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【経済本100冊】Vol.4:『お金2.0』(著:佐藤航陽)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成


こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。

こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、佐藤航陽さんの『お金2.0』です。

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基本情報

タイトル:お金2.0
著者名:佐藤航陽
初版発行年月:2017年11月
ページ数(大体):約260pg
難易度所感〈五段階〉:★★ ややカンタン


大和の適当あらすじ


仮想通貨やYouTuber、シェアリングエコノミー等、ITをベースにしたお金の新しい流れをこれまでに無い視点と概念で把握しようとする野心作。


全体の感想

佐藤航陽さんと言う人は僕は余り知らなかったですが、落合陽一さんに通じるようなセンスを感じました。どこかアカデミックな感じがすると言うか、意識高い系の匂いを結構感じます。

本人はそれとは明示してないけども、全体的にシステム理論の考えがベースになっているように思われ、随所にエントロピーやシステム思考等の考えが引用されています。割と僕が好きなジャンルですね!どちらかと言うと哲学的であり抽象的なので、経済の具体的な状況を把握したいと言う方には不向きですが、これまでに無い新しい流れを感じてはいるものの、今一つそれを言語化できなくてもどかしい思いをしている人は、これを読むといいと思います。あとホリエモンの本が好きな人はこの本も多分好きそうな気がします(笑)


大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >

★未来を決める3つのベクトル
★Fintech2.0
★経済とは欲望のネットワーク
★発展する経済システムの5つの要素
★経済に持続性をもたらす2つの要素
★ビットコインの報酬設計の秀逸さ
★経済と自然が共通する同一システム
★分散化する社会
★3種類のトークン
★資本主義から価値主義へ
★評価経済の落とし穴
★営利と非営利の境界線が消える
★時間を通過とする経済システムの実験
★経済の民主化
★宗教と価値主義


< 各詳細 >

★未来を決める3つのベクトル
・・・現実において、未来の方向性を決めるベクトルは3つある。それは「お金」「感情」「テクノロジー」である。最も強力なのはお金であり、ほとんどの人は市場経済の影響力から逃れられないので、「経済=お金」と言って良い。次に強力なのが感情で、「思想」とも呼ばれるが、一定の母集団を形成するのに役立ち、無視できない要素である。テクノロジーは最近影響力を強めて来ているが、感情程では無い。よって現実を引っ張る力の強さは「お金」>「感情」>「テクノロジー」の順である。

★Fintech2.0
・・・「Fintech(フィンテック)」とは、ITの進化によって金融の世界が破壊的に変化するトレンドである。Fintechには大きく2つあり、ここではそれらを「Fintech1.0」、「Fintech2.0」と呼ぶことにする。Fitech1.0とは、既存の金融の仕組みを崩さずに、ITで限界まで効率化するものである。例えば、ビッグデータを使った会計・投資・保険等の業務の効率化や、新たなマーケティング手法の活用等である。対してFintech2.0は既存の金融の枠組みを無視して、ゼロベースから再構築するものである。Fintech2.0は既存の概念に当てはまらない為、それが何なのかを言葉で表現することは難しい。Fintech2.0の典型はビットコインである。

★経済とは欲望のネットワーク
・・・経済とはネットワークそのものであり、構成員である人間を動かしているのは欲望である。社会の欲望を大別すると、本能的欲求・金銭欲求・承認欲求の3つに分けられる。本能的欲求とは衣食住やモテたい等の生物の根源的な欲求である。金銭欲求とは稼ぎたいと言う欲求。承認欲求とは、社会で認められたいと言う欲求である。経済はこれらを起点に動く、報酬(インセンティブ)のネットワークである。


★発展する経済システムの5つの要素
・・・「生産活動を上手く回す仕組み」を「経済システム」と呼ぶとするなら、それには大前提として自己発展的に拡大して行く仕組みが必要である。そのような仕組みには5つの重要要素がある。

 ①インセンティブ⇒個々の構成員が積極的に参加しようと思うような報酬の設計が必要である。

 ②リアルタイム⇒変化が無いと緊張感や活力が無くなる為、時間によって状況が常に変化するような要素が大事である。

 ③不確実性⇒人間は不確実性を無くしたい為に努力するが、不確実性が全く無いと、想像力を働かせて積極的に取り組む意欲が失われてしまう。その為、運と実力の両方の要素があった方が良い。

 ④ヒエラルキー⇒目に見える指標が無いと、参加者は自分の立ち位置が分からなくなってしまう。なので秩序は可視化されている必要がある。但し秩序は余り固定化されると活力を損なうので諸刃の剣でもある。

 ⑤コミュニケーション⇒人間はコミュニケーションを通して共同体を意識し、コミュニケーションはシステム全体をまとめる接着剤として働く。

★経済に持続性をもたらす2つの要素
・・・経済システムの持続性の為には、先の5つの要素に加えて、更に2つの要素が必要になる。

 ①経済システムの「寿命」を考慮しておく⇒経済システムは時間が経つ程、階層の固定化と言う淀みを避けることはできない為、寧ろ寿命があることを前提として、寿命が来たら別のシステムに参加者が移って行けるような選択肢を複数用意しておいた方が良い。例えばヤフーや楽天等は、一つのサービスに飽きたら別のサービスに回遊させるような設計がされている。

 ②「共同幻想」が寿命を長くする⇒参加者が同じ価値観や思想(共同幻想)を持っていると、システムの寿命は飛躍的に延びる。例えば、かつてアップルの製品は不具合が多いことで有名だったが、アップルの思想や美意識に共感した熱烈なファンがいたことで、欠点があっても使い続けてくれた。


★ビットコインの報酬設計の秀逸さ
・・・ビットコインは経済システムとしての報酬設計が秀逸である。マイナーや投資家を「利益」で呼び込み、ブロックチェーン等の「テクノロジー」で技術者の興味を引き、国家の管理を極力排除すると言う「リバタニアン的な思想」で社会を巻き込み、システム全体を強固なものにしている。更にオープンソースにすることで、ビットコインが駄目になっても、アルトコイン等の別の選択肢に参加者が移動しやすくなっている。


これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。

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