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【経済本100冊】Vol.87:『電波利権』(著:池田信夫)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、池田信夫さんの『電波利権』です。

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基本情報

タイトル:電波利権
著者名:池田信夫
初版発行年月:2006年1月
ページ数(大体):約180pg
難易度所感〈五段階〉:★★★★ ややムズい


大和の適当あらすじ

IP時代に、電波の規制や割り当て制は時代遅れだよねと言うことを論じる本。

全体の感想

著者の池田さんは、分かりやすい経済解説本も書けるエコノミストですが、本書はやや専門的な内容で、小難しいなと言う印象です。プロフィールを見ると、NHKに入ったことがあるみたいなので、かつてのNHK職員がNHKの批判をしていると言う意味では、N国党の立花さんとは違った説得力を感じます(笑) 僕自身はと言うと、そもそもテレビを余り見ないので、テレビに関してはあっても無くてもいいみたいな感じなのですが、一言で言うとどれも似たような内容で、余り面白く無いなと言う印象です。電波を解放してこの状態が変わるのであれば、是非共政府には電波を解放して欲しいなと思います。ちなみにこの本はNHKに特にフォーカスされてましたが、広告料で無料放送している民放については言及が少なかったので、そこがもう一つ物足りない所ですね。

大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >


★電波の希少性を生み出しているのは政府
★公共放送は最早必要ない
★NHKのスクランブル放送は技術的に可能
★NHKの有料放送化は民営化を意味する
★NHKを有料放送化しても番組の質は落ちない
★NHKのニュース部門は非営利組織にすれば良い
★ロナルド・コースの電波オークションの提案
★アメリカの携帯電話オークションの成功
★ヨーロッパの電波オークションの失敗
★日本の無線通信は社会主義的
★ソフトバンクは日本の電波社会主義に異議申し立て
★電波を政治から解放せよ

< 各詳細 >

★電波の希少性を生み出しているのは政府
・・・現在の電波政策の最大の問題は、そもそもオークションすべき帯域がほとんど残っていないことである。電波の再配分は、通常は政府が既存の事業者を立ち退かせて行う為、長期間を要するのが普通である。周波数は特定の事業者の特定の用途に割り当てられている為、他の用途に転用することはできず、帯域が空いていても他の事業者がそれを使うことはできない。電波は本来無限であり、確かに周波数だけを見ると有限のようにも見えるが、周波数は、情報を信号に変換する時に使われるパラメータの一種に過ぎず、他にも色々変換方法はあるのである。結局、希少性を作り出しているのは政府の規制なのである

★公共放送は最早必要ない
・・・今時、テレビだけで5波(総合・教育・衛星第1・第2・BSハイビジョン)も持つ巨大な「公共放送」が、現代に必要なのかどうか疑問である。戦後間もなくの、情報を入手する手段が限られていた時代なら兎も角、現在のように映像・音楽も含めてあらゆる種類の情報が容易に入手可能な時代に、全国民に受信契約の義務を課す必要はあるのだろうか。既に通信の世界では、NTTは全国民のインフラでは無くなっている。現代の多様化した時代に、標準的な情報とか中立的な情報とかを求めることが無理なのである


★NHKのスクランブル放送は技術的に可能
・・・NHKが国民全員を対象とするメディアとされたのは、電波を特定の人に対して止めることができなかったからである。しかしデジタル化によって、映像信号は全て暗号化(スクランブル)して放送され、受像機側のB-CASカードと言うデコーダーによって複合化する仕組みが取られるようになった。今の所、この複合化は無料だが、これを有料化して「視聴料」を払わないと放送が見られないようにすることはできる

★NHKの有料放送化は民営化を意味する
・・・NHKが視聴料に切り替えない最大の理由は、これによって料金の不払いに合法的な理由ができ、大きな減収になると考えているからである。しかし、NHKの受信料を視聴料に変えることは、現行の受信料制度の手直しには留まらない。これはNHKをWOWWOWやスカパーと同じ有料放送にすることであり、NHKの民営化を意味するからである。NHKを見るか見ないかは視聴者の自由だから、受信契約を義務付ける必要も無いし、予算に国会の承認を得る必要も無い。従って、NHKだけを特別扱いする放送法は改正する必要があるのである。


★NHKを有料放送化しても番組の質は落ちない
・・・NHKを有料放送にすると、集客の為に番組の質が落ちると言う心配もあるかも知れないが、その最大の反証はNHKの衛星放送である。衛星受信料は事実上の視聴料だが、それによって番組の質が落ちたと言う話は聞かない。民放の番組の質が低いのは、それが無料放送で広告収入に依存する特殊なビジネスモデルの為である。無料放送だから、番組の価値についての評価は反映されず、ただ漫然と長時間見られる番組の視聴率が高くなる。しかもチャンネルの数が少ないから、万人好みのスポーツや芸能に話題が偏ってしまうのである。


★NHKのニュース部門は非営利組織にすれば良い
・・・ニュースについては、NHKを株式会社にすると政府の影響は排除できても、「商業化」して質が落ちると言う懸念はあるかも知れない。ならば一定の「公共性」を担保するには、総合テレビは24時間ニュース専門の「新NHK」にして、アメリカのPBS(公共放送局)のような非営利組織(NPO)にすることが考えられる。それ以外のチャンネルはオークションで民間に売却し、その売却代金の一部を新NHKの基本財産とすれば良い。新NHKの経営主体は、政府の監督する特殊法人のような方式では無く、NPO法人のような民間団体が望ましい。かつての「放送委員会」のように、民間人が立候補して視聴者総会で選ぶと言う方法も考えられる。


これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。

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