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【経済本100冊】Vol.62:『まんがでわかる「学力」の経済学』(著:中室牧子)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、中室牧子さんの『まんがでわかる「学力」の経済学』です。

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基本情報

タイトル:まんがでわかる「学力」の経済学
著者名:中室牧子
初版発行年月:2018年12月
ページ数(大体):約200pg
難易度所感〈五段階〉:★★ ややカンタン

大和の適当あらすじ

学力に関する様々な要素の関係性を経済学的に読み解き、まんが形式でポップに教えてくれる本。

全体の感想

経済学と言うよりは統計学的な話でしたが、学力に関係する様々な要素を統計的に見た時に、どう言った教育方法が本当に効果があるのかと言うことを解説してくれる、教育ママには興味津々となりそうな本です。教育に対して意識がそれ程高くない人にも配慮したのか、漫画で分かるスタイルで解説されてますが、元々は全部活字の本だったようです。

内容としては要するに、子供は目先の利益に弱いので、自制心をいかに鍛えて行くかと言うような話でしたが、全体的に学校教育が前提での話でしたので、落合陽一さんとかホリエモンさんみたいに、学校自体がそれ程重要では無いと思っている僕には、共感できる点は少なかったですね。とは言え、教育と言うと感情論がどうしても先行しがちなので、この著者のように、科学的に客観的なデータを集めつつ、ニュートラルな気持ちで最適な結論を得て行こうと言う姿勢は大事だなと思いました。

大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >


★学歴で生涯年収が決まる日本
★目の前のにんじん作戦
★インプット・アプローチとアウトプット・アプローチ
★「自尊心⇒好成績」では無く「好成績⇒自尊心」
★ミューラー実験による褒め方の実験
★テレビゲームと学力の因果関係
★読書と学力における見せかけの相関
★いい先生とは子供を伸ばしてくれる先生のこと
★教員の質を高めるには、教員の参入障壁を低くした方がいい
★非認知能力GRITが認知能力を高める

< 各詳細 >

★学歴で生涯年収が決まる日本
・・・日本では学歴で生涯年収が決まって来る。例えば、高校卒と大学・大学院卒の生涯年収の差は約1億円もあると言われている。即ち教育とは「投資」であり、収益率を高めたいのであれば、人的資本への投資を始めるのは早い方がいいのである。このことは、ノーベル経済学賞を受賞したヘックマン教授も説いている。子供の頃に何も構わず大学費用だけ貯めるような関わりだと収益率は低いので、気が付いた日から始めるのが良いだろう。
また、人的資本は学力だけで無く、健康やコミュニケーション等、人づくり全てが含まれる


★目の前のにんじん作戦
・・・人間は、遠い将来のことは冷静に考えて賢い判断ができても、近い将来のことだとそれができない生き物である。つまり、すぐに得られる満足を大切にしてしまう傾向があるのである。例えば、半年後に5000円のお小遣いを子供がもらえるとして、更にその子供に「プラス一週間待てば5500円にする」と伝えると、ほとんどの子供はその一週間を我慢する。しかし、お小遣い5000円が今日もらえるとしたら、今日もらう方を選択するのである。そこで、目の前の利益を優先してしまうと言うことを逆に利用して、ご褒美を設定して教育するのが「目の前のにんじん作戦」である


★インプット・アプローチとアウトプット・アプローチ
・・・勉強におけるご褒美のあげ方の戦略には、「インプット・アプローチ」と「アウトプット・アプローチ」の2種類がある。これは、勉強のインプットにご褒美をあげるか、アウトプットにご褒美をあげるかと言うもので、例えばテストで良い点を取ればご褒美をあげると言うのをアウトプット・アプローチだとすると、本を一冊読んだらご褒美をあげると言うのはインプット・アプローチである。このことをハーバード大学のフライヤー教授が研究した所、テストの点が上がったのはインプットの方にご褒美をあげた方である。これは、インプット・アプローチの方が、具体的に何をすればいいかの方法が明確だからでは無いかと思われる

★「自尊心⇒好成績」では無く「好成績⇒自尊心」
・・・「自尊心が高いと学習意欲が高く成績が良い」とよく言われるが、アメリカでの実験では有力なエビデンスは得られず、寧ろ自尊心と学力の関係は相関関係に過ぎず、因果関係は逆と言う結果が出ている。相関はAとBが同時に起きていると言う「A=B」のような関係で、因果関係とはAによってBが生じると言う「A⇒B」の関係である。つまり、勉強ができる子は成績がいいから自尊心が高いのであって、成績が高くないのにむやみやたらに褒めると、根拠の無い自信を持つナルシストに育ってしまうことにもなりかねないのである

★ミューラー実験による褒め方の実験
・・・子供の勉強についてどう褒めればいいかについての実験に、コロンビア大学のミューラー実験がある。これは、子供達にIQテストを実施して異なる褒め方をし、それを繰り返すことで結果はどう変わるかと言う実験である。ちなみに、2回目は難易度が難しく、3回目は1回目と同じレベルである。すると、2回目は難しいのでどのグループも成績が落ちたが、3回目では、褒めないグループはそのまま、能力を褒めた(例:頭がいい等)グループは成績が下がり、努力を褒めたグループは成績が伸びたのである


これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。

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