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【経済本100冊】Vol.65:『略奪大国』(著:ジェームス・スキナー)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、ジェームス・スキナーさんの『略奪大国』です。

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基本情報

タイトル:略奪大国
著者名:ジェームス・スキナー
初版発行年月:2011年12月
ページ数(大体):約240pg
難易度所感〈五段階〉:★★★ ほどよい

大和の適当あらすじ

大きな政府とは実態経済に対する略奪であるとしてバッシングする本。


全体の感想

巷によく「日本経済の崩壊」を煽る本が定期的に出ますが、これもその類の本です。ジェームス・スキナーさんと言うと経済学者と言うよりも、お金とか起業に関する自己啓発の人と言う認識でしたが、こう言ったマクロ経済に関する評論も書くんだなぁと思いました。

全体的には小さな政府、経済の自由度を尊重する姿勢で、特に国債の発行はたとえ1円であっても市場経済を歪めるとして激しく批判しています。この本の初版は2011年で、「あと4年で破綻する」と言っていますが、今日でも日本経済は借金大国のまま破綻してないので、眉唾かなぁ…何て思ってしまいます。

あと政府の権限を小さして自由経済を放置すると、今度は却って企業間格差が広がって、大企業による略奪が起こると言うことにもなりかねないので(笑)、格差が広がる今日の経済状況においては、スキナーさんの経済観は余りマッチしてない感じがしますけどね。

大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >

★政府は何もできず、全ては実態経済の力である
★資本主義は余剰を資本に投入する思考とシステム
★お金とは創造した価値を情報化したものである
★生産性の向上とマネーサプライが経済に奇跡を起こす
★インフレもデフレも起きないようにするのが政府の仕事
★治安以外のことをすると政府は大略奪を始める
★インフレは総金融資産税
★国債発行は政府による金融詐欺
★政府の利用するお金は、継続的な経済繁栄をもたらさない
★日本は借金中毒国家
★日本の国債はネズミ講

< 各詳細 >

★政府は何もできず、全ては実態経済の力である
・・・経済とは人間の生活のことである。生活に必要なものは全て、民間企業の生産活動によって作られており、政府は基本的に何もできない。政府が道路を作ろうと思ったら、企業からもらった資金で企業に依頼をして作ってもらうのである。なので政府は何もできず、全てが実態経済の力なのである。生産活動の合計金額が国内総生産(GDP)であり、経済成長を把握する為の基礎的な指標である。そして人は、創造してしていない価値を消費することはできない。なので、国内総生産(GDP)が成長すれば、国民生活は豊かになる。国民生活を豊かにするには元手となる資本金が必要で、これによるテコ効果を理解した制度を「資本主義」と言うのである


★資本主義は余剰を資本に投入する思考とシステム
・・・「資本主義」とは、社会に余剰が出た時に、その余剰金を会社の資本に投入し、更に経済を豊かにして行くと言う主義・思想であり、それを可能にする為のシステムである。対して、社会主義と言うのは、社会に余剰が出た時、それを社会保障に回すと言う思想である。よって、資本主義国家では、会社に利益が出た時に、その利益を会社に残し、更に事業拡大をはかる資金にするのである。また、国民の方で貯金ができた時、それは新規事業に投資したり、株式市場に投資したり、また、銀行経由で企業に貸し出し、企業の活動を大きく成長できるようにするのである。
 


★お金とは創造した価値を情報化したものである
・・・お金とは、自分の創造した価値と消費した価値の差額を情報化したものである。価値創造を情報に書き換えることで、先に価値を提供し、後々になって、自分の都合のいい時にその見返りを社会から得られるようになるのである。お金とは、社会が「貴方の提供した価値と同等なものを貴方にあげる」と言う約束なのである。しかし、インフレが起こると、お金の価値自体が目減りするので、この約束が破られることになってしまう。なので、お金に含まれている約束事が成り立つ為には、金利とマネーサプライを上手く管理し、インフレが出ないように調整しなければならない。これは経済における最も基本的な約束事である。


★生産性の向上とマネーサプライが経済に奇跡を起こす
・・・経済を成長させるには、マネーサプライ(流通しているお金の量)を増やす必要がある。そして、インフレを起こすことなく、マネーサプライを増やして経済を成長させるには、生産性を向上すれば良い。生産性を向上させ、同じ価値のものをより安価で提供できるようになると、デフレ(物価水準の下落)が起こる。しかしその時にマネーサプライを増やして金利を引き下げることで、物価水準を維持することができる。これにより、また経済が活性化され、雇用が促進され、国民が消費できる国内総生産が増えて行くのである。これは資本主義の奇跡なのである。


★インフレもデフレも起きないようにするのが政府の仕事
・・・能率向上によるデフレスパイラルが経済における最大の危機であり、マネーサプライを増やすことで回避することができる。そして、一定の価値を維持する通貨を発行し、インフレもデフレも起きないようにすることは、政府と中央銀行の経済における役割なのである。逆に、共産主義や社会主義では、能率を引き上げる動機付けが弱く、したがって経済が成長する道も無く、国民の消費できる物資やサービスがいつまで経っても乏しいままになってしまうのである。


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