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【経済本100冊】Vol.75:『世界が日本経済をうらやむ日』(著:浜田宏一)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、浜田宏一さんの『世界が日本経済をうらやむ日』です。

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基本情報

タイトル:世界が日本経済をうらやむ日
著者名:浜田宏一
初版発行年月:2015年1月
ページ数(大体):約240pg
難易度所感〈五段階〉:★★★★ ややムズい


大和の適当あらすじ

内閣官房参与の浜田宏一が経済学的にアベノミクスを礼賛する本。


全体の感想

アベノミクスのブレーンと言われる人が書いた本です。共著者が安達誠司さんになってますが、対談での引き出し役に留まっているので、ほぼほぼ浜田宏一さんの著書です。途中まで平易何ですが、途中から経済学の詳細な話になると一気に難しくなるので、そこが注意です。一貫して金融緩和政策と規制緩和の重要性を訴えており、しかも両政策には適切な実施順番があると解説しています。成長戦略の重要性も説いていますが、「成長戦略=規制緩和」と言う認識であり、且つ成長戦略はデフレ・ギャップが解消してから実施するべきと言う考えなので、実質的には現代的な貨幣数量説に立つリフレ派と言って良いでしょう。

大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >


★不況には二種類ある
★アベノミクスの各政策の関係
★今の成長戦略は民間活動を極力阻害しない規制緩和がベスト
★成長戦略を成功させるには抵抗勢力の排除が必要
★アベノミクスの金融緩和政策の実施は上々
★変動為替相場制下では、財政政策の効果は限定的である
★普通財の取引は自由市場に任せた方が良い
★順番としては先ず金融政策、その次に成長戦略
★成長戦略≠産業政策
★構造改革至上主義が不況を長引かせた


< 各詳細 >


★不況には二種類ある
・・・不況には二種類ある。一つは、日本経済に底力はあるが、何等かの理由で総需要が不足し、日本がその底力(生産能力)を発揮できず、現実の実質GDP成長率が低下して起こる不況である。もう一つは、日本の供給能力(モノを生み出す力)が低下する等、供給面の制約から日本経済の底力(潜在成長力=生産能力)が低下してしまい、その為に現実の実質GDP成長率も低下して起こる不況である。これは経済停滞と呼ばれる現象である。前者は本来の底力を発揮できれば景気を短期間で回復させることができるが、後者は底力自体が無いので、短期的には打つ手がない。


★アベノミクスの各政策の関係
・・・アベノミクスの政策の内、金融緩和政策と財政政策が、短期的な景気回復策であるのに対し、成長戦略は日本経済の底力を引き上げる為の中・長期的な視野に立った政策である、と言う違いがある。メディアの多くは、この3つの政策の関係を理解しないまま、どの政策をより重視すべきかばかりを報道していたので、国民はいつまでも混乱したままだったのである。また、成長戦略とは具体的には、民間設備投資、技術革新、自由貿易の促進、そして実効法人税率引き下げ等の構造改革が挙げられる。

★今の成長戦略は民間活動を極力阻害しない規制緩和がベスト
・・・日本の産業が世界の技術フロンティアの上に立つ今、政府が成長産業を育成すると言うような、昔の産業政策を繰り返す余地は無い。寧ろ今の政府に必要なのは、民間企業の活動を阻害しないよう、様々な規制を撤廃する「規制緩和」を着々と実現して行くことである。しかし、成長戦略として最も有効な具体的手段である規制緩和を実現するには、規制によって利益や権威にあずかっている公務員・官僚の手を借りなければならない。官僚の利益を官僚によって狭めて行くと言う困難な道筋を、規制緩和政策は辿らなくてはならないのである

★成長戦略を成功させるには抵抗勢力の排除が必要
・・・実質GDPが潜在GDPの天井に届く所まで成長している時は、ヒトとモノがフル稼働している為、失業率は限界まで低くなる。その状態を「経済学」では「完全雇用」と呼ぶが、完全雇用に近くなった日本経済に「成長戦略」は不可欠である。アベノミクスの第一の矢、第二の矢である金融緩和政策・財政政策は理論通りに行えば、その効果を遺憾なく発揮できるが、第三の矢の成長戦略を成功させるには、政府が官僚その他の抵抗勢力を断固としてはねのけるガッツが必要である

★アベノミクスの金融緩和政策の実施は上々
・・・アベノミクスの金融緩和政策は、ゼロ金利政策、量的緩和政策、インフレ目標政策の3本柱によって、民間のデフレ予想をインフレ予想に大きく転換させるものである。そして、家計と企業が、先ずは資金残高を取り崩すことで経済取引が活発になり、景気が上向く。その結果、企業が資金不足になる為、銀行貸し出しも増え、景気は更に回復すると言う訳である。これまでの所、アベノミクスの金融緩和政策はマクロ経済学の原理そのままに働いており、敢えて評価するとしたら「A」「A+」をあげてもいい位である。


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