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【経済本100冊】Vol.13:『今さら聞けない経済教室』(著:池田信夫)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、池田信夫さんの『今さら聞けない経済教室』です。

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基本情報

タイトル: 今さら聞けない経済教室
著者名:池田信夫
初版発行年月:2016年5月
ページ数(大体):約200pg
難易度所感〈五段階〉:★★★★ ややムズイ


大和の適当あらすじ


昨今の日本の経済・雇用等の問題を60のQ&Aに分けて分かりやすく解説してくれた本


全体の感想

帯には「これ以上、やさしくはもう書けません」とありますが、本質的な所まできちんと突っ込もうとしている本の為に、意外とその割に歯応えのある本でした。

経済のテーマと言うと色々ありますが、非正規労働の問題や原発問題、消費税の問題等、日常の身近なもので、切実なものに絞られているなと言う印象でした。なので子供向けと言うよりは全然大人向けの本です。文章自体は平易で、図もなるべく簡単で、大事な所は太線にしてある等、親切設計です。特に巻末に各Q&Aの概要を簡単にまとめてくれているのは、忙しい人にはとてもありがたい筈です。

表面的に読むにはサーッと読めるのですが、所々、日本経済の歪みに関しての著者特有の穿った意見が当然の事実のように差し挟まれるので、よく読もうとすると、そこでちょくちょく引っかかります(笑) 表紙はマイルド何ですが、意外と辛口なのでそこが注意ですね!


大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >

★GDP=国内の付加価値の合計
★日本の経済成長ストップの原因は人口ボーナスが終わったこと
★正社員と言う肩書きがある訳では無い
★デフレである日本特有の理由
★原発再稼働問題で既に使った建設費用は度外視すべき
★同一労働・同一賃金は実質不可能
★法人税は実質二重課税
★消費税は商品の値段全部に税金がかかっている訳では無い。
★都会に出たら勝ち組は最早過去
★軽減税率で格差は是正できない

< 各詳細 >


★GDP=国内の付加価値の合計
・・・GDPとは「日本国内で生み出された付加価値の合計」である。付加価値とは、例えば100円の原価で仕入れた商品を150円で売ると利益が50円、更にその商品を仕入れたお店が250円で売ると利益が100円となり、これらの儲けがそうである。そしてその利益の合計がGDPである。このGDPが1年にどれだけ増えたかを示すのが成長率である。成長率は、物価上昇率を除いた実質ベースで考えるのが基本である。


★日本の経済成長ストップの原因は人口ボーナスが終わったこと
・・・日本の経済成長率は1970年代に下がり始めているが、最大の原因は、労働人口が急激に増える人口ボーナスが終わり、人口の都市集中が終わったことである。更に、「国土の均衡ある発展」を理由に、地方への公共事業の重点投資が行われたことで、労働人口が生産性の低い地方へ分散したことが、日本経済減速の最終的な原因である。GDPの成長率こそ下がったものの、労働生産性(=付加価値÷労働人口)は上がっているので、一人当たり生産性はプラスになっている。労働人口が減っても労働生産性が上がれば成長を続けることはできるので、今後は企業買収やリストラで労働人口を流動化して、生産性を上げて経済を効率化するしかない。

★正社員と言う肩書きがある訳では無い
・・・「正社員」と言う正式な肩書きは実は無いが、「雇用期間に定めの無い社員」のことをそう呼ぶ習慣になっている。雇用期間が決まってないと言うことは、いつクビになってもおかしくないのだが、一応終身雇用が前提になっている。正社員ではないバイトやパート、契約社員等は「非正規労働者」と呼ばれるが、その比率は増え続け、2014年には40%に至っている。契約社員は契約が切れたらクビになり、身分保障が無いので、厚生労働省は「契約社員を5年雇ったら正社員にしなさい」と規制した。しかし4年11か月でクビにすれば法に抵触しないので、逆に5年以内にクビにすることを後押しするような結果になり、沢山のトラブルが起きてしまった。


★デフレである日本特有の理由
・・・日本を含む先進諸国は大体デフレであるが、日本のデフレの最大の原因は名目賃金の低下である。特に日米の名目賃金の差は大きく、この15年で80%以上の差が付いている。原因の一つは非正規労働者の増加によって、時給ベースの賃金が増えたこと。もう一つは中高年社員の賃金抑制である。何故中高年社員が賃下げを受け入れているのかと言うと、雇用を守る為である。産業別に組織化された欧米の労働者と比べ、日本の労働者は「一家」のメンバーだから、会社の収益が悪化したら自分も応分の負担をしようとするのである。これが日本の失業率が3%前後と、主要国中で際立って低い理由である。

★原発再稼働問題で既に使った建設費用は度外視すべき
・・・「原発のコストが高いから稼働するな」と言うのは経済学的には錯覚である。と言うのは、過去に使われてしまって回収できないコストのことを「サンクコスト(埋没費用)」と言い、これはもう無いものとして考えた方がいいから。考慮すべきはこれからの行動で変えられるコストだけであり、原発を建てる費用は既に建物に使われたので、稼働してもしなくても同じである。更に原発を動かしてかかるのはウラン等の燃料と安全管理だけであり、キロワット時当たり1~2円と圧倒的に安い。原発を止めても、その間の浪費コストはいずれ電気代に上乗せされ、値上げしないと電力会社は倒産するので、基本既存の原発は当分動かし続けるしか無いのである。



これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。

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