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【経済本100冊】Vol.82:『日本の大復活はここから始まる!』(著:三橋貴明)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、三橋貴明さんの『日本の大復活はここから始まる!』です。

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基本情報

タイトル:日本の大復活はここから始まる!
著者名:三橋貴明
初版発行年月:2011年4月
ページ数(大体):約220pg
難易度所感〈五段階〉:★★★ ほどよい


大和の適当あらすじ

デフレの今こそ財政投資をガンガンして日本の底力を見せつけてやろうぜってことを熱く語る本。

全体の感想

三橋貴明さんは名前は知ってましたが、著書を読んだのはこれが初めてでした。全体を通した主張としては、日本は経済的に底力があるのだから、デフレである以上、ガンガン国債を発行して、ガンガン財政投資をして早くインフレに持って行こうぜってことを熱く語ってくれています。結構キツい口調ではありますが、それだけに日本は今後どうしたらいいのかのビジョンが明確で、メッセージ性が強いです。

やはり、当たり障りの無いことを言って、実際どうしたらいいのかについてはふわっとしたことしか言わない本と、こう言う辛口・毒舌ながらも、今後どうしたらいいかを様々な事例やデータに基づきながらビシッと言ってくれる本とでは、明らかに後者の方が僕は好きですね。所謂リフレ派の論ですが、TPP反対の主張を除けば、ほぼほぼこの本の言うことは僕は賛成ですね。


大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >

★デフレギャップとは
★デフレギャップの額は後にならないと分からない
★規制緩和と生産性向上はデフレ下では逆効果
★デフレ下ではインフレ率が許す限り国債を発行すればいい
★デフレだから少子化が起こる
★デフレ時こそ公務員を増やした方がいい
★デフレ時に財政出動し切れなかったルーズベルト大統領
★デフレ対策をした高橋是清は国民からは理解されなかった
★独裁政権の方がデフレ脱却しやすい
★日本の輸出の主役は、円高に強い資本財


< 各詳細 >

★デフレギャップとは
・・・潜在的な供給能力(潜在GDP)と現実の需要(実際のGDP)の差を、「GDPギャップ」、「需給ギャップ」、「デフレギャップ」と呼ぶ。現在の日本において、このギャップがいくらなのかについては議論がある。40兆円と言う人もいれば、100兆円と言う説を唱える人もいる。内閣府も試算しており、2010年10~12月期のギャップはマイナス3.8%に拡大したと言う。これを年当たりに換算すると、凡そ20兆円の不足となる。勿論内閣府には計算式やモデルがあり、ギャップの額を弾き出しているのだが、果たしていくらが正解なのかは全く分からない


★デフレギャップの額は後にならないと分からない
・・・デフレギャップの額を確かめる方法は一つしか無い。政府がデフレギャップを埋める為に国債を発行し、財政出動すると金利が上がる。そこで日銀に国債を買い取ってもらうと金利が下がる。代わりに物価が上昇してインフレ率が上がる。その時に初めてギャップが埋まり、デフレギャップの額も分かるのである。つまりは、デフレギャップの額と言うのは、後になってみなければ分からない。デフレの今、デフレギャップがいくらか等と額で考えても分からないので、飽くまでインフレ率だけ見ていれば良いのである


★規制緩和と生産性向上はデフレ下では逆効果
・・・「規制緩和」と「生産性向上」は、美しいイメージのあるフレーズであるが、これらはインフレ対策に他ならず、デフレ対策にはならない。「規制緩和」とは、まともに生産をしていない国営企業を解体したり、法令による規制も緩和して、自由に民間が参入できるようにすることである。これは見方を変えれば、民間の活力を入れることで、供給能力、生産力を高めることに他ならない。ところが今の日本はデフレで供給過多の状態なので、更に供給能力を高めてどうするのだと言う話なのである。また、「生産性向上」は、より少ない人員で沢山のモノが生産できることを意味するので、確実に失職者が増えることになるのである

★デフレ下ではインフレ率が許す限り国債を発行すればいい
・・・デフレは流通するお金の量及び需要が少ないことが原因である。なので、政府は金利水準を見ながら国債を発行して需要を増やせばいい。金利が上がったら、日銀に国債を買い取らせればいい。その上で、物価がある程度まで上昇したら、そこで国債発行と財政支出増加を止めればいい。しっかりお金が回る量を増やせば、解決できる問題なので、インフレ率が許す限り政府がお金を回せばいいのであり、それだけの話なのである。こうした基本的なポイントを疎かにして、「デフレは日本の宿命」等と言う諦めをするのはナンセンスである。


★デフレだから少子化が起こる
・・・少子化だからデフレなのではない。デフレこそが少子化の原因なのである。平均給与水準が下がっている状態で、結婚したり、子供を作ったりする方向に行く訳が無い。デフレさえ脱却できれば人口は勝手に増えて行く。江戸時代の享保の改革時のデフレも大恐慌のアメリカのデフレも、見事に少子化になった。フランスが少子化からの脱却に成功したのは、子供を持つ親への手厚い政策が行われ、功を奏したからだと説明されている。それは確かにその通りだが、大前提としてフランスはデフレでは無かった。現在の日本で同様の政策を行っても少子化は解決できないだろう。


これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。

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