見出し画像

【経済本100冊】Vol.88:『やせる経済学』(著:ロバート・バーネット、クリストファー・ペイン)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、ロバート・バーネット、クリストファー・ペインさんの『やせる経済学』です。

画像2


基本情報

タイトル:やせる経済学
著者名:ロバート・バーネット、クリストファー・ペイン
初版発行年月:2019年6月
ページ数(大体):約300pg
難易度所感〈五段階〉:★★★ ほどよい


大和の適当あらすじ

ダイエットのポイントを経済学の概念に絡めて解説してくれる本。

全体の感想

「ダイエット×経済学」と言うことで、切り口が中々面白いのですが、いかんせん著者が日本人で無いのが残念です。アメリカ人の読者を前提にしているので、ダイエットメニューもアメリカンなものが多いです(笑) また、経済学の概念に絡めてはいますが、飽くまで軽く絡めている程度で、ダイエット法自体は至極当たり前なシンプルなものです。要するに体重をこまめにチェックして、バランスよく食事を取りましょうと言うことです。あと内容が薄い割にページのボリュームが無駄に多いかなと言う気もしますね。書いてあることは王道なので、ここに書いてあることをしっかりインストールして実践すれば、確実に痩せるかと思いますが、恐らくデブな人はズボラな人が多いので、この本を読了すること自体も挫折しそうな気が僕はします!(毒)

大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >


★人間は将来の楽しみより、現在の楽しみに価値を見出す
★人間は欠乏に陥ると理性が鈍る
★開拓期のアメリカ人は朝夕の食事は軽めで、昼食がディナー
★産業革命期のアメリカで、昼食が考案された
★1日3度の食事は近代の産業革命の賜物
★1日3度の食習慣は現代のライフスタイルに合わなくなっている
★肥満は負の外部性
★栄養データの大部分はノイズ
★カロリー計算は計画経済と同様に失敗する
★アップセリングに乗ってはいけない
★食べるものを変えないことが肥満を防ぐ

< 各詳細 >


★人間は将来の楽しみより、現在の楽しみに価値を見出す

・・・何故好景気と不景気、飽食と飢餓の循環があるのか。そのパターンを知りながら、何故私達はそれを繰り返すのか。それは、人間は将来の楽しみよりも、現在の楽しみにずっと多くの価値を見出すからである。体重の問題を抱えている人もこれと同様の間違いを犯しており、今日の選択が明日の健康と幸福に悪い影響を与えることを十分に分かっていながら、過食を続けているのである。歴史の大半において、人間は痩せていた。食べ物を手に入れるのは難しく、日々の活動も過酷だった。しかし現代では大量生産技術によって、食べ物が有り余る程になっている。それでも本能は未だに、目の前のものを食べるようにと告げているのである。

★人間は欠乏に陥ると理性が鈍る
・・・人間は希少性、特に過酷な欠乏を経験すると、間違った、或いは非合理的な意思決定が行われることがよくあることが、行動経済学的に分かっている。ダイエットは欠乏を自ら進んで体験することである。その結果である空腹感のせいで、ダイエット中の人は食べることしか考えられない精神的暗路に追い込まれる。空腹感に襲われて誘惑に負けるのは、空腹が辛いからだけで無く、食べられないと言う経験のせいで思考が鈍るからである。空腹になるとこうした闇に落ち込むので、ダイエット中の人は常に自分自身を監視しなければいけない。そして、毎日体重を量ることこそが、自分自身を上手く管理する為の手段となるのである。


★開拓期のアメリカ人は朝夕の食事は軽めで、昼食がディナー
・・・現代では当たり前とされる1日3度の食事は、昔は当たり前では無かった。アメリカの開拓期の頃、ヨーロッパからアメリカにやって来た開拓者達の食習慣は、中世ヨーロッパの農民と同じようなもので、午後の早い時間に1日の主要な食事を摂り、その残りを朝食または夕食にした。朝食と夕食の役目は、次の主要な食事まで空腹を和らげておくことであり、また、見栄えのいい間食と言えるものだった。主要な食事は正午辺りに摂るので、この食事がディナーと呼ばれ、1日で最も豪華だった。そして朝と夜の食事は軽いものだった。


★産業革命期のアメリカで、昼食が考案された
・・・習慣の変化にはライフスタイルと実用性が反映されている。1800年代後半のアメリカの急速な都市化と工業化、会社の誕生に伴い、労働者が長距離を移動するようになった。住んでいる所の近くに職を見つけると言う何世紀も続いた働き方が崩壊した為、正午のディナーに家族が食卓を囲むことができなくなった。その為、ディナーは家族が1日1回、一緒に食事ができる夕方に変わった。1日の中心となる食事であるディナーが夕方6時頃になった為、昼食と言うものが考え出された。夕食時まで働き続けられるよう、日中の食事が求められたからである。また、それに合わせて昼食を提供するレストラン産業が発達した。


★1日3度の食事は近代の産業革命の賜物
・・・現代の食習慣は、近代都市と工場が出現し、労働者が毎日長距離を移動できるよう交通手段やインフラ網が発展した結果、できあがったものである。第二次産業革命の進行中は、労働者にとって1日3度の食事が適切なものだった。例えば、ヘンリー・フォードの自動車工場を想像してみると良い。労働者は毎日厳しい工程に従うことを要求された。その為、1日3度しっかりした食事をすることは、作業の能率を上げるには不可欠だった。1日3度、充実した食事をする習慣は、産業の効率化と相まって、20世紀に加速度的に広まった。


★1日3度の食習慣は現代のライフスタイルに合わなくなっている
・・・工業が発展するにつれて欧米は裕福になり、ありがたいことに、農業生産も増え続ける人口の需要を満たすよう拡大して行った。私達の文化に深く沁み込んだ食事の習慣は、生産ラインが益々多くの富を生み出す為に、無くてはならないものだった。昔の工場労働者の過酷な肉体労働を考えれば、1日3度しっかり食べるのは、健康に良いことだったと言ってもいいだろう。しかし、今ではサービス部門やオフィスで働いている人の方がずっと多い。昔よりも消費エネルギーがずっと少ないにも関わらず、食品製造技術の進化と所得の増大によって、過食の機会と誘惑がこれまで以上に多く生まれているのである


これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。

↓↓↓その他の経済関連の書評は下記リンク先をご参照下さい↓↓↓
【経済本書評】超ネタバレ!経済本100冊読破&書評まとめ


ここから先は

1,352字

¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?