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【経済本100冊】Vol.48:『武器になる数学アタマのつくり方』(著:高橋洋一)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、高橋洋一さんの『武器になる数学アタマのつくり方』です。

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基本情報

タイトル:武器になる数学アタマのつくり方
著者名:高橋洋一
初版発行年月:2019年5月
ページ数(大体):約220pg
難易度所感〈五段階〉:★★★ ほどよい


大和の適当あらすじ

会計や統計の考え方を用いて、経済の問題の本質をきちんと捉えようと言うことを教えてくれる本。


全体の感想

ズバリ、経済におけるロジカルシンキングとは何かを教えてくれる本であり、一つ一つの経済の問題を、具体的な数字の計算や言葉の定義をハッキリさせた上で論じてくれるので、雰囲気的な感情論に堕すること無く、終始説得力があります。

本書では、会計脳・統計脳で経済を考える為の様々なツールをテーマ毎に提示してくれており、重要な所は太字で、章の終わりには要点を箇条書きでまとめてくれる等、何気に親切設計な本です。難易度が程よくて、こう言った話は込み入って難しくなりがちなのに、いかに少ないポイントを応用して、多くのことを考えられるかに重点が置かれているので、覚えることがそこまで多くないと言う意味で初心者にも負荷は少なく、且つ実践的なのがいいなと思いました。教えるのが非常に上手い方だなと思います。

全体的に、悲観的と言うよりも楽観的な考え方の人で、歯に衣着せない提言や、俗説がいかにまやかしかをズバズバ論破しまくる辺りは読んでて僕は心地良かったです☆彡


大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >

★政府の借金の額だけ見て批判するのは的外れ
★日本の借金は1000兆円では無く、実質94兆円
★「国債発行額が増えれば増税に繋がる」はミスリーディング
★人口が8800万人にまで減っても、GDPへの影響は0.7%に過ぎない
★人口減少は賃金アップの好機である
★生活必需品と嗜好品・贅沢品の需要曲線
★経済学的には、牛丼チェーンの牛丼は贅沢品に似ている
★マクロ経済とは
★確率の数値を伴わないリスクはリスクでは無い
★AI恐怖論は幻想


< 各詳細 >

★政府の借金の額だけ見て批判するのは的外れ
・・・「日本は1000兆円の借金を背負っている」とよく言われ、問題視されるが、これには色々な嘘がある。先ず知っておかなければいけないのは、企業は負債よりも資産の方が多い程安泰だが、政府の場合は、資産よりも負債の方が少し大きい位が健全であると言うことである。その為、政府には「利益剰余金」と言うものは存在せず、政府のバランスシート(BS)の「純資産」は多くの場合マイナスである。これは世界のどの国も同じことである。だから借金の額だけ見て批判するのは的外れであり、重要なのは負債総額では無く、「資産と負債のバランス」なのである


★日本の借金は1000兆円では無く、実質94兆円
・・・実は政府のBSはネット上に公開されており、誰でも閲覧できるようになっている。平成29年度の日本政府のBSを見ると、負債合計は1238兆円で、資産合計は670兆円である。差額は568兆円であり、よく「借金1000兆円」と騒がれるが、騒ぐ人はこの差額の568兆円が見えていないのである。568兆円は一般人の感覚では途方もない額であるが、政府の話として見れば問題無い額である。更に、政府はグループ企業になっていて、日銀はいわば子会社的な存在である。日銀の国債474兆円はそのまま政府の資産として連結し得るので、それも計算に入れると、差額はマイナス94兆円にまで下がるのである。


★「国債発行額が増えれば増税に繋がる」はミスリーディング
・・・よく、「政府は借金をするな」と言われるが、もし政府が借金をしないと、政府の収入は税金だけになるので、不足分は増税する以外に無いことになる。猶、政府の場合、国債の償還は借り換え債で対応することが原則である。例えば100万円の国債が償還期日を迎えれば、新たに100万円の国債を発行して償還する。これを繰り返すので、実質的に政府は借金を返していないそれでも、経済成長すれば、経済規模との関係で実質的な借金残高は減るので問題ない。なので「国債発行額が増えれば増税に繋がる」と言うのはミスリーディングで、勿論どこまで許容範囲かと言う問題はあるものの、実際は寧ろ借金をしないと増税することになるのである。

★人口が8800万人にまで減っても、GDPへの影響は0.7%に過ぎない
・・・よく、「人口減少で国力が低下する」と騒がれるが、数字の伴わない曖昧な批判が多い。国力はGDPと大いに関係があり、GDPとは、「皆の平均給与×総人口」である。従って、人口が減ればGDPも減るのは当然である。問題はどの位減るかだが、政府の予想では、2065年には総人口が3割減の8800万人になるだろうとされている。高橋氏の計算式によると、人口が8800万人に減少した場合の、GDP成長率にもたらす影響は最大で0.7%であるつまり、人口の増減はマクロ経済指標にはほとんど影響がないのである

★人口減少は賃金アップの好機である
・・・人口減少による人手不足がよく問題視されるが、人手不足は一般の人々にとって必ずしも悪いことでは無い。と言うのは、賃金のアップは大抵人手不足によって生まれるからである。なので今は賃金アップの好機である。また、人口減少により、「労働節約的な技術進歩」つまり従来よりも少ない労働投入量で同一の生産水準を達成する為の技術の向上・AI化や、「知識・技術集約的産業分野への移行」つまり知的生産による業務の割合が大きい産業へのスライドと、その分野への発展が見込めるのである。なので、人口減少による経済縮小は、発想次第で克服が可能なのである。


これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。

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