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【経済本100冊】Vol.49:『「逃げ恥」にみる結婚の経済学』(著:白川桃子・是枝俊悟)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、白川桃子・是枝俊悟さんの『「逃げ恥」にみる結婚の経済学』です。

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基本情報

タイトル:「逃げ恥」にみる結婚の経済学
著者名:白川桃子・是枝俊悟
初版発行年月:2017年10月
ページ数(大体):約230pg
難易度所感〈五段階〉:★★★ ほどよい


大和の適当あらすじ

結婚の経済的価値や経済的問題を、人気ドラマ「逃げ恥」と絡めて、因数分解して提示してくれる本。


全体の感想

僕は「逃げ恥」と言うドラマは観たことが無いですが、今時の結婚の経済的問題を様々に分解して解説してくれているので、非常に分かりやすく、面白かったです。ドラマのストーリーにはそれ程触れてはいないので、ドラマを観てない人でも楽しめますし、逆にドラマにハマってた人からすると、余りに真面目な経済の本なので、少し物足りなく感じてしまうかも知れません(笑)

全体的に、結婚生活をする女性の大変さにフォーカスされているので、女性の人はこの本を読むと溜飲が下がるんじゃないかと思います。働き方改革で仕事の在り方も多様化していますが、家族や結婚の在り方も多様化して行くんだろうなぁと、この本を読んでしみじみ思いました。

唯、一つ疑問に感じたのは、この本での主婦の家事労働の収入換算がやたら高いなと言う点です。平均賃金をもとに機会費用法で計算したとのことですが、平均収入は高所得層がかなり押し上げている面もあるので、それをそのまま収入換算の計算に入れると、かなり高めになってしまうのでは無いかなと、僕は思いました。勿論主婦の人がかなり頑張っていることは重々承知しているんで、それを否定したい訳では無いですけどね(汗)


大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >

★機会費用で考えれば、主婦の月収は19・4万円
★同居すると規模の経済が働く
★法律上の結婚なら貯蓄の半分は妻のもの
★男性不況の時代
★専業主婦が憧れのポジションに
★フランスでは、仕事・パートナーシップ・出産を分解している
★結婚は、協働でスケールメリットを活かす生存戦略
★日本の税制は共働き有利
★専業主婦は実はブラックな長時間労働
★日本の「お父さんはおこづかい制」は世界でも珍しい


< 各詳細 >

★機会費用で考えれば、主婦の月収は19・4万円
・・・「機会費用」とは、現実に支払った費用では無く、「機会」を失ったことによって得られなくなった収入の金額を意味する。結婚して女性が家事を行うと言うことは、その時間の分だけ別の仕事ができなくなることを意味するので、主婦労働の価値を計算する際には、「機会費用」の考えから、家事を行う時間だけ外で働いた場合に得られたであろう収入を用いれば良い。例えば、政府の報告書(2013年版)では、日本の女性全体の平均の1時間当たり賃金は1383円とされる。主婦の家事労働時間を1日7時間として土日祝日を除くと、ひと月当たりの主婦の月収は、140時間(7時間×20日)×時給1383円=19・4万円となるのである

★同居すると規模の経済が働く
・・・経済学では一般的に、世帯人数が多くなる程「規模の経済」が働いて、同じ位の豊かさを実現する為に必要な一人当たりの生活費がより少なくて済むものと考えられている。これは、小さな工場で少量生産するよりも、大きな工場で大量生産する方が、製品1個当たりに必要な材料費や機械の維持費が少なくて済むのと同じである。なので、結婚すると一人当たりの生活費について「規模の経済」が働く面がある。但し、単に一緒に暮らすだけでも同様のメリットが得られるので、単純に同居で規模の経済が得たいのであれば、結婚よりも多人数でのルームシェアの方がもっとお得になると言える。

★法律上の結婚なら貯蓄の半分は妻のもの
・・・「契約結婚」は、契約が切れたら終わりの不安定な関係であるが、「法律上の結婚」は原則として関係が死ぬまで続くことを前提としている。その為、夫婦で作った貯金はいつかは使うことが想定され、その半分は自分のものと捉えることができる。また、もし離婚することになっても、夫婦の間に蓄えた財産の半分は妻の貢献分として財産分与の対象となる。従って、夫婦関係を続けるにせよ、最終的に別れるにせよ、「法律上の結婚」をした場合、家計の黒字の半分は妻のものと言える訳である

★男性不況の時代
・・・「お金が無いから結婚できない」と言う若者の声をよく聞く。これを情けないと言う親世代の人がいるが、今と昔では時代が異なる。例えば、産業構造の変化による「男性不況」問題が挙げられる。日本では1997年から「男性不況」が起きており、男性が稼げなくなっている。今はサービス業の割合が8割と、筋肉量の大きい男性が稼げる構造では無くなり、また、「男性大黒柱型結婚」が崩壊している。昔は、結婚自体が経済的にプラスだったが、今はそうでは無くなっているのである。

★専業主婦が憧れのポジションに
・・・男女雇用機会均等法世代の第一世代には、総合職としてやりがいを持って働く女性の方が圧倒的希少だったので、女性が働くことはカッコいいことだった。しかし今の時代は女性も働くことがデフォルトで、憧れの対象では無くなり、逆に働かなくても暮らして行ける専業主婦と言うポジションの希少性が高まり、憧れの対象となっている。生涯未婚率や離婚率を見てみると、4人に1人の女性が、50歳時点で自分が稼いでいないとならないのが現実である。


これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。


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