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【ファッション】Ivy Styleが今後のトレンドに?

 港区夫婦です。今回はIvy Styleについて取り上げます。Financial Timesの”How To Spend It”に掲載されていた内容で、「Ivy Styleが再解釈されてトレンドに戻ってくる」と言うのがメッセージかと思われます。

 基本的にファッション業界の場合、一定の周期でスタイルの流行り廃りが現れ、いわゆるシクリカルな動きをしています。ただ、シクリカルとはいえ、そのスタイルがそっくりそのまま戻ってくることはなく、常に”再解釈”されながら、スタイルが戻ってきます。つまり、Modernisedされた状態で、過去のトレンドが戻ってくるわけです。

 この”再解釈”と言うのは、Reinterpretというワーディングになり、芸術や文化の分野では重要な言葉になりますので、頭に入れておくと良いでしょう。あるブランドでデザイナーが変わる度に注目されますが、それは「そのブランドをどう再解釈するか?」と言う視点があるためです。その観点から話を進めていきましょう。

1. Ivy Styleとは?

 日本語では、アイビースタイルとかアイビールックという呼ばれ方をしていますが、元々アイビーリーグの学生の一般的なスタイルだったものが広く普及し、一般的なファッションのスタイルになっていったと言われています。

港区夫婦コラム:Ivy Leagueとは?
 アイビーリーグとは、ハーバード大学、イェール大学、ペンシルベニア大学、プリンストン大学、コロンビア大学、ブラウン大学、ダートマス大学、コーネル大学の8校で、アメリカ北東部に位置する名門私立大学の総称です。
 Ivy Leagueに属する学校は、名門ですが、主に”Undergrad”と呼ばれる大学の学部課程が名門と認識されており、大学院の修士課程や博士課程では必ずしもレベルが高いわけではないことを付け加えておきます。

 さて、このIvy Styleですが、1950年代にアメリカで生まれたスタイルになります。わかりやすく言えば、Brooks Brothersであったり、Ralph Raurenなどがそのスタイルを体現していると言えます。

 特徴としては、ボタンダウンのオックスフォードシャツ、カレッジセーター、マドラスチェックというスタイルです。日本でもブレザーの中高生がきている服装を想定すると頭に入ってきやすいと思います。

2. なぜIvy Styleが今カミングバックしてくるのか?

 ジャックカールソンと言う、ニューヨークを拠点とするRowing Blazersの創設者がこのIvy Styleを再解釈し、現代に合わせたスタイルを提案しています。上記のようなボタンダウンのオックスフォードシャツ、カレッジセーター、マドラスチェックは今の観点から見ると、”ルーズ”な印象を受けてしまいます。そのため、現代の生活スタイルには馴染みません。

 そのため、ジャックカールソンは、ワイドレッグチノの上にラグビーシャツを見せたり、明るい黄色のTシャツを着たツイードパンツを使用したりして、現代風にアレンジしています。

 一方で、Scott Fraser Collectionというロンドンをベースにするファッションブランドは、BritishとAmericanのミックスでこのIvy Styleを再解釈する動きが出てきています。彼らが再解釈しているのは、ワイドレッグのハイライずのパンツとスリーピースのツイードスーツにホワイトソックスとローファーを合わせたものになります。そこにイギリスで紳士のスポーツと呼ばれるラグビーの要素を交え、イギリス的な要素をIvy Styleに取り入れようとしているわけです。

 こうしたファッション業界での動きが、アイビースタイルに回帰するというムーブメントに繋がっていると思われます。

3. これからのトレンド

 男性についてはこのスタイルが今後のトレンドとしてカムバックする可能性は十分に有ります。今期のスタイルは、どちらかというと、カリフォルニアを舞台にしたヒッピースタイルとなりますが、今後はルーズの後にこうしたカッチリとしたスタイルが反動で戻ってくることは全然有りえると言えるでしょう。

4. 結論

 アイビースタイルがどのようなものか、そしてそれがどう解釈されていくのかについて言及してきました。

 今後、アイビースタイルが戻ってくる可能性は高く、これから注目のスタイルとなる可能性は有ります。トレンドに乗っかるかどうかはその人のスタイル次第ですが、特別トレンドに乗らなくとも、新しいスタイルを次々に取り入れていくことで、ファッションのスタイルの理解に繋がったり、また、楽しむ幅が広がっていくと思われますので、トレンドは軽く追うような形にしても良いのではないかと私たちは考えています。

(Source: Top of the class: Ivy League style, 16/04/2020


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