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テイトで"cast"の意味を知る&パフォーマンス南瓜

ロンドンにいる間に1番行ったと思われる、イギリス美術ギャラリー・テイトブリテン。

近いようで駅から少し歩く絶妙な場所にあるのに、個人的に好きな作品が多く何かと立ち寄った思い出。

そんなテイトブリテン美術館の建物の中心に、Duveenギャラリーという広い空間がある。

あたかも有識者のように語り始めたアート初心者の私が輪をかけて分からないのが建築であるが、このDuveenギャラリーはネオゴシック様式で設計されたそう。

絵の展示スペースとは違って開放的で壮大。

そんなDuveenギャラリーで見た2つのアート作品のこと。

圧巻の樹脂アート

大量のカラフルな四角。

Rachel Whiteread の Untitled (One Hundred Spaces) という作品。

小学生女子が歓喜しそうな色味・素材。

そしてデパ地下でこういうお菓子をたまに見かける・・・分かって頂けるだろうか。

これは実は、椅子の下の空間の型。

ここぞとばかりに上手く説明できないが、椅子の足に囲まれた何もない部分の型。

私もすぐにこれが何なのか理解できず、先生の説明もどうも分からない中で、1つ単語を学んだ。

cast=鋳造

液体を型に流し込んで固めるという意味。

レイチェルさんはこのcastingアートで有名で、初めてターナー賞を受賞した女性らしい。

それにしても何故、椅子のあの部分?

見えるものを同じように作るのではなく、見えていない空気を形にする。

それが彼女のスタイルとのこと。

なるほど。分かったような?気がしなくもないような?

ちなみに、彼女は郊外にある取り壊しが決まっている家の内部にコンクリートを流し込み、建物一軒分のcasting作品も作ったらしい。

他にも階段の下のスペース、窓枠、とにかく型取り専門家ということが分かった。

ちなみに先生曰く「年齢的なこともあり、YBA(ヤングブリティッシュアーティスト)に分類するのは躊躇われるが、限りなくYBAに近い存在」らしい。

お笑い第七世代分類のような話である。

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目が離せないカボチャ鳥

二つ目はパフォーマンスアート。

Anthea Hamilton の The Squash という作品。

正直、アート初心者の私にパフォーマンスアートは未知。

鳥?!かと思ったらカボチャ( Squash ズッキーニの方が近いかも)。カボチャ鳥がゆるゆると動いている・・・?

そう、踊るでもなくポーズをするでもなく、絶え間なくぬるりぬるり。

たまに休憩。ゴロン♪

ちょっと動こうかな、足をヒョイ♪

あ!タイルのステージから落ちる?!た・・・耐えた!

何だろうこの可愛さは・・・!

しかし、溌剌としたダンスで「何かを表現してます!」感があったら逆にここまで気になる存在ではなかった気がする。

ぎょっとする見た目なのに可愛らしい動き。もちろんダンスがとても上手い方であるのは伝わってくる。計算し尽くされているのだろうか。

何故カボチャなのか?何を伝えているのか?気になって調べた。

・アメリカ先住民ホピ族がカボチャモチーフの衣装を着ていた。
・先住民哲学に興味があったアメリカ人ダンス振付師エリックがカボチャ衣装で踊り写真を撮った。
・その写真を見たハミルトンがこのアートを思いつく。
・しかし写真のみでので情報がなかったので想像するしかない。
・野菜としての人生を想像し自己解釈。

野菜としての人生!

そんなカボチャ鳥は、しばらくするとスタッフと手をつないで休憩しに帰っていった。

そして、私が他の展示を見終わり帰ろうとした時、お色直しをしたカボチャ鳥が再び元気にぬるぬるパフォーマンスしていたのである。

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