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【経済本100冊】Vol.28:『2時間でわかる政治経済のルール』(著:倉山満)のあらすじ


こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。

経済本100冊読破タイトル作成


今回ご紹介するのは、倉山満さんの『2時間でわかる政治経済のルール』です。

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基本情報

タイトル:2時間でわかる政治経済のルール
著者名:倉山満
初版発行年月:2019年2月
ページ数(大体):約210pg
難易度所感〈五段階〉:★★★ ほどよい

大和の適当あらすじ

くららが政治経済の本質と裏側を素人にも分かるようにかいつまんで説明してくれる本。


全体の感想

倉山満さんは豊富な知識と鋭い国政分析、歯に衣着せぬ物言いが魅力の憲政史研究者ですが、この本では誰もがこれさえ知っておけば「経済評論家」を名乗っていいと言うような、政治経済の分析のポイントを惜しみなく提示してくれています。

全体としては経済の解説本と言うより、国政分析の比重が大きいですが、ここではその中で経済に関する所の学びポイントだけをピックアップしました。

基本的には量的緩和政策支持派で、貨幣数量説の考えに基づいていますが、僕もこの本を読んで、量的緩和・貨幣数量説寄りの考えになりました。この本では明確に触れてはいませんが、考え方自体は最近話題のMMTにも近いような気がします。


大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >

★経済を体温で言えばマイルドインフレは平熱
★経済を体温で言えば悪性インフレは高熱
★マイルドインフレと悪性インフレの境目は13%
★デフレに良いデフレは無い
★ディスインフレ政策とデフレ政策は異なる
★デフレでは働いたら負け
★政府はお札を刷って借金を返してもいい
★インフレターゲットがデフレ解消に最も効果的
★速水・福井・白川日銀総裁時には金融緩和をしない方針だった
★消費増税がインフレターゲットの効果を打ち消してしまう
★消費税増税は財務省が推奨している
★白川日銀総裁の責任転嫁理論


< 各詳細 >


★経済を体温で言えばマイルドインフレは平熱
・・・経済を人間の体温に例えるなら、インフレが高温デフレが低体温である平熱に当たる経済用語はマイルドインフレに相当する。マイルドインフレは凡そ2~4%の物価上昇率のことを言う。主要国では大体2~3%の物価上昇率を保っているが、日本のようにゼロ近辺で地を這っている国はいない。「日本は成熟した社会だから、もう成長しない」と主張する人もいるが、基本的に2~3%程度の成長なら日本でも可能なのである


★経済を体温で言えば悪性インフレは高熱
・・・経済を体温で言えば、高熱に相当するのは悪性インフレである。日本人に分かりやすいのは戦後間もないハイパーインフレで、1947年のインフレ率は125%。これは1年で物価が倍以上になったことを意味する。しかし若田部昌澄・日本銀行副総裁によると、戦後日本はハイパーインフレではないそうである。ハイパーインフレの学術的定義は物価上昇率が月率50%以上の状態を指し、戦後日本は月率4.9%、年率59%なので、「ハイパー」程では無いと言うのである。唯、これはハイパーインフレでは無くても、悪性インフレと考えて良い。


★マイルドインフレと悪性インフレの境目は13%
・・・日本の高度経済成長期の成長率は高めの数字で13%程度。1960年からの7年間で日本人の給与が2倍になった、月給倍増の時代である。毎年7%以上ずつ年収が上がれば、10年で年収は倍になる。これがマイルドインフレと悪性インフレの境目の目安である。成長率は7~13%が目安で、発展途上国でも13%を超えれば悪性インフレである。逆に、デフレは物価上昇率が2%を切った状態である


★デフレに良いデフレは無い
・・・インフレには良いインフレと悪いインフレがあり、前者はマイルドインフレ、後者は悪性インフレである。しかしデフレは全部が悪性であり、良いものは無い。体温で言えば35度以下の状態であり、このままだと死んでしまうことになる。デフレではモノが余り、お金の流通量の少ない状態であるが、個人では節約は美徳でも、一国の政府が節約を趣味にしてはいけない。政府はお金を使ってインフレ政策をするべきなのである。


★ディスインフレ政策とデフレ政策は異なる
・・・政府は大いにインフレ政策をするべきだが、勿論景気が過熱し過ぎた時は、それを抑制するべきである。これをインフレを抑制すると言う意味で「ディスインフレ」と言う。似たような言葉に「デフレ政策」があるが、「ディスインフレ政策」と「デフレ政策」は異なる。ディスインフレ政策は体温で言えば、38度を超した時に下げることであり、デフレ政策は35度以下に落とすことである。そして基本的に政府はデフレ政策を行ってはいけないのである


これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。

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