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月金帳

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小説家石田千さんと画家牧野伊三夫さんの往復書簡
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記事一覧

第236回往復書簡

牧野伊三夫 →  石田千さんへ  38年前にアンデスの高原列車に乗ったときの記憶を描いてい…

港の人
5日前
13

第235回往復書簡 文庫本、16時20分

石田千 →  牧野伊三夫さんへ  牧野さん、目のぐあいは、いかがですか。  夏場は、汗が目…

港の人
10日前
22

第234回往復書簡

牧野伊三夫 →  石田千さんへ  暗い森の向こう、薄めたような淡い水色の空に珊瑚色の雲が…

港の人
2週間前
17

第233回往復書簡 還暦、7月4日

石田千 →  牧野伊三夫さんへ  牧野伊三夫さん、還暦のお祝いを申し上げます。  60年まえ…

港の人
1か月前
33

第232回往復書簡

牧野伊三夫 →  石田千さんへ  結膜炎で視界がボンヤリしている。このまま失明してしまっ…

港の人
1か月前
21

第231回 ワンピースにカーディガン、11時

石田千 →  牧野伊三夫さんへ  月にいちどの11時、メンタルクリニックの診察がある。  ま…

港の人
1か月前
36

第230回往復書簡 はちみつ、11時

 石田千 →  牧野伊三夫さんへ   ことしも、東北の養蜂園より、1年ぶんの蜂蜜が届いた。  みつばちが、すくなくなっている。養蜂園のご夫妻は、高齢になられて、お仕事を縮小された。養蜂と、果樹園、重労働を案じている。  毎年2月に、1年ぶんを注文する。まえに3月に電話をしたら、売切れてしまっていた。  さくらんぼの花の蜜は、こっくり黄金いろ。甘さのあとに、桜餅のような香が、鼻をぬける。  この蜂蜜のことは、もうなんども書いたと思う。毎朝、はちみつトーストか、はちみつヨーグ

第229回

牧野伊三夫 →  石田千さんへ  寝ころんで、ネナ・ベネッサノウを聴いている。もうずっと…

港の人
3か月前
11

第228回往復書簡 昼顔、9時20分

石田千 →  牧野伊三夫さんへ  遠出の仕事は、週に3日。2か月すぎて、車窓にながれる木々…

港の人
3か月前
20

第227回往復書簡

牧野伊三夫 →  石田千さんへ  十一月に盛岡の公会堂で、はるか君と即興制作をやることに…

港の人
3か月前
13

第226回往復書簡 音読、19時

石田千 →  牧野伊三夫さんへ  夕食は、パン。冷凍してあるので、焼きあがりまで、16分…

港の人
4か月前
29

第225回往復書簡 初夏の風

牧野伊三夫 →  石田千さんへ  博多の「メゾンはこしま」での個展のはじまりの会を終えて…

港の人
4か月前
23

第224回往復書簡 いちご、19時

石田千 →  牧野伊三夫さんへ  連休のあいだの平日、帰省をしてきました。 羽田空港では、…

港の人
4か月前
21

第223回往復書簡 クモの糸、葉っぱのくるくる劇場

牧野伊三夫 →   石田千さんへ  玉川上水の雑木の春、桜にの花びらに混ざって、クヌギやコナラの花が雪のように降ってきて、ラクダの毛布のように地面につもっていく。  朝の散歩のとき、空中で小さな葉が風にゆられてくるくる回っているのをしばらく見ていると、隣で一緒に見ていた息子が「クモの糸、くるくる劇場」と言う。いいこというな、と感心する。  来週から博多の「メゾンはこしま」で個展だ。搬入が近くなると、なぜか甘い菓子が食べたくなる。今朝はアトリエで、バナナにハチミツとマーマレー