見出し画像

【経済本100冊】Vol.25:『最強の生産性革命』(著:竹中平蔵、ムーギー・キム)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、竹中平蔵、ムーギー・キムさんの『最強の生産性革命』です。

画像2


基本情報

タイトル: 最強の生産性革命
著者名:竹中平蔵、ムーギー・キム
初版発行年月:2018年1月
ページ数(大体):約280pg
難易度所感〈五段階〉:★★★ ほどよい

大和の適当あらすじ

竹中平蔵さんとお弟子さんのムーギー・キムさんが日本の無駄を批判し、生産性を高める為の提言をして行く本。


全体の感想

初版2018年と割と最近の本ですが、結構大胆な提言が目白押しで面白かったです。竹中平蔵さんが結婚形態の自由化とかベーシックインカムについて肯定的に語るのは何か意外でしたが、全体を通して非常に自由な考え方をしていて、いいなと僕は思いました。

ここでは経済について語った部分のみピックアップしましたが、他にも経営や教育・結婚等、テーマが多岐に渡っていて、穿った意見が多いですので、ダレずに楽しんで読むことができると思います。逆に自由競争主義的な考えが前面に出ていますので、そう言うのが嫌な人は読まない方がいいかも(笑)

ムーギー・キムさんは初めて知りましたが、ほぼほぼ竹中さんと考えが同じだったんで、この本は実質竹中平蔵さんの本と言っていいでしょう(笑)


大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >

★終身雇用と年功序列は実は比較的新しい制度である
★退職金制度は経済成長が前提
★タクシー業界が日本のライドシェアを阻んでいる
★日本の民泊許容値はまだまだ小さい
★JALとANAは一緒になればいい
★生活保護とベーシックインカムのインセンティブの違い
★ベーシックインカムの財源確保の機関
★相続税を見直して寄付枠を設けよ
★日本の農業は株式会社化を拒んで来た
★農業の新規参入者を阻む農業委員会と農協
★兵庫県養父市の農業改革
★インドのキャッシュレス革命


< 各詳細 >

★終身雇用と年功序列は実は比較的新しい制度である
・・・終身雇用や年功序列はそもそも法律で決まっておらず、自然発生的に生まれた制度である。よく「日本型経営」等と伝統芸のように呼ばれるが、実は戦後にできた非常に新しい制度である。何故戦後かと言うと、戦後は復興期であったが、高校や大学等の高等教育機関がしっかり機能していないので、可能性のあるまっさらな若い人を沢山採用して、自ら社内で教育する必要があった。しかし社内で教育投資をする以上、途中で転職をされては困ってしまう。そこで企業は退職金がもらえる終身雇用と年功序列を設計した。しかしこの制度は経済が常に右肩上がりであることと、人口が増え続けることが前提なので、持続可能では無く既に時代遅れである


★退職金制度は経済成長が前提
・・・退職金制度と言うのは別に法律で決まっている訳では無く、企業が勝手にやっているだけである。退職金は、本来社員に出すべきものを社内でプールして後払いするものである。その方が会社として自由に投資に回せると言うメリットが企業側にあった。しかし会社に運用を任して運用利益率が高いと言うのは、経済が右肩上がりでないと成り立たない話である。制度の前提となる時代が変わった今、何の為に存続しているか分からない。


★タクシー業界が日本のライドシェアを阻んでいる

・・・Uberに代表されるライドシェアは世界中に広がっているが、日本ではタクシー業界の猛反対もあって全面禁止である。但し、レストランの出前であるUberEATSは問題なくやっている。理由は免許不要だから。タクシーは第二種免許の免許制であり、それを持っていないと営業できないと言う参入障壁が存在する。政治家に対するタクシー業界のロビー力は物凄いので、未だに日本ではライドシェアが進まないでいる。

★日本の民泊許容値はまだまだ小さい
・・・Airbnbに代表されるルームシェアの民泊は、インバウンド需要が急激に増えたことから日本でも認められたが、まだその許容値は低いと言える。民泊新法が成立して年間営業日数を180日以下にすると言うルールが決まったが、180日は1年の半分しかないので、稼働率50%でいいのかと言う疑問がある。それから、これは飽くまで上限を決めただけなので、自治体の条例でいくらでも日数が削れてしまう。地元の旅館業界が強い所では、これを0日にしてしまう可能性もあるのである。

★JALとANAは一緒になればいい
・・・今や空港も国際競争を余儀なくされており、合理化を図る必要がある。そう言う意味で、2010年以降の、民主党政権のJALの救済は完全に間違っていたと竹中氏は主張。アジアの地域全体でメインキャリアは最終的に、北東アジアで一社、中国の香港で一社、シンガポール・タイ辺りで一社の、三社しか残らないと竹中氏は睨んでいる。そう考えると日本は多過ぎるので、JALとANAを一緒にした方がいい。実際、JALとANAは競争しているように見えて、価格もサービスもほぼ似たものであり、寧ろ談合的な環境にあるのである。


これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。

↓↓↓その他の経済関連の書評は下記リンク先をご参照下さい↓↓↓
【経済本書評】超ネタバレ!経済本100冊読破&書評まとめ


ここから先は

1,394字

¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?