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【経済本100冊】Vol.39:『日本進化論』(著:落合陽一)のあらすじ


こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、落合陽一さんの『日本進化論』です。

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基本情報

タイトル:日本進化論
著者名:落合陽一
初版発行年月:2019年1月
ページ数(大体):約240pg
難易度所感〈五段階〉:★★★ ほどよい

大和の適当あらすじ

少子高齢化による様々な政治経済の問題は、テクノロジーの進展と活用で解決可能何だよと言うことを教えてくれる本。


全体の感想

落合陽一さんの著書は他に『日本再興戦略』が有名ですが、この本はその『日本再興戦略』を、より具体的な政治経済の様々なテーマ毎に展開した本と言えます。全体的に教育・子育て・運動等、人生のライフプランに絡んだテーマが多かったものの、ここでは特に経済色の強いトピックからの学びポイントをピックアップ。大体解決策は一貫してAI化・IT化による多様化でしたが、所々、マーケティングにも絡んだポイントがあったのは興味深かったです。

唯、テーマによっては対策案が抽象化してふわっとしたものが多々あったので、そこが何か個人的にはもやっとする感じですね。テーマ自体は具体的何ですが、深く突っ込んだものと言うよりは、広く浅く平易に、日本が向かうべき方向性の概論を述べた本と言えるでしょう。注釈の多い『日本再興戦略』と比べると断然読みやすいので、落合陽一さんの入門書としてはオススメです。

ちなみに、この本ではグラフィックレコーディングと言う、要するにイラスト図解で述べたことをまとめると言う試みを紹介していますが、個人的にはそこまで見やすく分かり良いものに感じなかったので、普通にキーワードを淡々と箇条書きにしてくれた方がいいなぁ・・・何て思ってしまいました。。。

大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >


★工業社会の最適解としての終身雇用・年功序列
★限界費用ゼロ化が今後のビジネスのポイント
★パーソナルAIによる限界費用ゼロ化
★ビジネスはプラットフォーム化で飛躍的に伸びる
★ネットワークインフラを再活用したSkype
★テレワークで今後は地方の時代になる
★今後はAI+BI的な働き方が進む
★今後はAI+VC的な働き方が進む
★少子高齢化のデンマークが安定成長できる理由
★AI化による財政のマイナス作用


< 各詳細 >


★工業社会の最適解としての終身雇用・年功序列
・・・昭和期から高度成長時代までの、工業を基盤とした社会では、労働者の多くが同一のインフラに乗り、同じ信念を持ち、同じ方向に成長して行くことが、生産の効率化とコスト最小化の為に効果的であった。その為の最適解として生まれたのが「終身雇用」・「年功序列」と言う働き方である。しかし工業化社会から情報化社会に転換したことで、最早この働き方は有効では無くなって来ている。加えて、この制度では社員の年齢が上がる程人件費が増大する為、戦後の若年層が多い時代には問題にはならなかったが、少子高齢化が進む今の社会状況では企業の負担が大きく、維持は難しいだろう

★限界費用ゼロ化が今後のビジネスのポイント
・・・テクノロジーの進化には共通して、「限界費用ゼロ化」の指向性がある。「限界費用」とは、財やサービスをある生産量から一単位多く生産する時に伴うコストのことである。つまり、既に開発や製作が終わっている商品・製品を量産する時にかかる費用である。2000年代以降に急成長した事業の多くは、何等かの方法で限界費用を減らすことに成功していると言う特徴があり、これは今後のビジネスの成否にも関わる重要なポイントである。

★パーソナルAIによる限界費用ゼロ化
・・・現状のAIは、多くの人間が行える技能を代行する形で社会に導入されているが、将来的には、特定の個人の仕事を代替することに特化した「パーソナルAI」が普及するだろう。パーソナルAIは、個人のデータセットから学習し、個人が行う機械的作業を最適化する形で精度を高めて行くことができる。普段私達が手を煩わせている事務処理は、いずれこのパーソナルAIによって代替され、限界費用のゼロ化が実現するだろう


★ビジネスはプラットフォーム化で飛躍的に伸びる
・・・今後のビジネスは、「事業のプラットフォーム化」ができるかに成否がかかって来る。例えば、アップルが発売したiPodは、CDから音楽を取り込んで聴く機械だったが、そこにiTunes Store、AppStoreと言うプラットフォームが追加されたことで、音楽をダウンロードして聴けるようになり、より収益が上がる仕組みになった。プラットフォーム化は顧客を囲い込むだけで無く、家賃や人件費等のコストも削減できる。また、様々な顧客データを自動的に取得できるのも強みである。近年アメリカで、アマゾンやグーグル、YouTube等のプラットフォーム関連の企業が右肩上がりで伸びているのは、こう言った理由によるのである。

★ネットワークインフラを再活用したSkype
・・・既存のネットワークインフラを有効活用することは、ビジネスの限界費用ゼロ化への近道の一つである。例えば、Skypeは電話より高機能であるにも関わらず、通話に費用がかからない。これは、通信網や施設を自前で管理する必要が無く、インターネットにタダ乗りしているからである。その為、基本的なパッケージは無料で提供できるのである。ネットに限らず、電気でも水道でもガスでも、今あるインフラを上手く再活用できれば、そのビジネスは成功しやすいと言える


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