見出し画像

プラトニックセックス 飯島愛

画像1


覚えている。

飯島愛のプラトニックセックス。

発売当初は多分小学生だったので、読みたいと言っても親に読ませてもらえなかった。

中学生になって解禁されたものが結構あった。

バトル・ロワイアルや自殺サークル、そしてプラトニックセックス。

まぁ刺激が強いものだ。

一体、母親は何を基準にしていたのだろうと思うけども、

とにかく私はプラトニックセックスを初めて読んだのは中学生の時だ。


本書は飯島愛の手記。自伝だ。

14才で家出をしてからシンナー、同棲、強姦未遂といった激しい少女期を経て、ホステス時代、アダルトビデオ出演、そして美容整形と、あらゆる経験をしたタレント飯島愛が、初めて書き下ろした衝撃の単行本。当時の感動の日記も含む。-Wikiより


当時の感想は

東京の繁華街は凄い&怖い!!


そして普通の中学生だったしグレてもいなかったのでなんとなく読み終えてしまったのを覚えている。


そしてちょっぴりグレて渋谷や新宿に行ったり、クラブに潜ったりして

高校生になった私はDEEP LOVEやホストの大好きやったんやでを

読んで一喜一憂していた。(完全に年齢がばれるw)


そして普通に高校生をしている時にまた読んだのだ。

当時はまだ飯島愛生きていたし、仲間内では元AV女優!!!

AV探そうぜ!!的な感じでしかなかった。


そして今考えるとホントに狂ってるなと思うけど、

友達の親父がAVマニアで持っていたのだ!!!そして貸してくれた。

それをさらに友人宅でダビングしてクラスで一大ブームになったので忘れない。

『同級生は甘ずっぱく濡れて』だ!!

トレイシーローズの『人魚交愛』と飯島愛の『同級生は甘酸っぱく濡れて』は時代が古すぎて全然興奮しないのになんかそれが興奮した。

思春期の男の子はバカばっかりである。

紋舞らんは私の永遠のアイドルです。


話がそれた。

まぁ高校生にもなると仲間内で悪い事をやっちゃったりってのは

結構あったり見たり聞いたりしてたから飯島愛も今は芸能人なのにすげーなー俺らも頑張れば有名になれんのかなー的な感じでしかなかった。


そしてま、大人になった今、10年以上ぶりに読んだ。

辛すぎる。


悲惨な状況で育った奴、悲惨な経験をしてる奴、

そして世の中に反抗的な年ごろ。

それはいつだっている。


でもやはりバブル前後はきっと繁華街の闇は恐ろしいものだったのだろう。


そして私たちは知っている。

飯島愛は肺炎で死んだ。36歳でマンションで一人。

発見されたのも死後一週間後だ。


本書は

『願いが叶うと、すべてが終わる』で始まり、

『パパ、ママ。こんな娘でごめんね。』で終わる。


確実に今のご時世の空気ではないところで飯島愛は戦っていた。

彼女は自分自身を救えなかったのだろうか。

きっと救えなかったんだと思う。

年を取って家族と和解をしても埋められない部分はある。


うん。


ただ彼女は自然体でしゃべるし、本書でもそう。

こうしなさい、とかこれはよくない。

とかあまり関係なく、素直に自分で進んだ道だから。


って感じで語る。が日記はそうじゃないよねw


まぁともかく、本書は堕ちた所で生きていく少女が

大人になる話だ。


今でもいるのだ。

彼女は生きた足跡を本書の様に残せたが、

日の当たるところへ上がれない少女達がいつの時代もいるのだ。


悪いのは親か?大人か?繁華街か?仲間か?薬か?仕事か?


それともやっぱり、悪いのは自分なのかな。



豊かに人を愛する事。それはとても難しい事だけども。

求めてしまうよね。


最後に。題名。


プラトニックとは性愛を含まない精神的な、と言う意味。

つまりプラトニックラブとはセックスしない(極端だと手も触れない)で

精神的に気持ちだけで愛する事。


だからプラトニックセックスなんて言葉は起こりえないのだが、

精神的な愛情を汲んだセックスの事なのだろう。っと私は思った。


愛のないセックスはなぜこんなにも長く感じるのだろう。

と本書内にあるように、


愛のあるセックス、真実の愛があるセックス。

本当の、心同士を触れ合わせるセックス。

それを求めていたのではないか。


人を本当に愛する事の難しさ。そんな事を思った本書でした。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?