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【経済本100冊】Vol.80:『年収300万円時代を生き抜く経済学』(著:森永卓郎)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、森永卓郎さんの『年収300万円時代を生き抜く経済学』です。

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基本情報

タイトル:年収300万円時代を生き抜く経済学
著者名:森永卓郎
初版発行年月:2003年3月
ページ数(大体):約200pg
難易度所感〈五段階〉:★★★ ほどよい


大和の適当あらすじ

今後は年収300万円時代に突入し、それにはどうするべきかを説いてくれる本。

全体の感想


森永卓郎さんと言うと、テレビ番組でホリエモンと地方創生についての討論で対立してたなーーと言うイメージが僕の中にはあるんですが(笑)、それで保守的で頭が固いのかなと思いきや、かなり柔軟な考え方のできる人だと言うことが本書を読んで分かって、少し好きになりました。本書は小泉政権時代に書かれたものですが、小泉政権の構造改革はデフレを加速させるだけと批判しており、今読むと、成程こう言うことだったのかと物凄く分かる本です。正に20年位経って時代が追い付いたと言う感じです。「今後は格差社会になり、非正規労働も増えるが、それに合わせて働き方ももっと多様になっていいのでは無いか」と提言しています。古い本にも関わらず、今読んで内容がドンピシャなので、森永さんのエコノミストとしての洞察力に脱帽します!


大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >


★デフレを止めるには需要を増やすか、供給を減らすこと
★デフレ期には創造的破壊よりもリフレ政策をするべき
★フリーターの3つのタイプ
★企業間の格差から個人間の所得格差へ
★知的創造社会化で構造的に格差が拡大した
★サラリーマンの格差拡大と沈む中流階級
★普通のサラリーマン人生の縮小
★外資でのステップアップも幻想
★平均的な日本人の生活は平均的なヨーロッパ人よりリッチ
★知的創造社会では「変」が価値になる
★年収300万円時代の防衛策
★老後に必要なのは貯蓄では無く、自分が活躍できる場


< 各詳細 >


★デフレを止めるには需要を増やすか、供給を減らすこと
・・・デフレを止めようと思ったら、GDPギャップを解消する、即ち需給を均衡させなければならない。それには二つの方法がある。一つは需要を増やす方法で、もう一つは供給を減らす方法である。小泉内閣がやろうとしたのは供給を減らす方法だった。供給を減らす最も簡単な方法は、働くのを止めることである。作り過ぎでモノ余りになっているのだから、その分労働時間を短縮すれば良い。勿論自由放任でそうなる訳も無いから、法定労働時間の短縮等、一律にやる必要がある。しかし、小泉内閣が採った供給力削減策は企業を潰すことだった。労働者を企業から解放したが、新たな仕事は見つからず、それが失業の拡大となって現れてしまったのである

★デフレ期には創造的破壊よりもリフレ政策をするべき
・・・デフレが本格化した70年前のアメリカで、経済再生の方法を巡って、二つの議論があった。一つはシュンペーターの「創造的破壊」の理論で、もう一つはフィッシャーの「デッド・デフレーション」の理論である。シュンペーターは、古い体制を破壊すれば、後は自動的に新しいものが生まれると期待した。それに対してフィッシャーは、デフレが起こると物価が下がるのに債務が値下がりしないことから、過剰債務に陥る企業が続出して、経済が縮小してしまうのだから、デフレを止めるのが先決だとして、リフレ政策を主張した。世界恐慌に陥ったアメリカが立ち直る切っ掛けは、創造的破壊では無く、リフレ政策の方だった

★フリーターの3つのタイプ
・・・現在、フリーターには大きく分けて3つのタイプがある。第一は、ミュージシャンや役者等、明確な目標を持っているものの、それでは十分な収入が得られない為に、とりあえずの仕事に就いている「夢追求型」。第二は、正社員になりたくなくて、とりあえず何にも縛られない自由な生活を続けたいと思っている「モラトリアム型」。そして第三は、正社員になりたいと思っているが、就職環境が厳しく、就職できなかった「やむを得ず型」である。2001年の日本労働研究機構の調査では、フリーターの47%はモラトリアム型で、39%がやむを得ず方、14%が夢追求型だった

★企業間の格差から個人間の所得格差へ
・・・日本では、昭和20年代、30年代まで社会の二重構造が大きな問題だと言われていた。それは給料が高くて雇用の安定している大企業の社員と、そうでは無い中小企業社員の間の格差を示していた。この二重構造を解決することが、戦後の長い間、日本の最大の政策課題だと言われて来た。その後、高度成長の過程で人手不足が起こり、中小企業の労働条件が改善されて行った。それにより、二重構造は解消に向かって行ったが、今度は全く形を変えた新しい二重構造、企業規模間と言うより、個人間の所得格差の拡大が起きたのである


★知的創造社会化で構造的に格差が拡大した
・・・個人間の所得格差が拡大した原因の一つは、不況になると弱者が最初に切り捨てられると言う法則の為であり、もう一つは、経済の知的創造社会化、或いは経済のサービス産業化の為である。例えば、第一次産業の商品であるお米や、第二次産業の商品であるお豆腐には、作る人の才能によってそれ程生産額に違いは無い。しかし、第三次産業の商品、例えばデザインや映画制作、小説の執筆と言った知的創造物となると、付加価値に途方も無い格差が付いて来る。知的創造社会化、或いはサービス産業化が進む程、人によって生み出す付加価値が大きく異なるので、構造的に格差が広がって行くのである


★サラリーマンの格差拡大と沈む中流階級
・・・今まで日本人の働き方には大きく分けて二つの選択肢しか無かった。一つはパート、アルバイト、フリーターと言う形で年収100万円前後の安い賃金で働く働き方である。もう一つは、正社員のサラリーマンになって必死に働いて、年収700万~800万円をもらうという働き方である。この、平均的なサラリーマンが年収700万も800万ももらうと言うこと自体が、世界的な常識からすれば、ある意味異常なことだった。しかし今のサラリーマンにそこまでの年収は無く、今は、1億稼ぐような一部の大金持ちと、年収300万~400万円位の一般サラリーマンと、年収100万円台のフリーター的な人達の三層構造の階級社会になっている


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