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【無料】基礎から分かる水産用語<185> さつま揚げとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


さつま揚げとは

 魚肉のすり身を成形して油で揚げた揚げかまぼこの一種。日本かまぼこ協会によると、関東地方ではさつま揚げ、関西地方では「天ぷら」、特産の鹿児島県では「つけ揚げ」と呼ばれることが多いという。揚げかまぼこの総称として使われるケースもある。

 鹿児島県蒲鉾協同組合の資料によると、江戸時代の薩摩藩藩主・島津斉彬公の時代、魚のすり身を油で揚げた琉球料理「チキアーギ」が琉球との交易で伝わり、さらに改良し、考案されたものといわれる。

 魚種はスケソウダラ、エソ、グチなどが主に使われる他、水産地では地場で多く水揚げされる魚を材料にする。すり身を塩や砂糖などで味付けし、丸形や角形などにして揚げる。すり身のみで作る商品の他、野菜や魚介類などを入れて揚げた商品も多い。

 すり身を油で揚げるため濃厚な風味が特徴。そのまま食べる以外にも、さっと焼いてショウガやワサビしょうゆで食べたり、鍋物やおでん種、炒め物、煮物、麺料理の具材など幅広い用途に使われたりする。

 総務省の調べによると、2022年の揚げかまぼこの都道府県・都市別支出金額では鹿児島市が6298円で首位。2位の長崎市(4244円)と比べて突出して多い。以下、高松市、高知市、宮崎市と続く。

みなと新聞本紙2024年2月13日付の記事を掲載