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【経済本100冊】Vol.17:『世界から格差がなくならない本当の理由』(著:池上彰)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、池上彰さんの『世界から格差がなくならない本当の理由』です。

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基本情報

タイトル:世界から格差がなくならない本当の理由
著者名:池上彰
初版発行年月:2017年3月
ページ数(大体):約210pg
難易度所感〈五段階〉:★★ ややカンタン

大和の適当あらすじ

政治解説の神・池上彰さんが格差社会の現状をレポートしてくれた本。


全体の感想

池上彰さんの解説は分かりやすいと評判ですが、この本もとても分かりやすく格差社会の現状の分析が書かれてあります。エコノミストと言うよりもジャーナリストの方ですので、経済学の詳細な理論の話は出て来ず、格差を
象徴する世界のニュースや経済データを通じて、静かに冷静にやんわりと問題提起してくれます。経済本と言うと辛口エコノミストの本が多いものですが、そう言うのが苦手な方にオススメ。じゃあどうしたらいいかと言うアイデアは余り提示してくれませんので、飽くまで情報整理と現状理解を深める為のツールとして読むといいでしょう☆彡


大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >

★絶対的貧困と相対的貧困
★お金持ちの独立地域
★東西冷戦が格差に歯止めをかけていた
★最後の世界の工場はバングラデシュ
★タックスヘイブンとパナマ文書
★子供の貧困とこども食堂の広がり
★小泉政権の構造改革の負の遺産
★派遣労働の自由化で低賃金労働者が急増
★金融ビッグバンの負の遺産
★アメリカは寄付大国


< 各詳細 >

★絶対的貧困と相対的貧困
・・・「貧困」には2つの概念がある。1つは「絶対的貧困」で、生活必需品さえ買えない程の、最低限の生活を営むことのできない状態のこと。もう1つは「相対的貧困」で、年間の可処分所得が中央値の半分を下回っている状態のこと。平均値では無くて中央値なのは、どうしても一部のお金持ちが全体平均を引き上げてしまって実態にそぐわない為に、貧困を知る上では中央値を使うのが一般的だからである。


★お金持ちの独立地域
・・・アメリカでは今、格差の拡大を象徴する事態として、お金持ちが新しく市を作って独立しようと言う動きが進んでいる。アトランタ市があるフルトン郡では、アトランタ市の北側が高所得層、南側が低所得層の住む地域になっている。南側の方が治安が悪い為に警察の仕事が多く、その分北側の治安の対応が遅れると言う行政サービスの偏りがあった。そこで、自分達の税金できちんと対応をしてもらおうと、北側のサンディスプリングに住む住人は2005年に住民投票を行って、新たにサンディスプリング市を作った。この動きが近くに広がって、次々と高所得層の多い地域が独立する事態になっている。


★東西冷戦が格差に歯止めをかけていた
・・・格差がここまで広がったのは、グローバリゼーションによる安売り競争が原因である。グローバリゼーションが一気に広まった切っ掛けは、1989年の東西冷戦終結である。それにより、労働賃金が安い東側諸国に、西側諸国の企業が生産拠点を移す動きが広まって行った。東西冷戦時は、西側諸国でも社会主義国を作ろうと言う動きがあった為に、国民に不満が溜まらないように社会保障を充実させる等、格差を減らそうと努力していた。それが資本主義の事実的勝利により、恐れるものが無くなって、「格差が広がってもいいからもっとお金儲けしよう」と言う動きが広まってしまった。


★最後の世界の工場はバングラデシュ
・・・中国は安い労働賃金をウリに、「世界の工場」として下請け工場生産で経済発展して来たが、発展するにつれて全体の賃金が上がって来ている為、先進国の下請け工場が中国からベトナム、カンボジア、ミャンマー、バングラデシュに移りつつある。今の所、バングラデシュが最後と言われているので、バングラデシュに世界の工場が移って、そこで人手不足が起きれば賃金の上昇は起きるかも知れない。


★タックスヘイブンとパナマ文書
・・・税を低くして優遇措置を与えている国や地域のことを「タックスヘイブン(租税回避地)」と言う。今、お金持ちや企業がタックスヘイブンにペーパーカンパニー(名前だけの会社)を設立して、意図的に税金逃れをしていることが問題視されている。2016年4月、「パナマ文書」の公開によって世界に衝撃が走った。パナマにあるモサック・フォンセカと言う法律事務所から、世界中の企業・個人・権力者によるタックスヘイブンの利用実態が記載された機密文書が流出したのである。公開された法人数は21万4000件。1つの法律事務所だけでこの数なので、タックスヘイブン関連の業務を行う法律事務所全てのデータが明るみに出たら、途轍もない数になるだろう。


これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。

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