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【経済本100冊】Vol.99:『神社崩壊』(著:島田裕巳)のあらすじ

経済本100冊読破タイトル作成

こんにちは!メンタルブロック解除人こと心理カウンセラーの大和です。
こちらでは、「数字に疎い心理オタクが、経済関連の本を100冊読むとどうなるか?」と言う企画で、読破した経済関連の本を紹介して行きます。
既に経済に詳しい方もそうでない方も、今後の本選びの参考にして頂ければと思います。


今回ご紹介するのは、島田裕巳さんの『神社崩壊』です。

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基本情報

タイトル:神社崩壊
著者名:島田裕巳
初版発行年月:2018年8月
ページ数(大体):約220pg
難易度所感〈五段階〉:★★★ ほどよい


大和の適当あらすじ

神社の組織や経営はどんなものかについて解説してくれる本。

全体の感想

2017年に富岡八幡宮で、元宮司の弟が宮司の姉を刺殺すると言うショッキングな事件がありましたが、それをネタに、神社の構造はどんなものかを解説してくれています。但し残念ながら、富岡八幡宮の事件については、表面的な所をさっとなぞるだけで、余り人間ドラマに肉薄したような内容は見られませんでした。また、第一章が富岡八幡宮事件、第二章以降が神社の組織・経営についてですが、第二章以降は富岡八幡宮事件と余り関係が無くなってますね。とりあえず、富岡八幡宮は滅茶滅茶儲かる金満神社だったけど、それ以外の神社の大多数はそこまで儲かってないし、神職自体そんなに儲かる仕事では無いと言うことが分かりました。

大和の学びポイント


< 学びポイントまとめ >


★ヴェールに包まれた、宗教法人の財務状況
★宗教法人の収益ランキング
★各神社の年収
★専業が圧倒的に多い神職
★神職は大体他の複数の神社を兼務している場合が多い
★神社本庁は民間の一宗教法人
★神社本庁と神宮大麻
★神宮大麻の厳しいノルマ
★神社本庁と各神社との経済関係
★神社本庁は新宗教


< 各詳細 >


★ヴェールに包まれた、宗教法人の財務状況
・・・神社を含む宗教法人の財政事情を外から伺い知ることが事実上不可能である。宗教法人法では、信者その他に正当な理由があれば、財産目録等を閲覧することが可能だとしているが、信教の自由が妨げられないように留意しなければならないとしている。一見、財務関係の書類を閲覧できそうに見えるが、鳥取県が県の情報公開条例に基づいて、県内の寺院の財務関係の情報を開示決定した所、その寺院から開示決定の一部取り消しを求める訴訟が起こされ、裁判所が県に対して開示決定を取り消すよう命じる判決も出ている。こうした点から、たとえその宗教法人の信者でも財務状況は知れず、まして外部の人間が知ることは不可能だろう。

★宗教法人の収益ランキング
・・・2003年に帝国データバンクが調べた宗教法人の収益事業による申告所得のランキングでは以下の通りである。1位:創価学会⇒181億円2位:明治神宮⇒16億円3位:月窓寺⇒4億円、4~7位:蓮乗寺(日蓮宗)・浅草寺・霊波之光・靖国神社⇒3億円、8~12位:顕正会・光専寺・日本基督教団三崎町教会・日枝神社・信州大谷派離波別院⇒2億円、13~20位:修験四恩寺・日本バプテスト宣教団・観泉寺・霊友会・熱田神宮・東方之光・稲足神社・正教寺⇒1億円。


★各神社の年収
・・・平成29年版の『宗教年鑑』では、神社の年収で、300万円未満の収入しかない神社は全体の62%を占めている。つまり、1日1万円も入って来ない訳である。300万円以上1000万円未満は18%である。そして、1000万円以上は16%である。富岡八幡宮殺人事件で話題になった富岡八幡宮は、この調査が行われた時点でまだ神社本庁の傘下にあったが、もし答えていたとしたら、1億円以上に含まれたであろう。それ程豊かな神社は2%程度で、数にすれば149社である。

★専業が圧倒的に多い神職
・・・公務員に対しては副業が禁止されているが、神職や僧侶等の宗教家については、私企業に勤める訳では無く、宗教団体が営利企業にも当たらない為、兼職は可能である。国税庁の調査では、神職専業が64%で、兼業している神職は36%と、専業の方が遥かに多い。これは恐らく、定年になるまでは他の職業に就いていて、退職してから神職を専業とするようになる人間が少なくないからだろう。また、神社の宮司の平均年収は、300万円未満が64%で、500万円未満とすると79%になる。また、宮司よりも下の神職となれば、更に年収は低くなる。

★神職は大体他の複数の神社を兼務している場合が多い
・・・平成29年版『宗教年鑑』では、「宮司としての兼務社登録は何社(法人)ありますか」と言う質問に対して、最も多いのが「5社以下」で41%である。これ以下、「ない」が21%、「6~10社」が18%である。近くにある神社のことを考えてみても、多くの神社は普段、参拝者以外、神職に当たるような人間はいない。正月の初詣や例大祭の時には、どこからか神職がやってきてお祓い等をしてくれるが、それ以外の時に宮司は不在である。そうした神社が兼務社である。神社の数が神職の数を大幅に上回っているのだから、これは当然のことである。


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