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【経済本100冊】Vol.94:『建設業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(著:阿部守)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、阿部守さんの『建設業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』です。

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基本情報

タイトル:建設業界の動向とカラクリがよ~くわかる本
著者名:阿部守
初版発行年月:2016年12月
ページ数(大体):約210pg
難易度所感〈五段階〉:★★★ ほどよい


大和の適当あらすじ

建設業界の仕組みと最近の動向を教えてくれる本。

全体の感想

セミカラーのイラスト入り図解で解説してくれる本です。人気なのか本書は第3版となっています。今後どうすべきかと言う、深く突っ込んだ話こそ無いですが、建設業界について知らない人が、業界について知る為の入門書としては非常にオススメです。建設業界と一口に言っても、色んな業種があるんだなぁと言うことがよく分かりました。よく、建設業界は不況だと言われますが、東日本大震災以降は若干持ち直しているみたいですね。今後は建設業もサービス業化して行く必要があると論じられてますが、その為の具体的なアイデアが書かれてないのが残念な所です。

大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >


★二種類の建設投資
★東日本大震災後は建設投資は回復基調
★減って来た建設業の倒産
★女性の活躍が期待される建設業界
★建設業での女性活躍へのハードル
★日本の高度成長に貢献した建設業
★公共投資への依存度が高い地方圏
★地域建設業の役割
★雇用条件が不安定で、客観的評価の難しい建設業
★元請け業者が強くなりがちの建設業
★労働集約的産業である建設業の問題点
★待ちの姿勢の建設業
★建設サービス業の時代へ


< 各詳細 >

★二種類の建設投資
・・・建設投資には大きく分けて、「政府投資」と「民間投資」の二つがある。政府投資は公共事業の土木工事が中心で、民間投資は住宅やビルの建築工事が中心である。建設投資はバブル期に民間建設投資が急増し、建設投資額が大きく伸びた。その後のバブル崩壊後に民間建設投資の落ち込みをカバーしたのが政府投資である。政府投資は、建設業に雇用の受け皿としての機能も期待され、建設投資を下支えした。しかし、それも長くは続けられず、建設投資額は急減した。


★東日本大震災後は建設投資は回復基調
・・・バブル崩壊後、不況に伴い、不要不急の建設工事は計画されなくなり、「構造改革なくして景気回復なし」の掛け声の下に公共事業も削減された。日本社会のインフラ整備が進んだことで、これまでの「兎に角建設する」から「ニーズに応じて必要なものを建設する社会」に変わった。しかし2011年からは東日本大震災の復興、台風・土砂災害等の復旧や災害対応により政府投資が増加。民間投資においても企業収益の回復による設備更新需要の増大によって、建設投資額は回復基調にある。ようやく、建設業界は明るさを取り戻している。

★減って来た建設業の倒産
・・・全産業の倒産件数の内、建設業の占める割合は30%程度の高水準で推移して来た。その後、災害復興の為の公共投資や景気回復による民間投資の増加により、倒産件数が減少し、2015年には19%程度にまで低下した。倒産件数の多かった時期は、競争により地方中堅建設会社の淘汰が進んだ。建設会社の倒産が続くと、良質な社会資本の整備や地域経済・雇用に大きな影響を及ぼすので、国土交通省は、全国の地方銀行と連携して、中小建設会社の再生・再編や転廃業を促す支援を行って来た。最近は建設業界の好転により、雇用環境の整備や人材育成の支援に比重が移って来ている

★女性の活躍が期待される建設業界
・・・建設投資の回復により、女性の活躍に期待が寄せられている。建設業界は男女問わず活躍できる業界である。例えば造園やリフォーム等では、女性の感性や洗練されたデザインセンスを求められる現場が多くある。また、生活者目線や会話力等のコミュニケーション能力が求められる職種等、女性がより力を発揮できる場面が多くある。女性の活躍により、現場に明るさや潤いが生まれ、業界全体の活性化に繋がることが期待されている。最近では、大手建設会社の新卒技術者の約1割が女性となっている


★建設業での女性活躍へのハードル
・・・女性が建設業界で働く上での多くのハードルがある。例えばトイレや更衣室、休憩所、洗面所やシャワー等の改善、そして、子育てに配慮した勤務体系等の問題である。管理職や現場従事者との適切な接し方、キャリアパスが見えにくいこと等も入職への不安となる。このような問題を解決する為に、国土交通省と建設業五団体は、「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」を策定した。高校や大学で建築や土木を学んだ女性が安心して入職でき、定着し、そして活躍できる業界作りを目指している所である。

★日本の高度成長に貢献した建設業
・・・戦後の日本の復興は、壊滅した社会基盤の整備から始まった。新幹線や高速道路、トンネルや長大橋等、日本発展のシンボルとなる建設構造物が多く製造され、日本の発展と共に建設業界も成長して来た。日本は国土の均衡ある発展を目指し、中央で集めた富を公共事業として地方に分配することで地方の経済発展をもたらした。そして、全国の建設会社もまた、その恩恵を受けて発展して来た。その結果、1990年代には、建設投資額はGDPの18%を占め、建設業就業者数も全産業の10%を超える等、建設業は日本の基幹産業に発展したのである。


★公共投資への依存度が高い地方圏
・・・地域の公共事業は、元々過疎地域の崩壊を防ぎ、農業だけでは自立できず出稼ぎに行かなければならない地方に社会基盤を整備し、その施設を使って雇用を生み出すのが目的だった。国土の均衡ある発展を目指して、各地で公共事業が行われたのである。地域を豊かにする為の社会基盤整備だった筈の公共事業だが、地域の将来ビジョンを描かずに工事を続けた為、いつの間にか不況対策や雇用確保の為の建設工事になってしまった。地方には、仕事は役場と農業と建設業しかないと言う地域が沢山あり、地方圏では、都市部に比べて公共投資への依存度が非常に高い水準にある


これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。


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