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【経済本100冊】Vol.12:『ど素人でもわかる経済学の本』(著:崔真淑)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成


こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、崔真淑さんの『ど素人でもわかる経済学の本』です。

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基本情報

タイトル: ど素人でもわかる経済学の本
著者名:崔真淑
初版発行年月:2019年8月
ページ数(大体):約210pg
難易度所感〈五段階〉:★★★ ほどよい


大和の適当あらすじ


経済を読み解く為の様々な経済学のポイントを各テーマ毎に提示してくれるビギナー向けの本。


全体の感想


非常に分かりやすく、親切設計の本です。興味深いのは、マクロ経済学やミクロ経済学、行動経済学や計量経済学等、主要経済学毎に章が分かれていて、各経済学の視点や重要概念が学べる所です。それぞれ分厚い1冊の本になり得る内容の筈ですが、そこの所のエッセンスだけをピックアップしてあるので、忙しいビジネスパーソンがさらっと各経済学のポイントを齧るのに向いています。あとAIや巨大デジタル企業の躍進等、最近の気になるトレンドもきちんと押さえています。いかにも学者的な中立的な視点で割と書かれているので、万人向けとも言えるでしょう♪


大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >

★経済学はお金の為の学問では無い
★経営陣が危ない会社の見分け方
★債権価格と利回りは逆の関係にある
★代替財と補完財
★グローバル化のいい点・悪い点
★地方と都市の格差神話の真実
★コインチェック事件の反省
★ルーカス批判⇒人が経済政策通りに動くとは限らない
★期待効用理論と矛盾する「アレのパラドクス」
★データ分析の伝家の宝刀「OLS(最小二乗法)」
★統計学と計量経済学の違い
★GAFAが経済学者を大量採用している理由

< 各詳細 >


★経済学はお金の為の学問では無い
・・・経済学とは「お金の為の学問」では無く、「限りあるモノの効率的な分配を考える学問」である。しばしば経済学は「机上の空論で役に立たない」と批判され、その理由として最大限利益を追求する「合理的な人間」を仮定していることが挙げられる。勿論現実には合理的な人間はそういないが、経済学がこれを前提とする理由は、「因果関係をシンプルに捉え直して仮説を作り、議論の軸を作る為」である。「合理的な人間」と言う軸が1本あることで、実際の人間との差も観察・考察することが可能となるのである。


★経営陣が危ない会社の見分け方
・・・経営陣のモラル・ハザードを防ぐ為に社外取締役が注目されている。しかし注意なのは、社外取締役は経営陣の人脈を通じて選ばれることが多い点である。その為、経営陣につい取り入ってしまう可能性がある。上場企業は「コーポレート・ガバナンス報告書」を発行しており、コーポレート・ガバナンスの各原則に沿った情報開示を見ることで、社外取締役の考え方も知ることができる。経営陣がヤバいかヤバくないかを見る指標としては重要である。

★債権価格と利回りは逆の関係にある
・・・債権は借金の証書のようなものだが、途中換金ができる為、それを売買する市場が存在する。債権の購入者は利子をもらう権利も獲得できる。そうなると損得勘定では少し複雑になる。額面100円、利回り5%の債権があったとする。これは100円に対して5円の利子が付くと言うことである。さて、市場価格は95円に減ったり105円に増えたりする可能性があるとする。いくらで売買されようと、この債権に5円の利子が付くことに変わりが無いが、95円と安く入手できた場合、5円の利子は利回りでは5.3%上がったことになる。105円と高く入手した場合は、5円の利子は利回りでは4.8%に下がったことになる。つまり、債券価格と利回りは逆の関係にあるのであり、債券について考えるポイントの一つとなる。


★代替財と補完財
・・・コーヒーが無ければ紅茶でいい、と言うような代替となるようなモノを「代替財」と言う。一方、コーヒーとクリームミルク・砂糖のような、お互いを補うのが「補完財」である。ビジネスでは、自社製品が他社製品に代替されないかを考慮することは大事である。

★グローバル化のいい点・悪い点
・・・経済のグローバル化の良い点は、様々な知識層の交流によってイノベーションが起きやすく、それによる経済成長で所得レベルが底上げすることである。負の側面としては、格差がより際立って行く点や、金融ショックや災害によるショックが、ネットやグローバル・サプライ・チェーンを通じスピーディー且つ増幅して伝わってしまいがちな点が挙げられる。しかしグローバル化で各国の所得が増えることは理論的に明らかなので、関税をかける保護貿易は根本的な対策にはなり得ない。

★地方と都市の格差神話の真実
・・・47都道府県別の生産性(R-JIP)データベースを使った生産性ランキングによると、2010年に東京が1位になっている。1970年は東京は4位で1位神奈川、2位千葉、3位大阪だった。1970年頃は「資本装備率の高さ=生産性」だった為、工場集積地域がトップだったが、2010年の東京が1位となっている要因は、労働力の質や技術進歩・効率化を表す「TFP(全要素生産性)」である。つまり、モノづくりよりも人間のイノベーションやソフトパワーが生産性を上げるようになって来ているのである。


これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。

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