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【無料】基礎から分かる水産用語<133> ESGとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


ESGとは

 環境(Environment)・社会(Social)・企業統治を意味するガバナンス(Governance)の頭文字を取った単語。持続可能性に配慮した事業活動が求められる中、ESGの考えを経営に取り入れる企業も増加する。水産企業でも、資源の調達方針の公表や水産エコラベルの取得、海洋プラ問題への対応、ハラスメント防止―などの取り組みを打ち出している。

 国際的な気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同し、気候変動に関する財務情報を開示する流れも進む。近年では、ESGへの取り組みを投資の判断材料の1つとする「ESG投資」の流れも加速している。

 農水省は2023年3月、「食品企業のためのサステナブル経営に関するガイダンス」を策定した。食品企業に関わりが深い環境・社会課題ごとに、取り組みの目標設定や具体的な取り組み方法、情報開示の方法などを示したもので、特に重要な課題として「気候変動」と「人権尊重」を挙げる。

 同省新事業・食品産業部新事業・食品産業政策課ファイナンス室は「食品ロス削減やリサイクルなど、ESG取り組みはさまざま」と説明。大企業によるESGの取り組みが進む中で、「大企業と取引のある中堅・中小企業も、原材料や脱炭素などの情報を持つことが必要となる」と話す。

みなと新聞本紙2023年7月21日付の記事を掲載