第223回往復書簡 クモの糸、葉っぱのくるくる劇場
牧野伊三夫 → 石田千さんへ
玉川上水の雑木の春、桜にの花びらに混ざって、クヌギやコナラの花が雪のように降ってきて、ラクダの毛布のように地面につもっていく。
朝の散歩のとき、空中で小さな葉が風にゆられてくるくる回っているのをしばらく見ていると、隣で一緒に見ていた息子が「クモの糸、くるくる劇場」と言う。いいこというな、と感心する。
来週から博多の「メゾンはこしま」で個展だ。搬入が近くなると、なぜか甘い菓子が食べたくなる。今朝はアトリエで、バナナにハチミツとマーマレードをかけたのと、イチジクとチョコのグラノーラを小皿にのせて食べながら、ボンヤリ空を眺めていた。
(4月29日月曜日)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?