らげるためにも、いろいろ代替療法を試す方が多いのだと思う。
あと、ニコチンは結構な薬物なのだからかわからないが、禁煙すると、なんだか日中眠気が出るとか、意欲がなくなったとか、何を頼って頑張ればいいかわからないとか、地味な生きづらさがしばらくでてくる。 しばらくすると、それも忘れるほどになるのだが・・
この本も面白い。禁煙や、行動を変える時は日記をつけると後で読むと本当におもしろい。
行動変容を動機づける5段階
1991年にDeClement&Vasquezが、依存症患者用に、依存行動を理解し行動変容を促すためのモデルを発表した。彼らの研究からは、行動変容を必要とするどんな問題に対しても、行動変容のための動機、心の準備状態は、次の5段階に分類できることが示されている。
1. 前熟考期:問題を抱えていると思っていない。あるいは、今の状態を変えたいと思っていない。
2. 熟考期:問題を抱えていることを自覚し、今の状態を変えた方がいいのだろうかと漠然と思っている。しかしどこからはじめたらいいのか、どうしたらいいのかわからない。
3. 準備期:今の状態を変えたいという心の準備ができており、行動にも移したいと思っている。いろいろな選択肢を探して、インターネットで調べたり、セルフヘルプの本を買ったりしている。
4. 実行期:今の状態を変えたいと認識しており、実際に行動して、計画をたて、異なるやり方を試している。
5. 維持期:新しく習得した行動を続けて、問題行動を繰り返さない。
カウンセリングにやってくるクライアントさんは、3,4あたりで行き来している人が多い。
例えば、準備期のクライアントさんにはこういう質問をなげかける。
今の状態を変えたいと自覚しているけど、まだ行動に移せていない、あるいは、どうしたらよいかわからないようだったら・・・・
「実際に行動できない、行動を変える方向に進んでいけない理由や、さまたげとなっているものはなんでしょうか?」
例:喫煙仲間とのコミュニケーションを失いたくない
「どうしたらその障害を克服できるでしょうか?」
例:禁煙しても、そのコミュニティーにたまには顔をだす。ツイッターで禁煙ネタをつぶやいて、禁煙者とつながる。
他にも
「障害を乗り越える際にあなたをサポートしてくれる人や、サポートしてくれるグッズ、スキルはあるでしょうか?」
「なぜ、回復したいのでしょうか」
「今、回復に向けてどんなことができるでしょうか?」(些細なことでもOK)
こんなことを考えたり、書いたりするように促すのだ。
ジャーナリングもよい。
その行動変容についての動機付けに応じた介入が必要なのだ。やみくもに「説教する」などは、百害あって一利なし。
というわけで、もしこの記事を読んでいるあなたが、何か変えたい行動があるようであれば、動機付けを確認し、そのことについて紙に手書きで書いてみることをオススメする。
そして、何度失敗しても、何度でもやりなおそう。失敗するたび何かを学んでいるのだ。次の成功の確率があがっているはずだ。
さて、今日から、当センターでは、MBRP(依存行動・悪習慣を手放し続けるためのマインドフルネスプログラム)を開催する。
マインドフルネスを身につけることで、依存行動を取る際の自分の状態に気づきをむけたり、少し反応することに間を置いたり、行動を選べるようになる。そして、呼吸法や瞑想などの依存行動に置き換えられるスキルも習得する。
関心のある方は、当センターのHPや、フェイスブックをフォローしてくださると最新の情報が届く。
さて、今日からのプログラムどんな出会いがあるのか、楽しみである。
参考文献:摂食障害から回復するための8つの秘訣 星和書店
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