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【経済本100冊】Vol.64:『「コト消費」の嘘』(著:川上徹也)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、川上徹也さんの『「コト消費」の嘘』です。

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基本情報

タイトル:「コト消費」の嘘
著者名:川上徹也
初版発行年月:2017年11月
ページ数(大体):約240pg
難易度所感〈五段階〉:★★★ ほどよい

大和の適当あらすじ

最近話題のパワーワード「コト消費」の嘘を暴く本。


全体の感想

経済の話にも深く関連はしますが、著者がコピーライター兼コンサルタントと言うこともあり、全体的にマーケティング色の強い本です。「コト消費」と言う言葉は僕は実は疎くて、気付いたら「何か話題になってるなー」って感じにしか思ってなかったんですが(笑)、結構曖昧な意味で使われている言葉だったみたいですね。

この本では、「モノだけ売る時代は終わったけども、コトだけでも上手くは行かない」と言うことで、「コトモノ消費」を主張しています。考えてみれば商売の基本であり鉄則だと思うんですが、コトとモノのギャップをどう埋めたらいいか分からないと悩んでいる人には、この本は正に打ってつけだと思います。具体的な事例が多いのも有難いです。

但し、全ての業種・業態にこのコンサル手法が当てはまるかはちょっと疑問に思ってまして、どちらかと言うと趣味的な意味合いの強い商材にマッチしたマーケティング手法では無いかと僕は思うんですね。


大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >

★コト消費でもモノ消費でもなくコトモノ消費でなければならない
★純粋体験型コト消費
★イベント型コト消費
★アトラクション施設型コト消費
★時間滞在型コト消費
★コミュニティ型コト消費
★ライフスタイル型コト消費
★買い物ワクワク型コト消費
★ポスター総選挙と言うコトを活かせない「文の里商店街」
★光学機器メーカーのコトづくりの挑戦
★星を見ると言う感動体験を双眼鏡に繋げたビクセン


< 各詳細 >

★コト消費でもモノ消費でもなくコトモノ消費でなければならない
・・・最近「コト消費」と言う言葉が脚光を浴びているが、とりわけインバウンドで使われることが多くなって来ている。つまり、2015年に中国観光客がモノを爆買いしていたのに対し、2016年頃から消費スタイルが観光メインに変化したことを受け、これを「コト消費」と言う言葉で指摘するようになったのである。しかし、旅行客が買い物より体験を重視するのは当たり前で、爆買いと言う現象が例外だっただけである。モノだけを売る時代は終わっているが、だからと言って商店街のイベントが大体リピートに繋がらない例を見ても分かる通り、コトだけを売っても早晩息詰まるだろう。大切なのはコトとモノを繋げる消費である「コトモノ消費」なのである


★純粋体験型コト消費
・・・様々な文脈で使われる「コト消費」には7種類あると川上氏は主張する。その1つが「純粋体験型コト消費」である。観光産業ではその多くがこのカテゴリーに属する。ホテルや旅館に泊まってその土地ならではの食事をする。温泉・スキーや神社仏閣巡り、山・川・海等でのアクティビティ等は全部これに含まれる。純粋体験型コト消費の特徴は、「体験してもらうこと=商品」なので、コトとモノを結びつけなくても、商売として成立すると言うことである。そうは言っても更にモノに繋げられれば、大きな消費を生み出すことも事実で、最近流行りの漫画・アニメ等の「聖地巡礼」は、現地での消費に繋がっていない勿体無いケースもあるので、そこは工夫が必要である。


★イベント型コト消費
・・・「イベント=商品」である場合は「純粋体験型コト消費」に含まれるが、デパートやショッピングモール等の商業施設や商店街で、何かイベントを開催することで集客すると言う手法のコト消費は「イベント型コト消費」に属する。多くの場合、イベント自体は無料なので、それ自体では商売として成立しない。イベントによって集まって来る人の、モノ消費を期待したコト消費だと言えるだろう。一般的には、一過性の効果に終わってしまうケースが多いようである

★アトラクション施設型コト消費
・・・主にショッピングモール等の商業施設等に何等かのアトラクション施設を作ることで、集客する手法のコト消費は「アトラクション施設型コト消費」に属する。代表的なものは映画館(シネマコンプレックス)である。言うまでも無く、これらの施設は集客には効果がある。その施設が他に無い魅力的なものであれば尚更である。しかし、導入には莫大な投資が必要である。オープン当初は人気だったが、今は無用の長物になっているものも少なくない。なので、それは顧客が本当に欲しているものなのか、またそれだけの費用をかける意味が本当にあるのか等、きちんと検証する必要があるだろう


★時間滞在型コト消費
・・・主に商業施設において、長時間滞在してもらうことで、「モノを買ってもらう」ことを狙ったコト消費は「時間滞在型コト消費」に含まれる。「トキ消費」と言う言葉も最近見かけるが、この時間滞在型コト消費を言い換えたものと言って良い。また、広い意味では、「イベント型コト消費」、「アトラクション施設型コト消費」もこれに含まれる。代官山蔦屋書店の流れをくむ「蔦屋書店」「T-SITE」等は、その典型である。とても居心地のいい空間であり、このような施設ができることは消費者にとっても喜ばしいのは確かだが、長時間滞在したからと言ってモノを消費するとは限らないので、このタイプの消費では、モノ消費に繋げる仕掛けが重要になって来るだろう


★コミュニティ型コト消費
・・・その商業施設を中心としたコミュニティを形成することで、消費に繋げようと言うスタイルのコト消費は「コミュニティ型コト消費」に含まれる。形成されるコミュニティは、「商品を中心としたコミュニティ」「商品とは関係ないコミュニティ」の大きく二つに分けられる。前者は自転車売り場で「自転車好きな人が集まる場を作る」と言うようなもので、後者は直接商品とは関係の無い「社会活動」や「趣味」等のコミュニティを作ると言うようなものである。どちらにしても軌道に乗るまでは大変であり、スタッフの手間もかかる。大型商業施設よりも、中小規模のお店等の方が上手くいきやすいタイプの消費だとも言えるだろう


これより先は有料コンテンツとなります。価格は200円と、週刊少年誌よりも安く変える値段ですので、更にサクッと学びを深めたい方は是非ご購入下さい。

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【経済本書評】超ネタバレ!経済本100冊読破&書評まとめ


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